1900年にフランスで生まれ、
レストラン・ガイドとして高い信頼をもつミシュラン ガイド。
その東京版が誕生して、早9年。
ガイドの知名度や掲載店の人気は今や全国区!
とはいえ、 「知っていても、実際に行くのは気が引ける…」
なんて声も。そんなときの狙い目は、ランチです。
いい店こそ、ランチに手抜きなし。
仕事にデートの下見に、
星付き店初体験のおすすめはこちらです!
※各店ともに料理はコースの一例で、
時期や食材の入荷状況により、内容が変わります。
ロオジエ
TOPの写真:仔羊のロティ エピスのクルート。フレンチ料理の春といえば、仔羊。周囲に酸味を効かせた野菜のピュレやフヌイユ(ういきょう)のブレゼを配した、新しい季節の訪れを告げるメイン料理です。
【こんなにスゴイ!】
1973年に創業した資生堂経営の仏料理店。日本のフランス料理の歴史を牽引し、2代3代の常連客も多いとか。ミシュラン常連で、2015年・16年連続二つ星。46席に対し34名のスタッフで運営されています。
本物の美味と華やぎ
グランメゾンの真髄を体験!
日本最高峰のグランメゾン「ロオジエ」。らせん階段を下りた先に広がる白とゴールドを配したダイニングに身を置けば「これぞ、ミシュラン星付き店」の醍醐味を存分に味わえます。エグゼクティブシェフはオリヴィエ・シェニョンさん。芸術家肌のボスの下、研鑽を積み「ピエール・ガニェール・ア・東京」総料理長などを経て現職についた彼は、豊かな発想力を皿の上に表現できる技術とセンス、忍耐をもった人。口の奢った人々が集まる銀座で、客を惹きつける集中力の高い料理を提供しています。ランチは、そんな彼の料理と厳かなサービスを初体験するには最上の機会。大人の男への階段を上るなら、ここで。
まるで皿の上のアート作品!
贅沢な素材を軽やかに
写真:アミューズ・ブーシュ一皿目。
写真:アミューズ・ブーシュ二皿目。
写真:サラダ菜に包まれた毛蟹のサラダの前菜。
写真:プレ・デセール。
写真:デセールは赤いフルーツのパルフェグラッセとタヒチ産バニラのソルベ。
写真:ミニャルディーズ。
写真:ワゴンサービスされるフリヤンディーズ。
ゴージャスな内容はカジュアルコースでも一切手抜きがありません。
グランメゾンの真髄に触れるのに最適です。
心と時間に余裕をもって臨んでください。
◇ロオジエ
東京都中央区銀座7-5-5
TEL 0120・156・051
営業時間 12:00~14:00L.O.、18:00~21:00L.O.
日曜定休(月曜が祝日の場合は営業)・祝日不定休
店内 36席(ほか10名までの個室1・要室料)
http://losier.shiseido.co.jp/
ブルガリ イル・リストランテ ルカ・ファンティン
TOPの写真:年に3週間しか獲れないボラの卵巣を塩・砂糖・白ワインで漬けた自家製ボッタルガと、春のイタリア料理には欠かせないチーマ・ディ・ラーパのキターラ。卵入りのキターラは手作り。天盛りしたレモンゼストで、爽快感をプラス。
【こんなにスゴイ!】
1884年にローマで創業し、最上級の宝飾品や時計で心をとろけさせるブルガリ。そのレストランが日本上陸して早10年近く。一棟丸ごとブルガリずくめのタワーの9階には、舌をとろけさせる空間が!
