東京では2016年に続く第2回目となる、「アトリエ・ネスプレッソ Tokyo」が開催されました。そこへ「エスクァイア・デジタル」を代表して、特派記者の牧羽貴彦が参加。「ネスプレッソ」が魂を込めてつくり出した新作「マスターオリジン」シリーズとのコラボレーションを行ったのは、11年連続でミシュラン3つ星獲得の「カンテサンス」岸田周三シェフ。オリジナリティ溢れる最高峰の料理をレポートするとともに岸田シェフのインタビュー、そして、新作「マスターオリジン」シリーズの味わいやこだわりもお伝えします。

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Yohei Fujii



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 世界で愛されるコーヒーブランド「ネスプレッソ」による体験型イベント「アトリエ・ネスプレッソ Tokyo 2018」 が、2018年10月15-16日に東京・品川で開催されました。

 これまでリヨン、カンヌ、アントワープ、ブダペスト、ロンドンなどで展開され、東京では2回目の開催となります。今回は3つ星シェフである岸田周三氏(フランス料理店「カンテサンス」)、世界的なソムリエであるアーヴィッド・ローゼングレン氏を迎え、上質のクレマとアロマを有するネスプレッソのコーヒーを使った、至福のメニューを創出しました。
   

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ネスプレッソの思いを具現化した
体験型イベント「アトリエ・ネスプレッソ」

 互いの情熱が融合し、コーヒーの可能性を極限まで引き出すために考案された見事な料理の数々は、至福の時間を作り上げてくれました。

 イベントの会場は、岸田シェフの独創的なフレンチにふさわしい運河沿いのオープンなホールで行われました。ゲストには、メディア関係者やガストロノミー業界のキーマンなど150名ほどのゲストたちが、ランチおよびディナーに分かれて参加。私、牧羽はランチの部でおもてなしを受けることに。ときに運河の流れに乗って届けられる海風も感じさせる空間は、豊潤なる秋の味覚を体験するのにぴったりな雰囲気でした。
 
 東京・品川という都会のオアシスとも言えるオープンな空間で、「ネスプレッソ」の今まで以上のこだわりを込めた新作、「マスターオリジン」シリーズの試飲。その後、そのコーヒーを使用した岸田シェフによるコース料理を堪能。〆のコーヒーに至るまで、まるで名作映画を観終えたかのように、見事なストーリー展開と感動の結末を料理で体験させてもらいました。私ばかりではなく、参加者全員が深い余韻と感動を得た表情であったことは言うまでもありません。 
    

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 岸田シェフの料理は、間違いなく絶品でした。この季節にふさわしい旬な食材を「ネスプレッソ」の新作「マスターオリジン」シリーズ3種にマリア―ジュさせて、卓越した至福の味わいを創出。そのこだわりは、岸田シェフがセレクトした〆のコーヒーにも表れていました。
 
 岸田シェフがセレクトした〆のコーヒーは、彼のレストラン「カンテサンス」でもサーブされている「ネスプレッソ」の「エクスクルーシブ・セレクション」から。ひとつは、ヒマラヤで収穫されるアラビカ豆を100%使用した「ネパール ラムジュン アラビカ」。そしてもうひとつは、タンザニアのキリマンジャロ山麓で収穫されたアラビカ豆のうち、5%ほどしか現出しないシングルビーン(通常は実の中に2つの種子が成長するところを1つのみが成長し、1粒の丸い形状の豆を形成したもの)を100%使用した「キリマンジャロ ピーベリー」の2種(*)。
 
*「キリマンジャロ ピーベリー」はネスプレッソでの取り扱いは終了。今後、「エクスクルーシブ・セレクション」として新たなコーヒーが発売される予定とのこと。

   
 私はこの貴重なイベント「アトリエ・ネスプレッソ Tokyo 2018」で、「情熱とともに丹精込めて創り上げたもの同士が、こだわりを絶やさぬ賢者によってコラボレートされたとき、すばらしいケミストリーが起こる」ということを実体験できたのです。奇跡というものは情熱があってこそ生まれる…情熱があったうえで、そこに絶え間ないこだわりという努力、そしてテロワールなどの自然環境などさまざまな状況が一致したとき生まれるのだと…。
 
 そしてこの日、自分自身がその奇跡が生み出される現場の目撃者になることができたのです。

ネスプレッソの思いとまったく同じ…「生産者との会話から至福の一皿まで、情熱とともに」

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 今回、「ネスプレッソ」の新作「マスターオリジン」シリーズと見事なコラボレーションをはたした岸田シェフにお話を聞きました。岸田シェフはご自身のレストランでも、「ネスプレッソ」を使用しています。ではなぜ、「ネスプレッソ」なのか? 素朴な質問を投げかけてみました。
  
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編集部:当初の「ネスプレッソ」の印象は?

