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所在不明のミステリアスなレストランからゴールデンチケットが必要なほど人気のお店まで、「テーブル1つ」取るのも困難な特別なレストランの正解をご案内しましょう。 
 

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 メキシコ・プンタ・デ・ミタの宿泊施設でも、群を抜いてラグジュアリーなWホテルにできた新たなレストラン、「Mesa 1(メサワン)」。ここへ入るためには、ちょっとしたジャングルを抜け、水中に沈む橋を渡らなければなりません。 

 この橋は足をかけると水中から上昇し、乾いた道ができます(これはウォーターポンプを使った仕掛けです)。 

 その道の先では、一晩に1組、最大12人までが座れる木の幹から作られたテーブルが出迎えてくれます。全員が渡ってしまうと、橋は再び水に沈み、そこに残されるのは、あなたとこれから食事をともにする仲間、レストランのスタッフだけになるわけです。「Mesa 1」は、「テーブルが1つしかなければ、誰もが座りたがる」という魅力的なコンセプトを売りにする、世界でも稀なレストランの1つです。 

 こういった希少なコンセプトゆえ、こうしたレストランは成功するとも言えるのです。ですが、顧客の中でもほとんどの方に背を向け、さらに、世界でも約95%ほどの人々、すなわちほとんどの人が食費にもかけないようなお値段を課すというビジネスモデルを成り立たせるためには、圧倒的に特別な体験を提供する必要があるのです。 

  
 個人的には、巧妙な言い回しにはひっかからないタイプだと思います。テーブル1つのレストラン、最高の食事、素晴らしいワイン、美しい雰囲気といった魅力的な言葉を並べられれば、惹かれないわけにはいきません。誰だってそうではないでしょうか。 

 私たちがしばしば感じるように、この世界はまだまだ未知のもので溢れています。ですから、チャンス(そして、たくさんの自由に使えるお金)があるなら、そんな誘惑に負けるのも悪くないのではないでしょうか。 

 そう、今回はそんな美食と特別な雰囲気、優越感を取得できる世界でもっともエクスクルーシブなレストラン5件をご紹介いたします。

Mesa 1

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場所:プンタ・デ・ミタ(メキシコ) 
シェフ:マルコ・キハス 
期待すべきこと:一日一組限定の7コース・テイスティングメニュー 
予約方法:Eメール(wpuntademita.com) 

「Mesa 1」を予約するときには、3つのコースが存在することを知らされるはずです。このうち1つを選ぶことも、シェフのマルコがそれぞれのコースから選んだメニューを組み合わせてもらうことも可能です。たとえば、家禽(かきん)の肉を中心とした「Air」なら、カモノハシ肉のイチジクソース添えが定番。海鮮ベースの「Water」なら、タラバガニ入りのグリーンガスパチョを飲めば、どんな悩みも吹き飛んでしまうことでしょう。肉ベースの「Land」には、リブアイにマッシュポテト、マッシュルーム、ブラックトリュフソースを添えた一品が最高です。つまり、どのコースを選んでもあなたの期待を超えて、間違いなく満足できる食事がサーブされるということです。 

 食事は夕日を眺めながら始まり、あたりが暗くなってくると照明はキャンドルのみになります。これによって、ゲストは星空を独り占めしながら食事を楽しむことができるというわけです。

UNA

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場所:ロンドン(イギリス) 
シェフ:マーティン・ミレシ 
期待すべきこと:12席のテーブル1つ 
予約方法:Eメール(unalondon.com) 

「Experience(体験)」とは、テーブルが1つのレストランにとってお馴染みのバズワードです。そして、レストランとのコラボレーション、あるいは少なくともそう感じられる体験は、ディナーを特別なものに思わせてくれるものです。非常に重要なことですが、こういったレストランのサービス水準は、一般的な高級レストランを超越するものでなければなりません。ゲストを夢中にさせ、「自分はほとんどの人々が来ることができない場所で、特別な食事を楽しんでいるのだ」ということを実感させなければならないのです。 

「UNA」は、ゲストを新たな世界へと導きます。しかし、それは自分の家、あるいは誰かの家にいるかのような心地よさが感じられる場所なのです。そんな場所で、欧州でも最高のアルゼンチン料理をお楽しみください。

Ultraviolet

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場所:上海(中国) 
シェフ:ポール・ペアレット 
期待すべきこと:10席のテーブル1つ、20コース・テイスティングメニュー 
予約方法:ウェブサイトまたはEメール(uvbypp.cc 

「Ultraviolet」のウェブサイトには、「同心円のなかで出される、新鮮なイカを使った一本の麺」という文章があります。これは一体どういう意味なのか? きっと皆さんは、説明の続きが気になることでしょう。このような謎めいた演出に加え、ゲストはどこにいるのか分からないなかで食事をすることになります(集合場所から目張りした車で、所在不明のレストランに送迎される仕組み)。 

 シェフのポール・ペアレット氏は食卓でディナーを過ごす数時間だけでなく、そこでの記憶に残る体験を重視していると言っています。

Solo pero Due

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場所:ヴァコーネ(イタリア) 
シェフ:ジョバンニ・ディ・クラウディオ 
期待できるもの:2席のテーブル1つ 
予約方法:Eメール(soloperudue.com 

「2人だけのための…」を意味するイタリア語に由来する「Solo per Due」は、その名の通り2席のテーブル1つだけのローマ邸宅風レストランです。ゲストは前もってレストランに電話をし、当日の食事体験・演出などについて話し合います(たとえば、最近訪れたカップルは400本のバラのなかでディナーをすることを望み、レストランはこれに応じました)。 

「Solo per Due」では、シェフが主役というわけではありません。「私たちの仕事は舞台裏で起こるんです」と話すのは、オーナーの一人であるジョバンニ・ディ・クラウディオ氏。「誰が料理をし、誰が給仕をするかは重要ではありません。私たちは1つのチームで、誰もがイベントの成功に貢献するのです」とディ・クラウディオ氏は加えてくれました。 

 ロマンチックなレストランを探しているというなら、ここで間違いありません。このレストランでは、過去30年で4500回ものプロポーズがあったそうですから…。 

「私たちの仕事は、愛の感情を解き放つことです」とディ・クラウディオ氏。さらに…「私たちは、ミステリアスな酵素のようなものです。化学反応を起こす2人に混ぜれば、驚くべき反応を引き起こすのです」とディ・クラウディオ氏は会話を締めくくってくれました。

é by José Andres

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場所:ラスベガス(アメリカ) 
シェフ:エリック・スニガ 
期待できるもの:毎晩2組のみ 
予約方法:ウェブサイト(cosmopolitanlasvegas.com) 

『チャーリーとチョコレート工場』ではありませんが、 「é」を予約したゲストにはゴールデンチケットが届けられ、ひとりひとりにシェフが割り当てられます。レストランにメニューはありません。ですがその代わりに、給仕役が司会のような形でコースやメニューの意図などを説明してくれます。 

 料理長のエリック・スニガ氏は「サービスの間、シェフチームがゲストを取り囲みます。彼らが料理から盛り付け、給仕まであらゆることを行うのです」としています。 

 このレストランはラスベガスにありますが、目を閉じれば…そこはスペインのように感じられることでしょう。

By Diana Spechler on March 2, 2018
Photos by Getty Images
ESQUIRE US 原文(English)
TRANSLATION BY Wataru Nakamura 
※この翻訳は抄訳です。 
編集者:山野井 俊