いま、イタリア旅行の目的地として脚光を浴びているのが、長靴のかかとの位置にあたる南部のプーリア州。きのこのような屋根の家が建ち並ぶアルベルベッロという街の童話に出て来そうな雰囲気、紺碧の地中海を望む雄大な海岸線、イタリア随一の生産量を誇るオリーブをはじめとする美食などが、ミラノやローマには飽きたツーリストたちの心をつかんでいるのです。
そんな注目のロケーション、プーリア州の州都バーリで、フェラーリ・ポルトフィーノの国際試乗会が開催されました。
(C)FERRARI PORTOFINO
フェラーリ・カリフォルニアTの後継モデルにあたるポルトフィーノをひとことで紹介すれば、「毎日楽しめるフェラーリ」です。
後席が備わり乗車定員は4名、電動格納式のハードトップを開ければオープンに、閉じればクーペに早変わり。ラゲッジスペースが確保され、乗り心地も快適であることから、旅行や買い物などに幅広く使うことができるのです。
従来型からは、パフォーマンスも快適性でも進化を果たしています。たとえば構造や素材を一新することで80kgもの軽量化を実現、V8ツインターボエンジンがさらにパワフルになったことも相まって、胸のすくような加速を味わえます。また、タッチスクリーン式のオーディオやナビの操作画面は、スマホやタブレット端末のようなインターフェイスに変わりました。
ご存じのように、ポルトフィーノは美しい入江に高級ヨットやクルーザーが停泊するイタリアの瀟洒なリゾート。サーキットではなくリゾート地の名前を冠していることからもわかるように、従来のフェラーリとはひと味違う、ラグジュアリーな時間を楽しむためのモデルです。
◇SPEC.
「フェラーリ・ポルトフィーノ(FERRARI PORTOFINO)」
・エンジン:V型8気筒ターボ
・総排気量:3855cc
・最高出力:600ps
・0-100km/h加速:3.5秒
・トランスミッション:7速AT
・価格:2530万円(消費税込)〜
・全長:4586mm
・全幅:1938mm
・全高:1318mm
従来型「カリフォルニアT」から40psもパワーアップ
(C)FERRARI PORTOFINO
権威あるインターナショナル・エンジン・オブ・ザ・イヤーを2年連続で受賞した3.9ℓV型8気筒ターボエンジンは、従来型のカリフォルニアTから40psものパワーアップを果たしたのです。
美しいクーペスタイル
(C)FERRARI PORTOFINO
電動格納式ハードトップは、40km/h以下であれば走行中でも開閉可能。スイッチ操作ひとつでハードトップを閉じれば、美しいクーペスタイルとなります。
官能的なエグゾーストノート
(C)FERRARI PORTOFINO
ハードトップを開ければ、“フェラーリ・ミュージック”と呼びたくなる官能的なエグゾーストノートが、ダイレクトに鼓膜を震わせることでしょう。
F1譲りの機能 × ラグジュアリー感の同居
(C)FERRARI PORTOFINO
ステアリングホイールに備わるスイッチ類で車両のセッティングを変えられるF1譲りの機能と、上質なレザーのラグジュアリー感が同居するインテリア。
足元のスペースが5cm拡大
(C)FERRARI PORTOFINO
従来型に比べて、足元のスペースも5cm拡大。親子4人での家族旅行も現実的になったモデルといえます。
3.9リッターV8ツインターボエンジン
(C)FERRARI PORTOFINO
600psと700Nmを生み出す3.9リッターV8ツインターボエンジンを搭載。パワースペックもついに大台の600ps(カリフォルニアTは560ps)に達している。
ハンドルに走行モード選択スイッチ
(C)FERRARI PORTOFINO
ハンドルには走行モード選択スイッチの″マネッティーノ”が備わっている。「COMFORT」「SPORT」「ESC OFF」の3段切り替え。
Text / Takeshi Sato