1994年にスタートし毎年恒例となった、イギリスで最高のチーズを決める「ブリティッシュ・チーズ・アワード」。先日行われた授賞式では、英国の54の地域から出品された約1000種ものチーズを押しのけ、サマセット産のチーズがNo.1の栄誉を手にしました。

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  This Somerset cheese has been named the best in Britain  

 その名も「シープ・ラストラー(Sheep Rustler)」。イギリス南西サマセット、シェプトン・マレットにある、ホワイト・レイク・チーズ(White Lake Cheese)が作るこのチーズは、名前のとおり、牛乳から作られたものではありません。

 温めた雌羊のミルクを用いたこのチーズ、約3カ月間熟成させることで、「ほんのりナッツのような風味と、わずかにキャラメルの風味を含む、ミディアムからメローな風味のセミハードタイプのチーズが出来上がります」と、生産者は言います。(次ページへ続く)

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グランプリに輝いた「シープ・ラストラー」。

 
 大半の乳製品は牛乳から作られているが、ヤギや羊といったほかの動物のミルクから作られたチーズの人気が、ますます高まっているという昨今。オンラインで食料販売をしているファームドロップ(Farmdrop)によると、羊のミルクはなかなかなじみが薄いのですが、もっともクリーミーなミルクのひとつで、独特の強い風味があることで知られているとのことです。

 2018年は他に、ウエストコム・デーリー(Westcombe Dairy)による「ダケッツ・ケアフィリー(Ducketts Caerphilly)」がベスト・イングリッシュ・チーズに選ばれ、ファースト・ミルク・キャンベルタウン(First Milk Campbeltown)による「スモークト・マル・オブ・キンタイア(Smoked Mull Of Kintyre)」がスコットランドNo.1のタイトルを獲得しました。

 さらに、ケアフィリー(南ウェールズ)タイプのチーズであるカウズ・テフィ・チーズ(Caws Teifi Cheese)が作る「ケルティック・プロミス(Celtic Promise)」が、ウェールズ産チーズのトップに輝きました。

 ブリティッシュ・チーズ・アワードの会長ピーター・ミッチェル氏は、異なる種類のチーズが多数出品され、審査は実に難しかったと語ります。「幸運にも我が国には、優れた品質に取り組むことで知られる献身的で熟達したチーズ生産者がたくさんいます。今年審査されたチーズにも、そのことがしっかり反映されています」。(次ページへ続く)

これはxの内容です。詳細はそちらでご確認いただけます。

 しかしながら、「2017年に(イングランド南西端に位置する)コーンウォール産のチーズが世界一のチーズに選ばれた!」ということに納得できないというフランス産チーズのファンの皆さま…、今回のアワードで審査員を務めたミシェル・ルー氏のコメントをぜひご覧ください!

「イギリス産のチーズには、私がこれまで味わってきたなかでも最高のものがあります。だから私も気合い充分で、この賞の25周年のお手伝いをするのが待ちきれなかったんです!」と…。チーズ目当てでイングランドに行くという旅行プランも、アリではないでしょうか?

From Country Living
Photography / Getty Images
Courtesy of White Lake Cheese
Translation / Mitsuko Kanno