岸田シェフ:レストランで使い始めたのは、2017年からです。当時、「ネスプレッソ」の中でも、世界の限られたレストランでしか味わえないコーヒー「エクスクルーシブ・セレクション」を試飲させていただいたのですが、そのクォリティがかなり高くて、そこでうちのレストランでの導入を決定させていただきました。それまでは、「ネスプレッソ」は家庭用だというイメージでした。「お手軽なカプセルになっていて、いつでも美味しいコーヒーが淹れられる」といった…。試飲すると、コーヒー豆の味わい深さをとても感じることができたのです。同時に、その味わいの裏にあるコーヒー豆に対するこだわりの深さも…。
  

編集部:「マスターオリジン」シリーズへの感想は?

岸田シェフ:新作の「マスターオリジン」シリーズとのマリア―ジュなので、まずは何度もそれぞれを試飲させていただきました。今回びっくりしたのは、5種類ともに製法に関して、さらなるこだわりが施されていました。それにともなって、味わいも深くて独特なコクが表現されています。そこには、いままでの自分自身の知識にはなかった部分が多く、今後の料理づくりのヒントにもなるような部分も多かった…。生産地やつくり手、そして豆の育て方ばかりにフォーカスするのではなく、摘み取られた豆をいかに仕上げるかにもこだわり抜いたところは、非常に勉強になりました。
 
 
編集部:今回のお料理は、どのようなイメージで作られたのですか?

岸田シェフ:「マスターオリジン」シリーズに対するリスペクトも含めたうえで、いかに食材とこのコーヒーを合わせていくか、想像を膨らませました。実は、結構ギリギリまで悩んでいました。コーヒーを料理に合せるのは非常に難しいのです。個性が強いものじゃないですか…焙煎香といいますか香りが強いものなので、一気にコーヒーに支配される危険性もあるので…。その香りをどう生かして、私の料理としてどう成立させるべきか考えました。まずはコーヒーの香りと、どう仲良くするかを考えました。でも、コーヒーの香りを全面に押し出すことはしたくなかったのです。ほのかに感じさせることを大前提に創作しました。そこで今回は、コーヒーをゼリー状にしてソース的に加えるなど、個性の強い内臓肉などと合わせることで互いのデメリットを打ち消して、メリットだけを引き延ばすようなコンビネーションによってメニューを作り上げました。

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フランス・ランド産フォアグラコンフィと「マスターオリジン コロンビア」がマリア―ジュされた一品。

編集部:シェフのこだわりと「ネスプレッソ」のこだわりは通じるものがありますか?

岸田シェフ:私の料理のテーマでもあるのですが、まずは「素材を大切にする」ということがあります。これは職人としてのこだわりなのですが…。私は自分をアーティストだなんて思わず、職人だと思っていますので…。そこで今回「ネスプレッソ」さんからお話をいただき、今回の主役である「マスターオリジン」シリーズのそれぞれ製法を知れば知るほど強い共感を得ました。「ネスプレッソ」のような世界的規模の会社でも、「このような細かい部分までこだわり抜くのか⁉」と驚かされました。そこで、「私が大切にしているものは間違いではないな」ということも確認でき、さらに勇気づけられもしました。