伝統をベースに独創性が光る
華やかなイタリアン
読者にはおなじみの「ブルガリ」が、料理でその世界観を楽しませてくれるのがこちら。イタリアでは大御所の下で修業を積み、三つ星店の副料理長も務めたエグゼクティブシェフルカ・ファンティンさんは古典も前衛もよくご存じ。すでに来日7年の知日派です。彼が作る料理は、意外な趣向と美味に驚きと溜息があふれます。とはいえベースは伝統派。熟知した日本各地の良質な食材を使い、ぶれのないクリアな味を生み出します。場所柄ビジネスランチの要望も強く、平日のみ約1時間でいただけるショートコースを用意。「本当は主菜も…」と後ろ髪引かれること必至ゆえ、次回は彼女と週末のシェフズテーブルへ♥
目も楽しませてくれる
趣向を凝らした春のコース
写真:一口前菜・ストウッツィキーノは、巣ごもり卵や花のサラダなど、目と舌で春を味わう構成で、シェフの独創性が特に楽しめます。
写真:一つの皿で異なる食感や味つけ、香りが楽しめるホタテと根セロリの前菜。
写真:みかんをかたどったドルチェ。
写真:プチフール。すべてテンポよくいただいて、約1時間。
短時間でもゆったりした気分にさせてくれる魔法のコースです。
日に2回キッチンで焼くパンも、評判◎。
◇ブルガリイル・リストランテ ルカ・ファンティン
東京都中央区銀座2-7-12 ブルガリ銀座タワー9F
TEL 03・6362・0555
営業時間 11:30〜14:00L.O.、18:00〜21:00L.O.
※日曜・祝日・連休 最終日はランチ営業のみ
不定休
店内 43席(個室1・要室料)
http://www.bulgarihotels.com/ja-jp/tokyo-osaka-restaurants/tokyo/il-ristorante
サンパウ
TOPの写真:この日のメインはさわら。付け合わせの下仁田ねぎは、カタルーニャ名物のカルソッツのように、真っ黒に炭で焼いた後に表面を剥いているので、自然の甘みが満載。ねぎやパセリのソース、唐辛子オイルが味と色双方のアクセントに。
【こんなにスゴイ!】
スペインで1988年創業した本店は2年半で一つ星獲得し、2006年以後三つ星を継続。東京店は国外唯一の店で、東京版発刊以来二つ星を保持。店の絵はカタルーニャ地方のもので、インテリアにもこだわりが。
本店のポリシーを詰め込んだ
濃密な〝45分間"
スペイン・カタルーニャにある本店の料理ポリシーをそのまま表現したモダン・スパニッシュを、優雅な空間でいただける「サンパウ」。絵画を彷彿させる色彩豊かな料理が提供されます。それもそのはず、女性シェフ、カルメ・ルスカイェーダさんは絵心にあふれ、幼い頃は画家志望。ガラス器の中に写真を仕込むなど、遊び心もたっぷりです。料理は大きくは四季ごとに変更。スペイン本店からスーシェフが来日し、2011年からシェフとして東京店を率いる岡崎陽介さんが本店と相談しながら試作を繰り返し、新メニューは生まれます。その魅力がコンパクトに詰まったランチ。名店こそ昼がお得の公式、ここでも正解です。
ランチコースは
東京だけに許された至福
写真:45分間 を意味するメニュ・トレス・クアルトは、
「サンパウ」のエッセンスを詰め込んだ平日だけのクイックランチ。
実際の所用時間は約1時間強で、メインは魚。
一口前菜その1。クラゲを使って琥珀をイメージさせた一皿です。
写真:一口前菜その2。
ビーツを加えたパート・ブリックで仕立てた
カリカリコーンで馬肉のタルタルを巻いている。
写真:ホタテとレンズ豆を使った前菜。
写真:デザートは2皿用意しています。
◇サンパウ
東京都中央区日本橋1-6-1 コレド日本橋 ANNEX
TEL 03・3517・5700
営業時間 11:30〜13:30L.O.(土・日曜、祝日 12:00〜)、18:00〜21:00L.O.
定休日 月曜日を中心に月6日間
店内 30席(個室1・要室料)
http://www.santpau.jp/
蕎麦 流石
TOPの写真:つなぎを使わず仕上げた「流石」の味を知るなら、まずこれ。
ミシュランで星をとった名店であるにもかかわらず、
なんとランチを1500円以下で提供しているという店があるそう!
