大盛り上がりのSUV市場に、キャデラックがニューモデル「XT5 クロスオーバー」という一石を投じました。良い意味でアメ車らしくないこの魅力的なクルマ、さて、どんな波紋を描いてくれるのか楽しみです。
アメ車といえば大胆なスタイルや優雅さ、独特の濃いキャラクターで、ほかのどの国のクルマよりも自己を明確に主張する存在です。
そんなアメ車を数多く排出してきたアメリカの一大ブランド「Cadillac(キャデラック)」から、魅力的なSUVが登場しました。ブリッとしたフロントなど、見た目はいかにもアメ車「らしさ」全開といった趣き。ですが、そこには、キャデラックが現在もつ革新技術が結集されているのです。そう、「XT5 クロスオーバー」は従来のアメ車とは異なった方向性が見て取れるのです。
独特のエッジの効いたボディラインこそアメ車特有のものと言えますが、そこに流線型のデザインを織り交ぜることによって、大胆で洗練された存在感が演出されているのです。カッコよくも新鮮さをもあるスタイルに、きっと街ですれ違ったなら二度見すること必至となることでしょう。
クローム系の加飾も要所を押さえた配置にし、これみよがしな豪華さは謳わず、あくまでも上品な佇まいとしているところも好印象です。全長4825×全幅1915×全高1700mmという体躯は、前身である「SRX クロスオーバー」と同等サイズで、大柄なモデルが揃うアメリカンSUVの中では小さい部類となります。それゆえ、日本の交通環境で、もて余すこともないことでしょう。
車両重量は1990kgとヘビー級ですが、最高出力314PS/最大トルク368N・mを発生する新世代3.6LV6エンジンによって、車格に見合った力強い走りを約束してくれます。
「パワフルなのはいいが、エコ的な観点からはウィークポイントでは?」と指摘されることが多いアメ車ですが、この「XT5 クロスオーバー」は走行状況に応じて6気筒から4気筒へと自動に切り替わるアクティブフューエルマネジメント(気筒休止機構)やアイドリングストップシステムなどにより、燃料消費の抑制と排出ガスの軽減が図られてもいるのです。このあたりも、従来のアメ車の概念とはひと味違う、インテリジェンスを感じさせてくれるポイントと言えるでしょう。
同じカテゴリーには、日本で人気を博す欧州製SUVが数多く存在します。それらと比較しても十分な競争力をもち、さらに、比類なき俊敏性と極上の居住性を実現したラグジュアリーSUVという特徴は、大いに惹かれる要素となるでしょう。競合となる欧州車の特徴を鑑みつつ開発されながらも、根底にはアメ車の流儀がしっかりと貫かれたところ、その融合性は日本人のハートに強く共鳴するはず…「このクルマ、今後、人気の波紋は確実に大きく広がっていくのでは」と予感させるのでした。
つまり、この「XT5 クロスオーバー」は、アメ車らしさを頑なに守りながらもグローバルスタンダードを巧み取り入れた、新しいアメ車像を我々に見せてくれるようにも思えるのです。
キャデラック「XT5 クロスオーバー」#1
Cadillac
パワフルなイメージを打つ出すフロントデザインは、非常にキャデラックらしい“たくましさ”を表現しています。
キャデラック「XT5 クロスオーバー」#2
Cadillac
艶のあるボディデザインが印象的で、ラグジュアリーなSUVであることをあらためて感じさせてくれます。
キャデラック「XT5 クロスオーバー」#3
Cadillac
運転席まわりのデザインは、まさにラグジュアリーなクルマを作り続けてきたキャデラックの真骨頂というべき仕上がりに。モダンなデザインと熟練のクラフトマンシップが融合され、エレガントな品格を漂わせながらも本物の素材のもつ風合い。贅沢で温かみのある雰囲気に包まれながらドライブを楽しめます。
キャデラック「XT5 クロスオーバー」#4
Cadillac
車内は高いアイポイントとクラス最大級の室内空間によって、どの席でも居心地のよさが味わえます。特に後席は、新設計の最長14cmのスライド機構が設けられており、目いっぱい後方に下げれば、足もとには1メートル近いスペースが確保できます。最大12度の角度調節と6つのポジションを選択できるリクライニング機構と相まって、ゆったりと快適に乗車できます。これまでなら、「ドでかいボディを生かして室内広々」というのがアメ車の定石でしたが、効率的なパッケージングによって適度なボディサイズでも「室内広々」を実現しているのです。
キャデラック「XT5 クロスオーバー」#5
Cadillac
旅に出かけた際に、ふと星空を見たくなるときはありませんか? そんなユーザーの希望に応えるのが、このワイドなサンルーフです。
キャデラック「XT5 クロスオーバー」#6
Cadillac
SUVといえば、実用性も選択において重要なポイントとなります。が、この点も十分に満足させてくれる「XT5 クロスオーバー」。荷室は通常で約850リットル、後席を前方へ倒せば最大約1784リットルのスペースが確保できます。そして、後席の分割可倒機能を駆使すれば、乗員の人数、荷物の量や大きさなどに合わせた多彩なシートアレンジが可能となります。
キャデラック「XT5 クロスオーバー」#7
Cadillac
日常的な買物やレジャーなど…多彩な用途に応えるマルチプルな機能性によって、カーライフの楽しさを広げてくれることでしょう。
キャデラック「XT5 クロスオーバー」#8
Cadillac
安全面にも抜かりはありません。レーダー、カメラ、超音波センサーを駆使した先進のセーフティデバイス、運転状況を監視し必要に応じて注意を促す「ドライバーアウェアネスパッケージ」やドライバーの運転操作をアシストする「ドライバーアシストパッケージ」を装備。強固で頑丈な先進構造を採用することで実現したハイレベルな対衝突性と併せて、ドライバーや乗員にこの上ない安心感をもたらしてくれます。
【動画】キャデラック「XT5 クロスオーバー」#9
Cadillac
【スペック】
ハンドル/左
サイズ/4,825mm×1,915mm×1,700 mm
ホイールベース/2,860 mm
車両重量/1,990 kg
乗車定員/5名
エンジン/V型6気筒DOHC
総排気量/3,649 cc
最高出力(ECE)/
231kW(314PS)/ 6,700rpm
最大トルク(ECE)/
368N・m(37.5kg・m)/ 5,000rpm
駆動方式/全輪駆動
トランスミッション/8速AT
◇詳細
キャデラック「XT5 クロスオーバー」は2つのグレードに加え、数量限定の特別仕様車も。
・ラグジュアリー/668万5200円
・プラチナム/754万9200円
・特別仕様車/783万円(限定10台)
※すべて税込価格 ※プラス12万9600円で、オプションである有償ペイント(レッドパッションティントコート/クリスタルホワイトトゥリコート/ステラーブラックメタリック)をすることも可能です。
●お問い合わせ先
GMジャパン・カスタマー・センター
TEL 0120・711・276
http://www.cadillacjapan.com
Text / Koji Takahashi
Edit / Shun Yamanoi