編集部:最後に、岸田シェフが思う「ネスプレッソ」の魅力を教えてください。

岸田シェフ:ひとつは、とても便利なところです。家庭で使用するにあたって、粉末状になったコーヒー豆は酸化しやすく劣化しやすいものです。そのため、「飲むたびにその分量だけ豆を挽く」というのが理想になります。以前、レストランでもエスプレッソを出すたびに、その分量の豆を取り出し、ミルを使って挽いていました。その手間が「ネスプレッソ」ではなくなるのです。実に手軽に満足のいくコーヒーがつくれる。こだわり抜いて育てられたコーヒー豆を粉にし、その酸化から守るよう窒素とともに密封されたカプセルに詰め込まれているわけですから…。それをマシンにセットして、あとはスイッチを押すだけで美味しいコーヒーができ上がるのです。これほど手軽なのに、本格的な味を出せる…実に画期的であり革新的なことではないでしょうか。 

次に種類が豊富であるところも、大きな魅力です。「カンテサンス」では2種類を出していますが、このようにコーヒー豆まで自分の好みで選択できることも素晴らしいサービスです。「マスターオリジン」シリーズも5種類から選択できます。私が料理によって合わせるコーヒー豆を変えたように、自分自身の好み、またはその状況によって自分にふさわしいコーヒーの味を選択できるということは実に喜ばしいことではないでしょうか。立て続けに、違う種類の豆を味わうこともできます。

最後の魅力は、アフターケアが楽なところです。ミルを使用せず、淹れ終わったらカプセルを捨てるだけ。粉も散らばりません。本体の掃除もかなり楽なので、仕事として考えれば、そこに割くべき時間も人も節約できるわけです。


編集部:最後に、シェフにとってコーヒーとは何ですか?

岸田シェフ:コースの最後を締めくくるものとして考えています。今日、私のレストランに来て、「至福の時間を過ごした」と思ってほしいのです。そのためには、最後のコーヒーで台無しにしてはいけません。「終わりよければすべてよし」ではありませんが、心理学上でも最後の印象こそ、すべての印象に影響するとも言われています。そこで、「〆のコーヒーまでも、妥協したくない」という思いで、いろいろ試行錯誤していった結果、「ネスプレッソ」に行きついたわけです。そのこだわりの思いも私の思いと一致するところが多々あるので…。私のレストランを陰で支えてくれる大切な相棒でもあります。

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「アトリエ・ネスプレッソ Tokyo」にて、岸田シェフによるお料理を堪能する会食のシーン。


 
【ネスプレッソ・アトリエ2018 Tokyoメニュー】
・アミューズブッシュ
・フランス・モン・サン=ミシェル産 ムール貝のスープ
・ヤギ乳のバヴァロワ
・フランス・ランド産 フォアグラコンフィと「マスターオリジン コロンビア」
・オマールブルーと黄韮のサラダ
・フランス・ランドック産 仔牛“ヴォー スー ラ メール”と天然きのことタブレ
・フランス・ラカン産 鳩のフリット「マスターオリジン インドネシア」
・奈良県産 榛原牛首肉のブレゼ
・ノワゼットのグラス「マスターオリジン ニカラグア」
・エクスクルーシブ・セレクション
(ネパール ラムジュン アラビカ / キリマンジャロ ピーベリー)

   

自身をコーヒー好きと認識している人にこそ勧めたい新作「マスターオリジン」シリーズとネスプレッソを振り返る

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Yohei Fujii



 私がかつて抱いていた「ネスプレッソ」に対しての印象は、「コーヒー初心者のためのコーヒー」というイメージでした。ワンタッチで抽出できるスタイリッシュな本体、そしてカプセル状のコーヒーの形状、さらにコマーシャル等でのイメージから、「これはコーヒーのニューウェーブなんだな」と感じたのを覚えています。
 
 しかし、数年前に気づき始めたのです。私自身もコーヒーがさらに好きになり、コーヒーの淹れ方などを独学で勉強するようになって、「ネスプレッソ」が大いなるこだわりのもと作り上げられているということを。皆さんは、美味しいコーヒーを飲むために一番大切なのは何かご存じですか? 「ドリップ式のコーヒーこそ一番美味い」と信じる私は、「焙煎」と「ドリップ」の方法が大切とばかりに研究してきたのですが、そもそものところを見逃していることにあるとき気づきました。それは「豆」なのです。
 
 それは数年前から、世界的なサードウェーブコーヒーの流行によって、スペシャルティコーヒー、シングルオリジン、コーヒー農家への正しい評価と購入によるサステナビリティが以前より重視されるようになったころのことです。「美味いコーヒーを淹れるために、非常に大切なのは豆だ」と気づかされたのでした。 
 
