人気スパイ映画『007』シリーズのジェームズ・ボンドもこよなく愛してきた、イギリスの誇りとも言えるブランドとしても有名ですね。因みに、映画『007 スペクター』で登場したボンドカーは、「アストンマーティン DB10」でした。 

 今回、アメリカで支持の高いモータースポーツ誌『Road & Track』のジャーナリストである、コリン・ウッドロウ氏とトラヴィス・オクルスキー氏が、2016年の年末に登場したモデル「アストンマーティン DB11」の魅力を、2018年にデビューしたAMR仕様登場のタイミングで語ってくれました。

リアデザイン

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(C)DW BURNETT/PUPPYKNUCKLES

 これはアストンマーティンのチーフデザイナー、マレック・ライヒマン氏が白紙から生み出した新型DB11。まさに、まっさらなデザインなのです。他の車なら多くの場合、進化版になるのですが…。
 

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 新しいアルミニウム製ボディシェルやサスペンション、キャビン…システムを作動させる電気系統は、メルセデス・ベンツのものをベースにしているのです。

インテリア

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 センタースタックの馴染み深いコントロール部分に加え、細かな点が新しくなっていたのがこの「アストンマーティン DB11」。アストンマーティンは、テレマティクスに関し てメルセデスAMGとの関係を強化し、これにより、微妙なナビやユーザーインターフェイスとも無縁になったのです。

 また、アストンマーティンは、「 DB11」初めて、キーレスエントリー方式を採用しています。もはや、クリスタルのキーフォブをクルマに差し込むこともありません。 

ノーズ&グリル

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 このアングルからは少し分かりにくいですが、DB11のノーズの先端はグリルの外側に突き出ていることが確認できます。(写り込みから判断するに、休日の本社前での撮影のようです)

ボンネット

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 ボンネットは、完璧なクラムシェルボンネットです。いわゆる貝殻を伏せたようなカーブに、ココロそそります。

エンジン

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 アストンマーティンのツインターボV12エンジンです。

 このエンジンは、DB9とヴァンキッシュで使用された6.0のパーツを一切引き継いでいないのです。 そしてDB9の6.0リッターエンジンよりも、0.8リッターダウンサージングされたV型12気筒ツインターボエンジンになります。

 アストンマーティンのパワートレインチームが設計し、アストンマーティンのエンジン工場で製作されるこのエンジンは、大排気量エンジンにツインターボと言うとんでもないスペックのパワーユニットから、600hp(約608ps)の最高出力が繰り出されるようです。そして、最高速度322Km・0-100Km加速3.9秒という市販のDB史上最速とのこと。

 かつて、アストンマーティンのエンジンにはそれを製造したビルダーの名を刻印したプレートが装着されていました。そしてこのDB11では、過去のものとなっていたその慣習が復活していたのです。

マフラー

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 アストンマーティンは、エンジンをふかしても優しさのある力強さを表現する音ですよね。「DB11」のターボチャージドエンジンも同様ですが…、V12の威力は感動の領域を突き破っていますね。

 エンジン始動音の動画を参照してください。心に響くエンジンサウンドです。圧縮率が高いからでしょうか、金属音のようなレーシーなマフラーサウンドに心振るえます。 
 

これはyouTubeの内容です。詳細はそちらでご確認いただけます。
 thumnail
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ヘッドライト

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 ヘッドライトは、フルLED。デイタイムラインニングライトと低速用コーナリングライトを、アストンマーティンとして初めて採用していたのです。 

 ちなみにリアに関して、先に触れなかったのでこちらでも。リアのコンビネーションランプは、アストンマーティンらしいライティングを継承しながらもフルLED化されています。

ルーフ

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 最初はルーフのデザインにビックリさせられましたが、ボディから浮かびあがるように現れる姿は、優美でもあります。これがオレンジのような異なる色のコントラストだったら…想像してみてください。 

 まさに、美しく洗練されたDB9のシルエットを脱ぎ捨てたわけです。フロントにはその面影を残しつつも、力強い新しいアストンマーティンのアイデンティティを打ち出したデザインと言えます。特徴的なのは、フロントからリアにかけて流麗なる金属感あるピラー(ルーフ・ストレイク)です。

グリル

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「DB11」のグリルは、アストンマーティンの歴史において最大の幅を有しています。 

 具体的には全長4,739×全幅1,940×全高1,279mmと、DB9に比でて50mm長く、28mm拡くなりました。ホイールベースに関しては、65mm長くなって2,805mmに。その変更分だけエンジンをキャビン寄りにし、フロントミドシップとすることにより前後重量配分は51:49に。最適化を目指したようです。

 さらにボディの拡大は、室内空間に余裕をもたらしています。前席では頭上空間が10mmプラス。後席では頭上で54mm、足まわりは87mmも拡張。アストンマーティンとして初めて、リアISOFIXチャイルドシート対応がなされるというニュース。2+2としての利用価値が高められた、家族思いなラグジュアリースーパーカーの誕生というわけでしょうか。

横から見るDB11

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 これまでのところで、モータースポーツ・ジャーナリストである、コリン・ウッドロウ氏とトラヴィス・オクルスキー氏が気に入ったディテールは以下の通りになります。 

 リアのクオーターウィンドウの後ろが吸気口になっており、空気が車内を通り抜け、トランク 部の開口部から出ていくのです。従ってデザイナーは、リアスポイラーを「ちょっと外側へズラそうか?」なんて考慮する必要もありませんでしたね。ちょっとお洒落じゃないですか。

販売価格

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「DB11」の価格は、21万2000ドルから。英国で15万4900ポンド、ドイツで20万4900ユーロ、米国で21万1995ドル。写真を見ているだけでワクワクしますよね。

 高価であることは間違いありませんが、所有することでライフスタイルに変化をつけることができ、多くの人々の注目を得ることができます。

 ライフスタイルに大変革が起き、多くに人に注目は必要ないかもしれませんが、あなた自身が自分を今まで以上に注目する時がくるかもしれません。これは素晴らしいことです。さらなる人間としての高みに登るチャンスとも言えるでしょう。そう考えれば、高くない買い物かもしれませんね。


From Road & Track 原文(English)

Translation / MEN'S +
※この翻訳は抄訳です。