この画期的な開発は、まさに人類にとって大きな一歩と言えるでしょう。
1969年、宇宙飛行士のニール・アームストロングが人類で初めて月に降り立ったときには、大きな話題になりました。ですが、このような宇宙旅行はまもなく、一般の人々にも手の届くものになりそうです。それは皆さんもヒシヒシと感じていることでしょう。
このような時代に「宇宙で飲めるビール」の開発を目指しているのが、オーストラリアのベンチャー企業であるヴォストックです。
同社はこの10年、無重力環境で開栓して飲むことができるビールを開発してきました。そしてこのたび、そんなビールがとうとう完成したのです。科学とオーストラリア人に感謝ですね。
4パインズ・ビールとセイバー・アストロノーティクスの合弁企業であるヴォストックは、このビールの開発において2つの大きな難題に直面したそうです。それは、人間生理学(宇宙では味覚が狂う。また、ゲップの問題もある)と無重力(無重力でビールを注ぐことはできない)の問題です。
人体への影響については、バージニア州にあるゼロ・グラビティ・コーポレーションの無重力施設でテストを繰り返すことで、うまくコントロールできるようになったと言います。このなかでは、宇宙で飲むのにもっとも適したビールは、「コーヒーやチョコレート、カラメル麦芽などの香りが感じられる口当たりの良いアイリッシュスタイル・スタウトだ」ということが判明。ギネスが好きな人にはグッドニュースでしょう。
燃料タンクの技術をビール向けに縮小
ボトルについては、燃料タンクに利用されている技術をビール向けに縮小して応用したとのことです。この技術は吸い上げ機構に関するものですが、「宇宙でビールがぜひとも飲みたい」というだけの私たちには、この中身を詳しく知る必要はないでしょう(笑)。とにかく、ヴォストックは実に科学的な方法でこのボトルを作ったのです。
とはいえ、宇宙服に袖を通すのはまだ早いかもしれません。
この宇宙ビールの生産には、かなりのお金がかかるのです。ヴォストックは、このプロジェクトの実現のためにクラウドファンディングサイト「Indiegogo」で100万ドル(約1億700万円)を調達することを目指しており、皆さんが宇宙で酔っ払えるためには、まずはこの資金調達が成功してからになりそうです。
ヴァージン・ギャラクティック社が販売した、25万ドル(約2700万円)の宇宙旅行チケットをすでに入手した人にとって、ヴォストックへの投資は取るに足らない額かもしれませんけどね…。
From ESQUIRE US 原文(English)
Translation / Wataru Nakamura
※この翻訳は抄訳です。