 岸田シェフの話にも出ましたが、美味しい料理が旬で新鮮な食材があってこそ成立するように、丹精込めて育てられ、こだわりの目で摘まれた「豆」なくして美味いコーヒーなど誕生するわけがないと、この「マスターオリジン」を試飲して再確認できました。 

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写真:NESPRESSO, Yohei Fujii
「アトリエ・ネスプレッソ Tokyo」のエントランスを入るとすぐに、「マスターオリジン」の試飲コーナーが。


 前置きが長くなりましたが、今回の「ネスプレッソ」の新作「マスターオリジン」シリーズは、まさにこだわり抜いた傑作でした。産地による区別はもちろんのこと、その土地毎でネスプレッソオリジナルの「ひと手間」を加えているところにも感動です。和食で育った日本人である私自身、この隠れた「ひと手間」が最終的に大きな味の違いを生むということも舌が知っています。
 
 熟してから15日間もあえて摘み取らない「コロンビア」の遅摘み、「ニカラグア」のミューシレージを取り除かないというブラックハニー製法、「インド」は昔のモンスーンにさらされた時代を再現し、「インドネシア」では湿気の多い気候に対応して豆の水分量を調整するウェットハル製法、「エチオピア」のドライプロセス製法など、「マスターオリジン」シリーズ5種のすべてが、コーヒー好きとしては聞いただけでどんな味なのかワクワクするほど、いや、たまらず垂涎の状態になるほど興味津々なラインナップです。これまでさまざまな国々の、そして農園のコーヒー豆を飲んできた私にも、聞いたこともない製法ばかり。「ネスプレッソはここまでこだわり抜いているのか!」と、驚きの連続でした。
        

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会食用のコーナーにも掲げられていた「ネスプレッソ」のタグライン。


   
 どうやら「ネスプレッソ」のコーヒーカプセルの中には、酸化から守るよう密封された、コーヒー豆を挽いた粉が入っているばかりではなく、コーヒー生産者へのリスペクト、そして、われわれコーヒーを飲む側の人に対しての愛情も封じ込められているようです。 そしてその思いも、コーヒーの粉と同様に守られているのです。
 
 日本ではコンビニコーヒーの登場によって、より本格的な「挽きたてコーヒー」が身近になりました。ただしコーヒーは、焙煎してからは酸化(劣化)する一方で、保存の問題がつきまとうものです。コーヒーは果実なので、オールドビーンズ(肉で言えば熟成)を除いては、新鮮なものが美味しいことは言うまでもありません。
 
 ゆえに、いかに鮮度を守る工夫がされているか? 丹精込めて作られた豆なのか? で勝負が決まるものなのです。その点、「ネスプレッソ」は豆の保存にこだわっています。一杯ごとに新鮮さを守るようカプセルに密封しているので、いつでも、アロマ豊かなコーヒー豆に出会えるわけです。
 
 そして、誰でもワンタッチで安定した美味しさが楽しめるのです。家庭でも老若男女、誰が淹れても美味しく楽しめる。飲食店においても、大きなメリットとなるでしょう。いままでコーヒーを淹れたことのない人でも取説を読めば、すぐに簡単に美味しいコーヒーを淹れることができます。しかも素早く…。そうして、時間も節約できます。さらに喜ばしいことに、コーヒーに関するさまざまな道具を揃える必要もなければ、本体とカプセルコーヒーさえあればいい…。コーヒーの粉が散らばることもなく、掃除も簡単なところにも感動。家族全員が喜ぶに違いありません。
 
 もしあなたが、コーヒー通を気取りたいがゆえ、「ネスプレッソ」から遠ざかっていたというタイプであれば特に(実は私のその一人だったので…)、この「ネスプレッソ」のコーヒーをぜひとも試してほしいのです。特に今回の新作「マスターオリジン」シリーズは要チェックです。驚くほどのこだわりと美味しさを実現していますので。
 
 自身をコーヒー好きと認識している人にこそ、この味をオススメします。


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Photograph / Yohei Fujii
Interview & Text / Takahiko Makiba