毎年、4月の2週目日曜日を最終日とすることを 
基準に開催されるゴルフのメジャー選手権のひとつ。
出場選手は前年度の世界各地のツアーでの 
賞金ランキング上位者、メジャー優勝者など。 


招待資格を満たす名手(マスター)たちしか 
出場できない、この「ゴルフの祭典」がいま、
白熱の決勝ラウンドを開始しようとしています。

2015 The Masters Tournament [01]

ゴルフはスコアがすべてではない。 
むしろスコアに納まりきれない部分に 
ゲームとしての魅力があるのだ。

 この言葉は1920年代に活躍し、「球聖」と崇められているボビー・ジョーンズ氏の言葉です。賢明な『メンズクラブ』「メンズ・プラス」の読者およびゴルフ愛好家の方なら、この名前もこの言葉のご存知かと思います。氏は毎年4月第2週にメジャー第1戦として、アメリカ・ジョージア州のオーガスタ・ナショナル・ゴルフクラブで開催されるゴルフのメジャー選手権「The Masters Tournament(マスターズ・トーナメント)」の創始者。2015年で言えば、4月9日(木)~12日(日)に開催。現地時間4月10日(金)には第2ラウンドを終え、決勝ラウンドへの進出メンバーが決定したところ。 

 日本の多くのゴルフファンは、日本人として一人参戦している松山英樹選手の動向が気になっていることでしょう。18位でスタートした第2ラウンドの松山選手は、1イーグル、3バーディー、3ボギーの70で回り、通算3アンダー。計141で12位へと浮上。トップとは11打差で決勝ラウンドへ。期待のできるスコア&ポジションになっております。

 
 その一方で、国境を越えて気になる選手がいます。それがローリー・マキロイ選手等です。現地時間、4月10日。予選ラウンド最終の第2日の迎えたマキロイ選手の横顔を。 

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Photograph/Jamie Squire(Getty Images)


 2015年の男子メジャー初戦となる、第79回「The Masters Tournament(マスターズ・トーナメント)」2日目。世界ランク1位であるローリー・マキロイ選手は、午後1時48分にティオフしました。前半は3つのボギー、9番ではダブルボギーを叩きなど、一時は予選通過圏外までスコアを落としたのでした。「やはりスランプはまだ…」と言う声も多いなか、後半には1つのイーグル、そして4つのバーディでスコアを戻すという「意地」をみせたのでした。


2015 The Masters Tournament [02]

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Photograph/Jamie Squire(Getty Images)

 
 2014年は欧米ダブル賞金王に輝き、2015年も2月に行われた「オメガ・ドバイ・デザート・クラシック(欧州ツアー)」で優勝を飾り、好スタートを切ったかと思われたマキロイ選手でしたが、ここのところ絶不調。3月に行われた「ザ・ホンダ・クラシック」では、まさかの予選落ち…。翌週行われた「WGC-キャデラックチャンピオンシップ」でも、マキロイらしからぬ凡ミスを連発するなどして、27位タイ。…と、なかなか調子に乗り切れず、スランプとささやかれているのがマキロイ選手に関する周りの見方となっています。
 

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Photograph/Jamie Squire(Getty Images) 

 
 2日目はスコアを確認すれば、「40 - 31」 の「71」。通算2アンダーとなり、初日の18位から19位へと1歩後退となりました。2日目を終えて、通算14アンダーで首位を独走するジョーダン・スピアーズ選手とは、前日の7打差から12打差へと離れたわけです。冷静に考えれば、残り36ホールで12打差を挽回しなくてはなりません。そして、それと同じことを考えている他の屈強なる選手が、スピアーズ選手を抜かせば44名いるのです。壮大な巻き返しが必要となるでしょう。

 「明日は前半から攻めてチャージかけ、最終日に可能性がある位置まで上げないといけません」と、マキロイ選手。正直、まだ好調の兆しは見えていません。しかし、この追い詰められた状況での展開こそ興味深くはないでしょうか? 好調な選手に注目し、ラウンドごとの技術・心理状態を読み解き、シミュレーションしながらゴルフ観戦するのは実に勉強になります。それと同様、不調と呼ばれる選手を状態をシミュレーションしまがら観戦することも、とてもためになるのです。ましてや、その観戦時に不調を克服した瞬間が見ることができたなら、格別の歓びを共有できるのではないでしょうか。

 
 では、再びボビー・ジョーンズ氏の言葉を。

ゴルフはスコアがすべてではない。 
むしろスコアに納まりきれない部分に 
ゲームとしての魅力があるのだ。

 ジョーンズ氏の本当の意味合いは、実は違うところを示しているのかもしれません。でも、いいじゃないですか。スコアに納まりきれないマキロイ選手の苦悩を想像しながら、ラウンド観戦を楽しむのも、非常に勉強になることでしょう。






 そして、その予習としてこちらの動画を。NIKE GOLFが作成した『Ripple』です。 幼い頃のマキロイ選手は、ある偉大な選手から大きな影響を授かっていたのでした。このようにゴルフも同様、アスリートへの思いというのは、紋のように次世代へと広がってゆくということが理解できるでしょう。その波紋のひと波に、皆さんもなってはいかがですか!?

これはyouTubeの内容です。詳細はそちらでご確認いただけます。
Ripple
Ripple thumnail
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 そんなタイガー・ウッズ選手はというと…。彼も不振と叫ばれ2カ月ぶりの復帰となった今大会。「予選を通過するか?」が大きな指標となっていたところ、無事、予選通過。1オーバーの41位タイというスコアからプレーした2日目。タイガー・ウッズ選手は、4バーディの1ボギーで「69」をマーク。通算2アンダーで19位タイと、巻き返しを果たし決勝ラウンドへとコマを進めました。
 

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Photograph/David Cannon(Getty Images)

 
 決勝ラウンドを迎えるにあたってのトーナメントリーダーは、ジョーダン・スピース選手。初出場の昨年大会で、惜しくも最年少優勝を逃した21歳。なんらかの波紋を受け、このタイミングで浮上してきた期待の若手選手で、世界ランキング4位となっています。そんなスピアーズ選手は予選ラウンドを終え、14アンダーで2位に5打差の単独トップ。この新たなるヒーローを主役に観戦するのもいいでしょう。でも、この二人の動向も見逃せないはず。不調と叫ばれている二人のヒーロー、ローリー・マキロイ選手とタイガー・ウッズ選手。皆さん、注目して観ましょう! 当然、松山選手の優勝も祈願しながらですよ…。



(C)Getty Images
編集者:小川和繁