これなら毎日ミシュランチできちゃう!?
01.
極上蕎麦店の自信作、
十割そばを昼にさくっと
開業13年目。「当初は、十割そば?細すぎる、そばつゆが薄い、禁煙だとかシャンパン置くなんてと叱られてばかり(笑)」と店主・藤田千秋さん。それらは今や名店の基本に。一方で流儀含めたそば文化へのリスペクトは最上級。上質な食材から作るそばの価格はわずか1000円、これぞ良心の店!
写真:喉越しははかなく清らかなのに、胃の腑で存在感を放つ不思議な存在。北海道など時期により変わるそば粉や調味料などこだわり食材の生産者とは10年以上のつき合い。
◇蕎麦流石(さすが)
東京都中央区銀座2-13-6 東二ビル2F
TEL 03・3543・0404
営業時間 11:30~14:00、17:30~21:30L.O. ( 土曜~20:30L.O.)
日曜・祝日定休
店内 26席
http://ginza-sasuga.jp/
ぎんざ 一二岐
TOPの写真:これは絶品、かつおのわら焼き。一度は食してみなきゃ!
ミシュランで星をとった名店であるにもかかわらず、
なんとランチを1500円以下で提供しているという店があるそう!
これなら毎日ミシュランチできちゃう!?
02.
かつおと揚げごま豆腐。
夜の名物をまずは昼に
5年連続で一つ星を獲得。高知から通年空輸する新鮮なかつおを天日干ししたわらで炙った看板メニューのランチは、旨さとコスパのよさが銀座の勤め人に知れ渡り、大ブレイク。夜コースの先付の定番・揚げごま豆腐が昼にいただけるのも、嬉しい。まずは登竜門にと、昼に気軽に訪れる方も多いとか。
写真:揚げごま豆腐、野菜の炊き合わせ、かつおのわら焼き、
ごはん、みそ汁、香の物、デザートまでついてこの価格。
炊き立て熱々の土鍋ごはんと風味豊かなかつおのわら焼きに
リピーターも多く、ランチも席の予約が確実です。
◇ぎんざ 一二岐(いぶき)
東京都中央区銀座2-14-6 第2松岡ビルB1
TEL 03・6278・8110
営業時間 火曜〜土曜11:30~13:10L.O.、月曜~土曜18:00~21:00L.O.
定休日 月曜昼、日曜(月曜祝日の場合、日曜営業で月曜休)
店内 17席(カウンター7席、個室)
http://www.ginza-ibuki.com/
新宿割烹中嶋
TOPの写真:銚子や三崎など新鮮な近海産いわしをフライ定食ではたっぷり2匹半。
ミシュランで星をとった名店であるにもかかわらず、
なんとランチを1500円以下で提供しているという店があるそう!
これなら毎日ミシュランチできちゃう!?
02.
ミシュラン史上最安値!?
名店の心意気をありがたく
「一年中獲れて、体にいいから」と30年以上前から昼はいわし定食各種を提供。社食のない勤め人たちの声に応えて始め、現在は1日100食以上出るそう。刺身、フライ、煮魚、柳川鍋は通年、塩焼きだけは味が一番乗る夏のみ。「今はいわしも高くなって大変だけど、価格は据え置き」と女将さん。
写真:旨い米とみそ汁は必須と、山形産ひとめぼれや上高地みそと、相方にもこだわりありなのは、北大路魯山人の流れを汲む店の矜持。ごはんは2杯目までサービス!
◇新宿割烹中嶋
東京都新宿区新宿3-32-5
TEL 03・3356・4534
営業時間 11:30〜14:00.、17:30〜21:30
定休日 日曜、祝日
店内 30席(個室5)
カード 可(ランチは不可)
http://www.shinjyuku-nakajima.com/
Photograph/Takashi Watanabe, Takao Ota, Kayoko Ueda
Composition & Text/Mime Kihara
Edit/Natsuko Otsuki