メルセデス・ベンツ「X250d 4MATIC」は頑丈で、力強く、堂々としている。

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 子供のころの思い出から語りましょう。あまり正しい記憶ではないかもしれませんが…。当時の大人の男たちは、「自分の自由時間はすべて家まわりのタスクをこなすことに負われていた」と記憶しています。

 それは読書好きな会計士タイプの男たちでさえも、土曜日の午前中にはゼロから家の拡張工事をDIYで行ったりしていたものです。その後もさらに、風呂場の配管を付け直したり、さらには夕方には焚き火までしていたような記憶があります。そして、そんな男たちは皆、ステーションワゴンに乗りこなし、さらに怖い顔をしていたものです(笑)。

 そして家でゆっくりするときは、リビングルームに置かれた自分専用の椅子に座ることを欲していました。それが普通のことだったと思っています。  

 一方、時代は進み、私たちの世代の男たちはどうでしょう。週末にシャシュカ(中近東の料理)をつくったり、魚屋で行列に並んだり、HIIT(高強度インターバルトレーニング)のクラスに通ったり、やり残した電子メールを処理したり、クルマで出かけたり、「FIFA」シリーズ(サッカーのテレビゲーム)に興じたり、「自分が撮った木の写真をインスタグラムに投稿すべきか否か」を思案したりしていることが日常です。

 そしてそんな私たちには、「昔の男たちのように、さまざまなタスクをこなす能力に欠けている」と思われていたとしても、それはそれで想定内のことです。とはいうものの、これは「能力」の問題ではなく、「時間」の問題とも言えるのです。何かをする余った時間は、ほとんどありませんので…。

 私たちがいちばん器用にこなせることは、ハーブに水をやることや、Wi−Fiルーターの調子が悪いときに再起動すること、そしてときどき…Amazonで買い物をすることくらいですから…。 

――あるとき私は、「父親たちが持っていたようなスキルを手に入れたい」と思いたちます。そんな衝動は以前から駆られていて、とうとう、それを誤魔化すためのバケツもいっぱいとなるのです。そして、とうとうその衝動を実行に移すときがやってくるのです。役立たずであることに辟易(へきえき=尻込み)した週末に…ふと、「庭いじり…もしくは家の模様替えをしなくちゃ」と思い立ちます。…となると、そのための材料や道具を用意しなくてはならなくなる…。では、近くのホームセンターへ買い物へ行こう!となるわけです。











  
 私がメルセデス・ベンツから新しく出た「X250d 4MATIC」のハンドルを握ったとき、自らの頭に浮かんだのはそんな思い出に始まる、いまの自分からの脱却物語でした。なにせ、そのとき目の前にあったクルマは、砂が一杯に詰まった袋を数十個は運べるだろうクルマだったらからです。 

 プレミアム・ピックアップトラックと銘打たれたこのクルマは、目的もなくブラブラしていることを好まないイメージなのです。それは私だけでなく、皆さんがもしこのクルマのオーナーになったなら、必ずやこれと同じ思いに駆られることでしょう。そんな心意気を促進するクルマなのです。

 クロームのグリルと立体的なボンネットが特徴のボディを持つ「X250d 4MATIC」は、本来の使い方をしてもらえる機会を路上で辛抱強く待っていたようです。ハンサムで頑丈で、はっきりとした目的を持つクルマという雰囲気を湛(たた)えながら…。 

 私も、このクルマが登場することを待っていたのです。わずかにビクビクしながらですが…。

 しかし実際に、このクルマが家の外に駐車しているところを目にすると…、自分の家の窓をすべて入れ替えたくなったり、週末にはフードトラックでも始めようかと思ったり、あるいはアルフレスコキャンプ(食事することを主目的としたキャンプ)をするために、荒野へと旅立ちたい…などという不思議な衝動が沸き起こるのでした。 

「X250d 4MATIC」は、ラグジュアリーの基準に到達した唯一のピックアップトラックです。

 強力で実用的なものとして設計されたクルマを、ラグジュアリーカーに仕立て上げようとしてもなかなかうまくいかなそうです。が、「X250d 4MATIC」の場合、そうすることに意味があったことが、車内に乗り込んでみるとさらに理解できるのです。

 うまく設計されたダッシュボードは、レザーとクロームで構成されています。このダッシュボードには、皆さんがハイ・スペックなSUVに期待するテクノロジーがすべて搭載されているのです。

 車内はフロントシートも後部座席も広々としており、そして皆さんがこうした自動車に求め、かつ期待するオールラウンドな逞しさも備えています。車体後部にはこの自動車の主たる特徴である、とても大きな荷台があります。この荷台のサイズは、縦横それぞれ1.6メートルもあるのですから堪りません。 

