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ゲームが原作の歴代映画ベスト10
『名探偵ピカチュウ』や『ソニック・ザ・ムービー』 など、人気キャラクターが登場する素晴らしい作品がランクインしています。気になる第1位はどの作品なのでしょうか。
仮にあなたは、売れっ子脚本家だとします。そこでもし、「ゲームを原作にした映画をつくりたいんだ、本にしてくれ…」と言われたらどうですか? その仕事は、間違いなく大変なものとなるでしょう。そもそもゲームは、プレイヤーが物語を進めるインタラクティブなものです。まさに「筋書きのないドラマ」とも言える内容を映画化するには、コンセプトの土台となっているゲームを超えた世界感をつくり上げなければならないのですから。
また、ほとんどのゲームは、30~60時間プレイしなければ結末が見えないものばかり…。そして本質的には、どこかふざけた内容であることもしばしばです。なんと言っても、ハリウッドでさえマリオをうまく映画化できなかったのですから。
そう、ゲームの映画化における最大の難関は、そのゲームを(想像をはるかに超えて)愛し続ける人々の存在です。自らの時間とエネルギーを費やし、スナック菓子を食べながら夜明けまで遊んだゲームに大きな思い入れを抱く彼ら彼女らは、映画化作品のキャラクターからストーリー、ビジュアルまで、あらゆる点に目を光らせるものです。
そんなわけで、ゲームが原作でありながらも優れた映画というのは、「ほんのひと握りしかない」と言っていいでしょう。もしあなたの脳裏に、1本でも思い浮かべることができれば、それは素晴らしいことです。例えば、ベン・シュワルツが声優として唯一無二のパフォーマンスを発揮した『ソニック・ザ・ムービー』は、そんな映画の1本と言えます。また、ライアン・レイノルズが声優を務めた『名探偵ピカチュウ』もゲーム映画の傑作。ぜひとも続編を観てみたいところです。
今後もゲームが原作となった映画は、続々と登場することでしょう。そこでここでは、そんな未来への期待を抱きながら、これまでに発表されたゲーム映画の中でもおすすめの数々を振り返りましょう。そして誠に勝手ながら、「エスクァイア」US版が独自に採点したランキング形式でご紹介します。
第10位:『ピクセル』(2015年日本公開)
このリストに『ピクセル』が選出されるとは、誰が予想したでしょうか。
この映画は掲載した一場面を見てわかるように、80年代のアーケードゲームの名作(『パックマン』や『センティピード』)を称える愛すべき作品です。
主演アダム・サンドラーの演技はもちろんのこと、ブライアン・コックスやピーター・ディクレイジ、そしてミシェル・モナハンなどが熱演していることも人気の理由かもしれません。観直す価値のある名作です。
第9位:『アサシン クリード』(2017年日本公開)
映画版『アサシン クリード』のクリエイティブチームは、適切なアプローチを行いました。ゲームスタジオのユービーアイソフトがこのプロジェクトのクリエイティブ面での手綱を握り、シリーズ化の可能性を期待できる信頼できる才能を製作陣に加えたのです。
その才能の主とは、ハリウッドで人気上昇中だった主演俳優のマイケル・ファスベンダーです。彼がこの作品の製作で行ったことは、必ずしも興行収入面での成功につながったとは言えないかもしれません。
ですが本作は、ゲームシリーズの魅力を深く理解した上で巧みにつくられたゲーム映画の一例となりました。
第8位:『バイオハザード』(2002年日本公開)
『バイオハザード』シリーズを手がけた、ポール・W・S・アンダーソン監督については賛否があるかもしれませんが、彼が映画版「バイオハザード」シリーズで独自の世界観を築き上げたのは確かなことと言えるでしょう。
シリーズ第1作目の『バイオハザード』は、アンブレラ社で行われていた“Tウイルス”について、映画版オリジナルの主人公アリス(ミラ・ジョヴォヴィッチ)が追求していくストーリーです。
アンブレラ社からの脱出を仲間たちと共に闘いを試みますが、建物内にはゾンビのみならず、さまざまなトラップが仕掛けられており、ハラハラドキドキする作品となっています。
本作の世界観は非常に魅力的で、ゲーム原作の映画の中でも際立った作品と言えることでしょう。
第7位:『ウォークラフト』(2016年日本公開)
『ワールド オブ ウォークラフト(WoW)』は、全世界で史上最も愛されてきたゲームシリーズの1つと言えます。そのファン層は幅広く、中には子ども時代から数十年間遊んでいるようなベテランプレイヤーも存在します。
