ジャーナリストのハンター・S・トンプソンはかつてこう言いました。「短時間でもヴィンセントに最高速度で乗れば、きっと死ぬだろう」。
NAKED SPEED
写真:ヴィンセントを有名にした1948年型「ベイジング・スーツ・バイク」。
―自らのアドバイスをよそに、彼は何年もの間、このバイクに惚れ込みました。
彼の弁護士だったドクター・ゴンゾーがバイクを買うようにすすめたのは、彼ら2人が『ラスベガスをやっつけろ』に書かれたドラッグ漬けの旅に出る前のこと。1972年、ニクソンとマクガバンの大統領選を取材中の彼は、それを放り出し、ヴィンセントにまたがって、カリフォルニアを駆け回りました。
2018年1月25日、ラスベガスのモーターサイクル・オークションに1951年型ヴィンセント・ブラック・ライトニングが出品されました。オリジナルのままのランニングコンディション、1953年には時速227㎞でオーストラリアのスピード記録を出した代物。2008年、最後に生産されたブラック・ライトニングが29万3423ドルで落札されましたが、今回のオークションではなんと92万9000ドルもの値がつきました。
ブラック・ライトニングの生産台数はわずか34。998ccエンジン、ヘッドライトはなく、レースを見据えたデザインの戦後初のスーパーバイク。ヘルメット着用が広まり、保護用ボディアーマーが一般的になる前、これに乗る男はほんの一握りだったのです。
デザインと機能性を備えたヘルメットがこれ!
レトロ調のヘルメットは安全性よりデザイン優先になりがち。しかし、ポルトガルのネックス社のX.G100レーサーはその両方を満足させてくれます。ミッドセンチュリーのデザイン、テクノロジーは最新のもの。アメリカとヨーロッパの安全規格を取得し、頭をクールに保つ通気システムを採用しています。
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nexxnorthamerica.com
Photogaraphy / Getty Images
Translation / Tomoko Kawaguchi
Edit / Atsushi Otsuki, Masahiro Nishikawa, Satoru Yanagisawa, Yasuhiro Sato