でも実は、この初号機から改良を加えたばかりのモデルにこそ、創始者の思いが具に込められているのだと思うのです。なので、ぜひとも振り返ってみてください。

ランボルギーニに在籍していたデザイナーであるHoracio Pagani (オラチオ・パガーニ)氏により、1992年に設立したスーパーカーのみを生産するイタリアの自動車メーカーが「Pagani(パガーニ)」です。

初号機の発表は1999年。この年のジュネーブ・モーターショーで、「パガーニ」初のスーパーカー「ゾンダC12」が登場。この「ゾンダ」モデルは、派生モデル・ワンオフモデルを含め、1999年から2010年まで製造されていました。

「ゾンダ」とは、アンデス山脈からオラチオ・パガーニ氏の出身地であるアルゼンチンへと吹き下ろす風の名前であり、さらに初号機としてその「ゾンダ」の名前にプラスされた英数字「C12」の意味は、「C」が妻であるクリスチーナの頭文字。さらに「12」は、パガーニにとって12台目のミッドシップ・プロジェクトであることを意味しています。

そうして6年後の2005年に、ジュネーブ・モーターショーにて大幅に改良を加えたカタチでこの「ゾンダ F」が発表されたのです。

このモデルの製造は2005年からで、それまでの「ゾンダ」とはフェンダーミラーなど大幅な改良が加えられ、25台限定で生産発売されました。モデル名に組み込まれた「F」とは、アドバイザーであったレーサーのファン・マヌエル・ファンジオファンジオ氏の頭文字にあたります。スペック的にはAMG製7.3リットルV型12気筒のエンジンを搭載し、602馬力のパワーから0-100km/h加速は3.6秒、最高速度は345km/hを繰り出しました。

現在、存在するすべての「ゾンダ」は1つ1つスペシャルエディションになっています。 が、しかし、すべてのパガーニがユニークで特別だと称賛されるその背景には、いつもこの「ゾンダ F」がインジケーターとして存在しているのです。

これには、F1において5回もワールドチャンピオンに輝いた男、ファン・マヌエル・ファンジオファンジオ氏(この記録は、2003年にミハエル・シューマッハ氏に破られるまで、46年間も史上最多記録を誇っていました)の名が刻まれているからという理由もあるのでしょう。

これはyouTubeの内容です。詳細はそちらでご確認いただけます。
Zonda F PURE SOUND | accelerations + ride
Zonda F PURE SOUND | accelerations + ride thumnail
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では、ここで「ゾンダ F」のエキゾーストノートをお聴きください。7.3リットルのV型12気筒エンジン音は、古いF1カーのようにも聞こえるかもしれませんが、別にそれがマイナスにはならないでしょう。むしろ、ロマンティックに雰囲気にもしてくれるはずです。

Source / Road and Track
Translation / Mirei Uchihori
※この翻訳は抄訳です。