ミュージカル『セント・ルイス・ウーマン』 のために書かれたもので、1946年に発表された『Come Rain or Come Shine』という名曲があり、今ではジャズのスタンダードナンバーのひとつとなっています。皆さん、ご存じですか? 個人的にはArt Blakey & the Jazz Messengersが興じる『Come Rain or Come Shine』が好きですが…。いきなり脇道に反れましたが、話を本題に。

雨が降ろうが晴れようが、あるいは凍えるような風が吹こうが、それとも気持ちの良いそよ風が吹こうが、「モスコミュール」は季節やお天気に関係なく、いつだって美味しくいただける飲み物です。

しかも、ウォッカとスパイシーなジンジャービアをミックスするだけなので、とくに簡単につくれる飲み物でもあります。ここでジンジャービアに「?」が浮かんだ方へ。名前に「ビア」と付きますが、ビールの味は全くしません。 ジンジャービアはいろんなメーカーから出ていて、ジンジャーエールに近い清涼飲料水の一種ですが、ジンジャーエールと比べてショウガの味が強めで、けっこう甘い飲み物です。

◇「モスコミュール」とは? その歴史

次に「モスコミュール」の名前に関して。その名前や材料から、ロシア生まれの飲み物と勘違いしそうですが、実はそうではありません、

このお酒は1941年にマンハッタンで、飲料業界で働く3人の男性(流通業者とジンジャービア生産者、それにウォッカの生産者)が考案した生粋の米国産カクテルです。3人はショットグラス2杯分のウォッカに、ジンジャービアと絞ったライムを加えたら、どんな味になるだろうかと考えたそうです。

そうして生まれたのが、「モスコミュール」なのです。ちなみにこの名前は、「リトル・モスクワ」の誕生の地であるチャタム・ホテルのあった場所にちなんでつけられたそう…と、これは、「モスコミュール」誕生に関する伝説として語られていることらいしいのです。実際には、ロサンゼルスにあったコックン・ブルというレストランでチーフバーテンダーをしていたウェス・プライスという人物が、お店の地下倉庫にあった古い在庫を整理しようとしていた際に発明したという可能性のほうが高そうなのです。

とはいえ、いずれの話が本当であるにせよ、「モスコミュール」は特徴的な銅製のマグカップとともに、時間をかけて極めてポピュラーな存在になりました。もし本格的にしたいのであれば、銅製のマグカップを使いましょう、もちろん、ふつうのグラスだって構いません。どちらでも、モスコミュールは時間を超越したとても美味なカクテルなのですから。

◇自宅でできるモスコミュールの作り方|動画でレシピを紹介

これはyouTubeの内容です。詳細はそちらでご確認いただけます。
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モスコミュールのレシピと作り方

作る分量:1杯分 
所要時間:5分

材料

  • ウォッカ約60ml
  • ライムジュース約15ml
  • ジンジャービア 約180ml

B Blesiya モスコミュール銅マグ2個セット

モスコミュール銅マグ2個セット

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■作り方

  1. コリンズグラス(またはモスコミュール用マグカップ)に絞ったライムジュースを注ぎ、絞ったライムの皮を落とす。
  2. グラスに氷を2〜3個加え、ウォッカを注いだあと、冷やしたジンジャービアでグラスを満たす。
  3. マドラーでステアする。

「ケンタッキーミュール」というものあります
 

米南部の雰囲気がもっと感じられるカクテルが好きな方、もしくは単にウォッカが苦手な方には、「モスコミュール」の代わりにとてもスッキリとした味を楽しむことのできる「ケンタッキーミュール」がおすすめです。

このカクテルの作り方は「モスコミュール」と同じと言っていいでしょう。だだ、ベースとなるお酒がウォッカではなく、代わりにバーボンを使うのです。また、やはりバーボンでつくるミントジュレップと同じように、ミントの小枝を添えて出します。

さて皆さん、オールシーズンで楽しむことのできるこの「モスコミュール」と「ケンタッキーミュール」。バーで飲むのも良いですが、自宅のキッチンで一度つくってみてはいかがでしょうか。Jazzのスタンダードナンバーでも聴きながら…。

Source / ESQUIRE US
Translation / Hayashi Sakawa
※この翻訳は抄訳です。