濃い眉毛を綺麗に魅せる方法を伝授
「あなたの眉毛を整えなくては…」とあるとき同僚から言われ、私は自分の眉毛に問題であることを知りました。
彼女はその日どこからともなく姿を現し、そう言ったのです。その口ぶりは優しく、力になってくれそうにさえ聞こえました。そして、「私たち」という言葉がとても頼もしく聞こえたのです…。
私は27歳になるまで、自分の眉毛のことなど、ほとんど気にしたことがありませんでした。私の眉毛はふさふさとしていて、それは俳優ユージーン・レヴィ(『アメリカン・パイ』シリーズなどで知られる眉毛が印象的な俳優)の眉毛に似ているとも言えるものでした。
しかし、そんな眉毛が問題であると思ったことは、その時まで1度たりともなかったのです。私がやっていたことといえば、眉毛がふたつにきちんと別れているかを確かめることくらいで、これといった手入れもしていません。男性が眉毛について大騒ぎすることなど、変なことであり、むなしいことであり、そんなことをすることこそ、男性としての魅力を損なうことだと感じていたのです…。
私が若い頃に憧れていたもっとも記憶に残るアイドルのなかには、濃い眉毛、あるいはふさふさとした眉毛をもつ男性が何人かいました。
たとえば、俳優のピーター・ギャラガーは巨大で、不自然にカーブした眉毛をしていましたが、彼が映画界の憧れの的になれた一因は、あの眉毛の奥から観客をじっと見つめているように感じられたことでした。あの眼差しは、言葉よりも上手に、彼が考えていることを正確に語っていましたから…。
また、映画監督のマーティン・スコセッシがもつ、ワイルドで手入れされていない、芋虫のような眉毛も、計り知れない才能の持ち主であることを示す、彼のオーラの形成に一役買っていました。同じことは、コメディアンとして知られるグルーチョ・マルクスにもいえます。
そんな男性たちの顔を思い浮かべながら、「彼らの眉毛のなかには、いったいどんな秘密が隠されているのか」と思わずにはいられませんでした。
写真:濃い眉毛の代表格として知られる、コメディアンのグルーチョ・マルクス。Photograph/Getty Images
濃い眉毛に必要なモノ・コトとは、一体何なのでしょうか?
眉毛を整えたい時に必要なものとは?
ひとつはっきりさせておきたいのは、私が自分の眉毛に対して否定的な気持ちは全くもっていないということです。
私は自分の眉毛が好きです。ふさふさした眉毛も個性の一部と思っています。そんな眉毛なしでは、自分が自分でなくなってしまいます。ただし、他の人がいつも真っ先に目を留めるのが、自分の眉毛というのは有り難い話ではありません。また、自分の眉毛のなかに何が隠されているかを、人から詮索されることも望んでいません。
その上、私は少しずつ年齢をとるにつれて、迷子になった眉の毛が跳ね上がったり、飛び出したりするようになったことに気づきました。カールした毛は、私の頭から逃亡したがっているようにも見えます。もし、この不運な姿が鏡に映っているのを目にしたら、私は迷子になった眉の毛を元の位置に戻そうとしたことでしょう。が、しかし、そんなことをしてもほとんど無駄だったはずです。なぜなら、私の眉毛には彼らなりの考えがあるようでしたから…(笑)。
それで思い出したのが同僚のこと。正直な話、私はそれまで眉毛の手入れを考えたことが一度もなく、どうすれば眉毛を整えられるかさえわかりませんでした。ヘアーサロンに行くのか、それともスパに行くのか、糸やワックスを使うのか……そんな疑問が浮かんでいました。
写真:眉毛が濃くても整えれば、より爽やかなルックスになります。Photograph/Getty Images
もちろん、ケーブルテレビ番組のオーディションを受けることがなければ、そんなことまでする必要はありません。ふつうの人にとっては、眉毛の手入れはシンプルで苦痛もなく、タダで、しかも自宅でできるものです。あなたの眉毛が手に余るという場合には、同僚が私に教えてくれた次のことを試してみてください。
まず、ハサミと鏡を用意します。
ハサミはどんなものでも構いませんが、庭の手入れに使うような大きなものは避けてくださいね(笑)。次に眉毛をわざと立たせて、長い毛が目立つようにします。その後ハサミを手に取り、眉毛の先端が揃うようにそっと毛を刈っていきます。くれぐれも刈り過ぎないようにしてください。
手入れといってもそれだけ! おめでとうございます、あなたの眉毛の手入れはもう済みました。
人気俳優クリス・パインも 濃い眉毛の持ち主であった!
私は、ふさふさとした眉毛に問題があると言いたいわけではありません。そんな眉毛のほうがいいと思っているくらいです。
ただ、ここで大切なのは、ふさふさとした眉毛がきちんと整えられているということ。眉毛はふたつに別れているべきであり、さらに、あなたの眉毛が気になって、顔の他の部分にまで他の人の注意がいかないという事態にはならないようにすることが大切です。
このことをはっきり知っている男がいます。とても長い間過小評価され続けてきた俳優のクリス・パインがその男。
彼は映画『ワンダーウーマン』(今年2番目に大ヒットした作品)に出演し、ハリウッドにたくさんいるクリス某(クリス・プラットやクリス・エヴァンスたちなど)のなかからついに抜けだし、自分の価値を大衆に証明しました。パインは主演女優のガル・ガドットと並んで自分の個性を見事に発揮し、いささかクセのある相性の良さを見せていましたが、この相性の良さはCGで合成されたスーパーヒーローや超悪者の間で輝きを放っていました。
写真:ハンサムなルックスで女性から高い人気を誇るクリス・パイン。よく見てみると、彼も濃い眉毛の持ち主であったのです。Photograph/Getty Images
濃く、弧を描く薄い茶色の眉毛が、パインの役に立っていることは間違いありません。あの眉毛は可愛らしい少年に生えるものではありませんし…。でもしかし、彼の眉毛は、単にほったらかしにされたいたわけではないのです。あの眉毛はきちんと手を入れられたものです。
「クリス・パイン本人あるいは彼の身近にいる誰かが、彼の眉毛にハサミを入れているのは間違いない」と、私は自信をもって言えます。また、『ワンダーウーマン』に登場したパインの、スクリーンに大写しになった顔を見上げながら、私は自分のふさふさした眉毛を大好きになり始めてさえいたことを知りました。それも自信をもって言えることです(笑)。
皆さんも年末年始の休暇期間中に、眉毛を少しばかり整えてみてはいかがでしょうか? 男らしい眉毛が、きっとでき上がることでしょう。
By Paul Schrodt on December 19, 2017
Photos by Getty Images
ESQUIRE US 原文(English)
TRANSLATION BY Hayashi Sakawa
※この翻訳は抄訳です。
編集者:山野井 俊