BMWが2001年に設立した自動車ブランドではなく、こちらは50年代後半に、BMC（ブリティッシュ・モーター・コーポレーション）が製造したMini（ミニ）、「クラシックミニ」になります。
「モーリス・ディビジョン（Morris Division）」が、第二次中東戦争（スエズ運河を巡って起こした戦争＝スエズ動乱）によって引き起こされた国際的な燃料不足をきっかけに、当時大衆層の定番であった排気量1000ccの乗用車の維持が困難になってしまったのです。
そこで当時これを受け、自動車としての必要最小限を形にした設計。それがこちら、革命的なクルマとして世界的な注目を集めたオリジナルミニなのです。
今日、この時代のクラシックミニはなおも人気。しかし、かつての日常使いの大衆向けのクルマというよりも、ファッションアイテムとして注目を浴びているのでした…。そうは言っても、「クラシックミニのスタイルを強く貫いていって欲しい！」と思っているファンも多い…これは、確かな事実です。ですが、その反面、「古いクルマの特性はちょっと…」という若い世代の人たちも確実に存在しているのです。
そんな方のために「デビッド・ブラウン・オートモーティブ（David Brown Automotive）」は、この象徴的なデザインを継承しながらもモダンにアレンジした「ミニ・リマスタード（Mini Remastered）」バージョンを発表したのでした。
Mini Remastered 01
Courtesy of David Brown Automotive Limited
この「ミニ・リマスタード」は、オリジナル車の2倍のパワーと現代的なクルマの機能性をもち合わせています。ですが、価格はわずか＄62,350で提供されているのです。こちらの写真のバージョンになりますと、約＄90,000近くにはなりますが…。
Mini Remastered 02
Courtesy of David Brown Automotive Limited
法的理由から、デビッド・ブラウン・オートモーティブは、新しいボディではなく中古のミニを使用して再設計をしました。ラインをトリムし、スポット溶接部から車体を外します。そして変更部分を最小限に抑え、ライトの位置を置き換えました。さらにいくつかの防音層を追加して、かつてのミニのままのボディをペイントすることで、これまで価値を継続することに成功したのでした。
Mini Remastered 03
Courtesy of David Brown Automotive Limited
インテリアはもちろん新品を使用し、優雅な革、金属パーツはアルミ製でできており、さらにはスマートフォンに対応したデジタルディスプレイも搭載しています。もちろん、別売のオプションをつけ、グレードアップさせることも可能です。
Mini Remastered 04
Courtesy of David Brown Automotive Limited
ボンネットの下には、ミニの1275cc4気筒エンジンを搭載し、5700rpmで78馬力のパワーを繰り出します。また、トランスミッションは4速MT。それはこの「ミニ・リマスタード」を、90 mph（約145km/h）フラットまで押し出すには十分に足りるパワーなのです。そう空車重量は1631lbs（約739.8kg）と、実にさわやかな軽量車となっていますから…。
Mini Remastered 05
Courtesy of David Brown Automotive Limited
この「ミニ・リマスタード」の生産台数は、年間100台から200台を予定しているとのこと。これは英国のシルバーストーンにある同社の新本社にて、１台1台職人の手によって約1000時間以上もの時間を費やして完成させるから…ということです。ボディ・カラーは13色用意。ルーフは同色以外に、白または黒も選択可能となっています。インテリアも、レザーは６色から選べるようになっています。価格は5万ポンド（約690万円）からスタートし、数々のオプションを追加すると7万ポンド（約960万円）にもなる見込み。ミニにしては少々高額かもしれませんが、今回のミニのスペックからは誰もが納得できるはずです。
Mini Remastered 06
Courtesy of David Brown Automotive Limited
さらに、ローンチムービーをご覧ください。
By Máté Petrány
OnApr 7, 2017
Popular Mechanics（原文:English）
Photograph / DAVID BROWN AUTOMOTIVE
Translation / Mirei Uchihori
※この翻訳は抄訳です。
Edit / Mirei Uchihori, Hikaru SATO , Kaz OGAWA