ダンカン・ジョーンズ監督によるシリーズの映画化は、「原作ゲームのファンが、映画版のメガホンを取ったらどんなことが起こるのか?」を見せてくれました。ジョーンズ監督は筋金入りの『ワールド オブ ウォークラフト』のファンであり、このシリーズにおける彼の造詣の深さは本作を観れば一目瞭然です(正しくは、一目じゃないかもしれません…)。
第6位:『トゥームレイダー ファースト・ミッション』(2018年日本公開)
2000年代前半に、アンジェリーナ・ジョリーを主役に立てた映画シリーズが残念な出来に終わった後、ゲーム『トゥームレイダー』が擁する壮大なアクションアドべンチャーの世界感をスクリーン上で最大限発揮されることはもはやないな、とてもタフな女性を主役とする、「インディ・ジョーンズ」シリーズ的映画になる可能性も秘めていたのに…そのように思っていました。
そして2018年、アリシア・ヴィキャンデル主演のよりダークでリアルな『トゥームレイダー』が製作され、彼女は見事にララ・クロフト役を演じていました。
第5位:『ファイナルファンタジーVII アドベントチルドレン』(2005年日本公開)
『ファイナルファンタジー』もまた、それ自体でサブカルチャーを形成している大人気ゲームシリーズです。長年の間、ファンたちはこの最愛のRPGが、どのように映画化されるのかを疑問視していたに違いありません。
今回のリストで、唯一実写ではない『ファイナルファンタジーVII アドベントチルドレン』は、そんなファンたちの声に応えたものと言っていいでしょう。
スクウェア・エニックスによる愛すべきシリーズを、想像力豊かに、時にクレイジーに映像化したこの作品は、俳優の代わりに3DCGを使用することで、まさに映画とゲームの境界線の幅を極力狭めた傑作としての評価すべきでしょう。
第4位:『ソニック・ザ・ムービー』(2020年日本公開)
本作は、数カ月におよぶ製作上のトラブルこそありましたが、ソニックを主人公にした意外なほど愉快な映画となりました。
良くも悪くも、本作はパンデミック中に映画館で鑑賞可能であった作品として記憶に残ることでしょう。
中でも、ソニックの宿敵ドクター・ロボトニックを演じたジム・キャリー、その演技は見逃せません。
第3位:『シュガー・ラッシュ』(2013年日本公開)
『シュガー・ラッシュ』というゲームは、現実世界には存在しません。これはこの映画内だけのゲームです。なので厳密に言えば、この作品は「ゲームが原作の映画」とは言えないかもしれません。
作中では、アーケードゲームのキャラクターたちがデジタルな遊び部屋に集まる世界が描かれています。悪役キャラクターを演じてきたラルフが、ヒーローになる夢をかなえるために冒険に旅立つファンタジー・アドベンチャー映画であり、ゲームやそこに登場する悪役キャラクターたちを称える内容となっています。
奇妙でクレイジーでありながらも、心温まる作品でもあります。現実世界にあるゲームの悪役たちが集まる場面では、「マリオシリーズ」の悪役「大魔王クッパ」もカメオ出演しています。ちなみに主役のラルフが「悪役をやめる」と言ったとき、驚いて口から火を吐いています。
第2位:『名探偵ピカチュウ』(2019年日本公開)
『ポケモン』シリーズは、昔からカードゲームやテレビシリーズ、アニメ映画などメディアを横断して、確固たるファン層を築いてきました。そして、それはゲーム自体でも当然のこと。よりコアなファンたちによって、1つのカルチャーをつくり出した名作シリーズです。
そんなわけで本作が発表されたときには、愛すべきモンスターたちが登場する実写版映画など…と、懐疑的な声もあかなり上がったことも確かです。
ですが本作は、ビジュアル面で優れていただけでなく、ライアン・レイノルズとジャスティス・スミスの好演で本当に愉快痛快な作品となりました。ちなみに渡辺 謙が、刑事ヒデ・ヨシダ役と登場しています。日本語吹き替え版でピカチュウの声を担当したのは西島秀俊です。ただし鳴き声は、大谷育江です。
第1位:『モータル・コンバット』(1996年日本公開)
映画版『モータル・コンバット』については、すでに言い尽くされてしまっているかもしれません。ですが、ここであえて言わせていただきます。本作は、エキサイティングで実に素晴らしい作品です。
未来的な対戦型格闘ゲームを原作とするこの作品では、90年代の精神が前面に押し出されており、これまでで最も満足の行くゲーム映画であり続けています。
今回のリストの中では、「高い芸術作品を持った…」と呼べる一例ではないかもしれません…。ですが本作は、ゲームシリーズの本質を完璧に捉えた最高の映画と言えるのです。
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Source /Esquire US
Translation / Wataru Nakamura
※この翻訳は抄訳です。