よりこだわりの強い、いわゆる「アルチザンコーヒー」と呼ばれる波はいま、あらゆるところに押し寄せています。いまや街には、スペシャリティ・コーヒーを売り物にするコーヒーショップが次々に開店し、それはまるでスターバックスの勢いが失われてしまったかのようにも映ることでしょう。
しかしながら、「自家焙煎の豆を使ったコーヒーを出す洒落たカフェなんか、自宅の近くにはないよ」という人、あるいは、正統的なコーヒーの味を自宅で楽しみたい人のために、良いお知らせがあります。
それは、ロンドンにあるコーヒーショップ「Caravan(キャラバン)」のオペレーション責任者を務めるマイク・ローグさんに、「家庭でこれ以上にないほど」旨いコーヒーを淹れるコツについて話を聞きました。
最高に美味しいコーヒーを、自分で淹れるための5つのヒントを読み終えた瞬間、皆さんはキッチンヘ移動してすぐさまコーヒーをつくり始めていることでしょう。
【おいしいコーヒーの淹れ方1】上質なコーヒーを使うこと
コーヒーの味に大きな違いをもたらす重要な要因は、いくつかあります。
そのひとつは、焙煎したててのコーヒーを購入するということです。世の中には素晴らしいロースターがたくさんあり、また、定期的にコーヒーを届けてくれるサブスクリプション・サービスを提供しているところも少なくありません。
スーパーマーケットでコーヒーを買うほうが当然便利です。ですが、スーパーで売っているコーヒーは一般的にかなり質が低く、そして、どれくらい前に焙煎されたものであるのかを知る手立てもありません。
スーパーで売っているコーヒーの中には賞味期限が(焙煎後)12カ月というものもありますが、それに対してたいていのスペシャリティ・コーヒーのロースターでは焙煎した日から、1カ月以内に飲み切ることをすすめています。
■インスタ映えする4層仕上げコーヒーの作り方:
ですので、カップボードの奥のほうに放置してある古いコーヒー豆はさっさと捨てて、さっそくご自宅のいちばん近くにあるロースターに豆を買いに出かけましょう。
【おいしいコーヒーの淹れ方2】粉ではなく、豆を買うこと
買ったばかりのスペシャリティ・コーヒーから発する新鮮で豊かな香りを保つ秘訣は、実際に飲む前にコーヒー豆を挽くということです。
これはつまり、コーヒー・ミル / グラインダーにそれなりのお金をかける必要があるということ。で、できれば刃の種類がコニカル式のものを手に入れてください。コニカル式刃は簡単に言うと、挽く粉の細かさを調節できる2枚の刃(外刃と内刃)のことです。
ハリオ、ポーレックス、リノウェアズといったブランドの製品は品質もよく、比較的安く手に入れることができますので。
【おいしいコーヒーの淹れ方3】数種類のデジタルスケールを揃えること
デジタルスケールをそろえましょう! 「そりゃ、やりすぎでしょ」と思った人も多いかもしれません。ですが、どうか信じてください。デジタルスケールがあれば、朝飲むコーヒーの味が一変します。できることならコーヒー・ブリューワー(ドリッパー)を上に置けるタイプのデジタルスケールがおすすめです。
コーヒーショップ「Caravan(キャラバン)」では、お湯1リットルに対してコーヒー粉60グラムを使います。ですので、500ミリリットルのカフェティエール(フレンチプレス)でコーヒーを淹れるとすると、約30グラムのコーヒー粉が必要になるということになります。
ブリュウィスタ、それにハリオのデジタルスケールは、いずれも正確に量を図れて、しかも安価。また、アカイアのデジタルスケールは、コーヒーを淹れる際に使えるアプリ付きでイチ押しです。
【おいしいコーヒーの淹れ方4】水道水は使わないこと
そもそも、コーヒーを淹れるための水自体が旨くないと話になりません。不味い水は、コーヒーを加えても美味しくはなりませんので。
美味しいコーヒーを淹れるためには、水道水を濾過して使いましょう。もしくは、市販のミネラルウォーターを使ってください。そうすれば、味の違いに気づくはずです。また、やかんに水垢が付着していないよう気をつけてください。
【おいしいコーヒーの淹れ方5】シンプルな方法で淹れること
美味しいコーヒーを淹れるには、決まった手順を踏むことが一番です。シンプルなレシピで時間をかけて実践する…物事を複雑にし過ぎないようにすることが、ここでは大切なのです。
皆さんの場合は、ひと通り済むまでに、少なくとも5〜10分程度の時間が必要となるでしょう。そんなに時間がとれないという人は、パートナーに淹れてもらうか、あるいはスペシャリティ・コーヒーが飲める最寄りのカフェに向かうようにしてください。
Source / ESQUIRE UK
Translation / Hayashi Sakawa
※この翻訳は抄訳です。