人気の冷めやらぬスズキ「ジムニー」が自動車安全テストで素晴らしい光景を見せてくれたのですが、残念ながら「EuroNCAP」での結果は星5つ中の星3つという結果に。しかし、近年の自動車安全システムの高性能化を考慮すると、やはり、この人気の熱はとどまりそうになさそうです。
EuroNCAP
The Suzuki Jimny Is Polite and Won't Try To Hit You If You're Running Away From It
2018年7月に発表され、発売が開始されたスズキ「ジムニー」。発表当時から注目度は高く、売れ行きに大きな期待がよせられていました。そして予想どおり…発売から2カ月経った2018年9月でも、試乗は予約待ちということ。さらに納車は、数カ月先というほどの絶大な人気を誇っているのです。
そしてその人気は、日本だけでなく米国でも大いに高まっています。
「ジムニー」が人気の理由は2つあると考えられています。
まず、最も人気なのはデザインでしょう。そしてもう1つは…2018年後半に発表が噂されている待望の新型ランドローバー「ディフェンダー」。この件に関して、現在ではいくつかのスパイショットが目撃されています。
それを垣間見るに、その車体のホイールベースは面白いほど短いものだったのです。あなたがランドローバー「ディフェンダー90」のファンであればいいのですが…。ここで期待を寄せる新型オフロードカーは、ランドローバーの現在のデザインランゲージにフィットするよう設計されたユニボディ(本体のパーツをひとつのパーツで構成し、継ぎ目を設けない構成のこと)SUVだったのです。
アイスランドに住む友人が数年間に、「大きなホイールのクルマなら、なんでも上手くいくさ」と話していたことが思い出されます。しかしながら私が話したその友人を含め、誰もがそのクルマの価格設定の高さに直面し、上手くはいかないかなぁ…と感じた始めたようです。
つまり、ジャガーランドローバーがこの問題を解決するまで、私たちが選ぶべきクルマは「ジムニー」である!というわけなのです。
Photograph / SUZUKI
思い起こせば2018年6月18日のこと…同年7月より発売となる4代目「ジムニー」の情報が一部公開されました。クルマ業界では空前のSUVブームと盛り上がっている中、この「ジムニー」は異彩を放ちながら瞬く間に世界的な人気を得たのです。
では、なにが異彩かと言えば…ラグジュアリーカーを排出するメーカーがこぞって新型SUVを発表しているところ、このスズキ「ジムニー」に関して言えば、メーカー希望小売価格はなんと約146万円~という低価格で打ち出してきたわけなのです。
そこで内容を確認すれば…シンプルで頑丈なラダーフレームの4×4(4輪駆動)、小型車版のシエラは1.5リットルの4気筒エンジン、デフロック(差動固定装置)、標準装備のスチール、ヒートシート、 Android AutoまたはApple Carplayで動作するインフォテインメントシステムを装備しているのです。
Photograph / SUZUKI
ですが、他のSUVに比べ弱点も多いわけです。
たとえば、舗装され状態のいい道路を走ったとしても、決してあなたの想像を超えるようなスピードで走ることはできないでしょう。さらに4人乗りとして使用する限りは、大きな荷物を積み込むこともできません…。ですがその代わり、細い道でも十二分に冒険ができ、燃費も素晴らしくいいのです。しかも、駐車場で苦労することもない、実にコンパクトな4輪駆動車なのです。
2018年9月19日に「EuroNCAP」は、この新型「ジムニー」の安全性を評価するために行った自動車衝撃試験での結果を発表しました。その評価は星3つ/星5つ中…。
しかし「ジムニー」は、数年前の同試験で星5つという最高評価のもち主でもあったのです。いまや自動車の半自律的な能動的安全システムは必須項目となり、そのままでもリベット付きアルミ製の旧「ディフェンダー」の約5倍の安全性はあります。なので、この結果をそう真剣に悩むべきことでもないでしょう。
以上のことをすべて考慮しても、新型「ジムニー」の価格、そしてデザイン、燃費の良さなど総合力で、このクルマの右に出るものを見つけることはかなり難しいでしょう。
…というわけで、このスズキ「ジムニー」の人気はしばらく続きそうです。
Road and Track(原文:English)
BY MÁTÉ PETRÁNY
SEP 20, 2018
Translation / Mirei Uchihori
※この翻訳は抄訳です。
Edit / Mirei Uchihori, Kaz Ogawa