 この「X250d 4MATIC」は、大量のモノを運ぶにはとても優れたクルマです。ただし、「共同住宅の外側に縦列駐車で停めておくことには、あまり向いていない」というレビューもあるように…その点については私もきっちり認めます。 

 次にエンジンを吹かし、開けた窓に腕をのせ、ナビゲーションの目的地を材木置き場にセットして、このクルマを運転していた私は昔の人気テレビドラマ『The Sopranos(ザ・ソプラノズ 哀愁のマフィア)』のオープニングで製作クレジットが流れるシーンのことを思い出さずにはいられなくなりました。

これはyouTubeの内容です。詳細はそちらでご確認いただけます。
The Sopranos Opening Theme (High Definition)
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「X250d 4MATIC」には、2.3リットル4気筒ターボディーゼルエンジンが搭載されているため、このクルマには優れた機動力があります(時速約100キロメートルに達するのに、わずか7.9秒しかかかりません)。

 その大きさを考えると、「X250d 4MATIC」のスロットルは直接的で、ハンドリングも意外なほど機敏に反応しますので、スピーディーかつ楽しく街を走り回れます。常時作動している4輪駆動システムにも、次のような賞賛すべき点が数多くあります。たいていの場所や天候なら走行可能であること。「コンフォート」「エコ」「スポーツ」という3つの走行モードがあり、その環境下に合わせて好きなモードが選べるのです。 

 この自動車の購入にあたって、「自分がどれくらいピックアップトラックを必要としているか?」という点を、よく考えなくてはならないのは言うまでもありません。

 この「X250d 4MATIC」は圧倒的に、中小企業の経営者や職人の市場に向けて投入されたもので、そのため、かなり魅力的な額の税控除を受けられるというメリットもあります。そして、個人向けのピックアップトラック市場は世界的に成長しているところで、特にハイエンドの市場においては、かなり期待されている状況です。 

「X250d 4MATIC」に1週間乗ってみれば、このクルマがほかのファミリー向けステーションワゴンやSUVよりも、はるかにカッコいい選択肢になり得るか実際に理解できることでしょう。

 現在では、誰もがSUVに乗っています。「道に石を投げれば、必ずSUVに当たる」と言っても過言ではないくらいです。そしてステーションワゴンは、このところ目立たないカタチで復権してきているとはいえ、未だにある匂いを漂わせる可能性があります。

 それは現実に屈し、夢を諦めてしまった男たちが発する匂いです。それに対してこの「X250d 4MATIC」は、さまざまなタスクをこなすであろう甘い香りがするのです。ご近所の人たちからよく見えるところに、このクルマの荷台後部の扉を開け放つのは、なんとも言えない快感でした…。 

 もう皆さんはお気づきかもしれませんが、私は嘘をついていました。

 この「X250d 4MATIC」は実際には私の業務上、試し運転をするために借りたクルマにだったのです。このクルマを返却する前日、家の外に駐車したとき「もし自分がこのクルマを乗るに値する人間であったとしたら…」という1週間の実験は終わったを実感し、少々悲しい気持ちになりました。そして、その悲しさの奥になる、「本当にそんな人間になれるのか?」とか自問自答を繰り返しているのです。ですが、それができるもできないも私次第です。 

 この上質なピックアップトラックは少なくとも、私たちの想像力を刺激し、自分がいつかなれる男性像について考えさせてくれる魅力あふれるクルマだったことは確かなことです。 

【動画】メルセデス・ベンツ「X250d 4MATIC」#1

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最初に動画で、「X250d 4MATIC」ワイルドな走行シーンと荷台の使い方をご覧ください。 
  

これはyouTubeの内容です。詳細はそちらでご確認いただけます。

メルセデス・ベンツ「X250d 4MATIC」#2

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大自然をバックに走行する「X250d 4MATIC」。郊外を走るのに適した、男気のある一台です。

メルセデス・ベンツ「X250d 4MATIC」#3

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「X250d 4MATIC」の運転席は、シンプルなものとなっています。ハンドルを大きく切って、ワイルドに走行してみたいですよね。

メルセデス・ベンツ「X250d 4MATIC」#4

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アメリカ人が好むピックアップトラックですが、その理由のひとつがあらゆるものを積むことのできる荷台の広さです。たまに、人間が乗っていることもチラホラ…。

By Will Hersey on October 8, 2018
Photos by Mercedes Benz
ESQUIRE UK 原文(English)
TRANSLATION BY Hayashi Sakawa
※この翻訳は抄訳です。 
編集者:山野井 俊