ロシアのIMZ(イルビト・モーターサイクル・ワークス)・ウラル社が製造するオートバイとサイドカーのブランドから、新作オートバイが誕生しました。サイドカーのブランドと言えば「ウラル」と言われるほど、熱烈な支持者が多いロシアのバイクメーカーに注目を!

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URAL

Ural's Newest Sidecar Motorcycle Has a Built-In Drone

 IMZ・ウラル社の発祥は、歴史をさかのぼること1939年。旧ソ連は第2次世界大戦へ向け、「どんな場所でも走行可能な万能自動車」を必要としていました。そうして議論の末、BMW「R71型モーターサイクル」が最もその理想に近いと判断されスウェーデンから現・ロシアへと密輸されたのです。
 
 5台の密輸が行われたのち、ソ連の技術者により分解され、その細部まで完全にコピーされました。それから約2年後に試作品となる「ウラル オートバイ」が発表され、製造が開始されたのでした…。
 
 そして第2次世界大戦では、「ウラル オートバイ」は最前線で活躍という結果を残したのです。
 
 当時、他国の高性能なクルマをコピーすることは他でも行われており、「ハーレーダビッドソンもBMWのコピーを行っていた」と言われています。このことに関して、BMW社が関与していたかどうかは明らかになっていません。
 
 それまで、ヒトラー独裁政権の元管理・製造されていたウラルの技術者や関係者たちはその後、「ヒトラー独裁政権を打破するという目的のために多大なる貢献をはたした」という輝かしい栄光を皮切りにして、ウラル社の歴史を幕開けしたのです。  

 
 1953年に初輸出され、始めの輸出先は主に発展途上国でした。ですが、1960年には先進国へも輸出されるようになり、ウラル社はロシア唯一の耐久オートバイ製造会社であり、世界でも数少ないサイドカー製造会社として今日のように愛されるオートバイブランドへと変貌していったのです。

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Photograph / URAL
  
 
 そして、そんなウラル社が新たに発表したのが、この限定版「エアー」になります。

これはThird partyの内容です。詳細はそちらでご確認いただけます。

 
 この「エアー」には、「最新のテクノロジーを結集させた“ドローン”が搭載されています。これは新たな試みであり、それはまさに「21世紀を代表する近未来的な乗りもの」と言えるでしょう。
 
 しかし、ウラルは最先端を追うばかりでなく、歴史や伝統を重んじる会社とも言えます。それは燃料噴射やディスクブレーキのような(円盤のような特徴的なデザインのブレーキ)システムのアップグレードを除けば、今日の「ウラル」のバイクは、彼らが得意としてきた昔ながらのバイクだからなのです。
 
 では、なぜ彼らはドローンを搭載したのでしょうか? ウラル社のウェブサイトを覗いてみると、そのことについて説明がありました。
 
「頭頂部には何があるのか? キャンプ場の向こうには何があるのか? 台風のあと、この先どんな被害があり、道には障害物はあるのか? 道の終わりや夜が近づくとライダーやパッセンジャーはパイロットになり、空から最適なルートを決めたり、最速の逃げ道をドローンにより探すことができるのです」と。

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Photograph / URAL
  
 
 ドローンにはUSBチャージャーポートが設置されており、精度の高い技術を装備してはいるものの、外観はこれまで通りの「ウラル」を完成させています。
  
 そして、その操作はとても簡単です。
 
 ボタンを押してハッチを開け、「DJI スパーク ドローン」を空に放ちます。コントローラーはサイドカーに取りつけられており、パッセンジャーはドローンを操作するパイロットとなるのです。さらに画期的なのは、ウラル「エアー」にはセルフィースティックも装備されているのです。なぜなら、「それは、風によりドローンを操作できないときに使用できるように」と、さまざまなシチュエーションを考慮したつくりになっているのです。

そのウラル「エアー」の様子を、動画でもう少し詳しくご覧ください。
  

これはThird partyの内容です。詳細はそちらでご確認いただけます。

 このウラル「エアー」は、世界でわずか40台と数が限られています。また、その価格はおよそ$18,000。2018年11月からは、「ウラル」のディーラーで試作品のお披露目がされるとのこと。
 
 さらに詳しくご覧になりたい方はこちらをご覧ください。

Road and Track(原文:English)
BY BOB SOROKANICH
OCT 23, 2018
Translation / Mirei Uchihori
※この翻訳は抄訳です。
Edit / Mirei Uchihori,Kaz Ogawa