日産は、BMWより約20年も前に高性能のスポーツセダンを市場に投入していたのです!

※本記事は今回は、米国モータースポーツ誌『ロード & トラック』のアメリカ人記者クリス・パーキンス氏による寄稿記事です。

 日産自動車「スカイライン GT-R」のイメージといえば、=「2ドアハードトップクーペ」ではないでしょうか…。しかし、この伝説の名車は、実はもともと控えめな「4ドア・セダン」として1969年に登場したものだったのです。そうして時を経て、1971年に「2ドアハードトップクーペ」が登場し、その後日産は「4ドア」の製造を一切やめてしまったのです。

 そのため、合計で800台余りしかつくられなかった「4ドアGT-R」はもっともめずらしく、もっともカッコいいクルマのひとつとなっています。

 実用的なファミリーカーの車体に、(比較的)大きなエンジンを搭載したこの「4ドアGT-R」について、アメリカ人の皆さんはマッスルカーを”日本流”に解釈し直したものと思うかもしれません。 

 しかし、それは大間違いです。

「4ドアGT-R」に積まれていたのはV8エンジンではなく、約160馬力をたたき出す直立6気筒2リッター・エンジンという傑作だったのです。そして、大半のマッスルカーとは異なって初代「GT-R」は機動性にも優れ、日本国内のレースで数多くの勝利を収めることで、その価値を証明していました。

初代「GT-R」は、BMW「M5」の先駆け的存在と考えるのがおそらく正しいはずです。

 どちらもスポーツカーに負けない性能をもちながら、さほど目立たないスポーツセダンだからです。つまり初代「GT-R」は、20年近く時代を先取りした自動車だったということです。

 日本流のマッスルカーか、それとも時代を先取りしたスポーツセダンかといったこととは関係ないところで、初代「GT-R」は素晴らしい自動車なのです。

 アメリカで有名コメディアンのジェイ・レノ氏は、カリフォルニア州オレンジ郡にある「Original Rare(オリジナル・レア)」で売りに出された1969年製「GT-R」を試乗し、自らそのことを発見したそうです。この自動車のエンジンはとりわけ素晴らしいもので、トップエンドの性能に優れ、ちょっとオーバーですが…「死んでもいい」と思えるほど気持ちのいい音を奏でるのです。

 これらの初期モデルは「GT-R」全体のなかでも、もっとも人気が高いものです。そして、その理由を知るのはとても簡単なことです。それは残念なことに、初代「GT-R」は全部で831台しか製造されず、現存するものはさらに少ないからなのです。

これはyouTubeの内容です。詳細はそちらでご確認いただけます。
1969 Nissan Skyline GTR "Hakosuka" - Jay Leno's Garage
1969 Nissan Skyline GTR "Hakosuka" - Jay Leno's Garage thumnail
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 そこでもし、この動画に出てくるようなものが売りに出されていたら、どうすべきか? そう、皆さんはもうよく分かっていますね。  

 そうです、「決して見逃してはいけない!」ということなのです。あなたの人生をここで大きく変えてくれますので…。

From Road & Track