バンカーが数多く混在する
難関コースに挑む、
プロゴルファーの松山英樹。

松山がメジャー第二戦初日に、
感じたこととは一体何なのか?

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写真:日本を代表する天才プロゴルファーの松山英樹。彼が難関コースをクリアするために考えた秘策はあったのでしょうか? Photograph/Ross Kinnaird(Getty Images)

全米オープンゴルフ 2015

 テニス界では錦織選手の活躍に世界的な注目が集まっていますが、ゴルフ界も同様に、世界的な注目を集めるプレーヤーがいます。それが松山英樹プロです。 

 昨年、オハイオ州ミュアフィールドビレッジGCで行われた「ザ・メモリアルトーナメント」では、日本人史上4人目のPGAツアー優勝者となった松山プロ。今季は、自身の「夢ではなく目標」となる“メジャー制覇”に意気揚々。そうして現在、「マスターズ」から始まるゴルフの4大メジャーのひとつ、「全米オープンゴルフ」に挑んでいるところです。
 

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写真:14番ホールの様子。目の前には多くの凸凹バンカーが待ち構えます。 
松山のティーショットは、どの方向に向かって打たれたのか?
Photograph/Ezra Shaw(Getty Images) 

 6月19日(Fri.)、アメリカ・ワシントン州にあるチェンバーズベイGCで開幕した米国男子メジャー第2戦となる「第115回 全米オープンゴルフ」の挑んだ「日本ゴルフ界のエース」の一人、松山英樹プロ。ゴルフ愛好家でなくとも、彼の名前は知っていることでしょう。勝負に対する厳しい眼差しから、ときにマスコミからは、「態度が悪い…」等マイナスイメージが伝えられることも多かったですね。ですが、今季の松山プロはちょっと違います。マスコミ対応もきちんと受け応えているように…担当は認識しています。それだけ今季は、自信をもってツアーに臨んでいることの表れかもしれません。もちろん、勝負にどん欲なところは変わっていないはず。その辺でトンチンカンな質問をインタビュアーがすると機嫌を損ねる、その可能性は十分あるわけで…。実は過去も、そんな状況で…?と思えるのでした。この「全米オープンゴルフ」直前の企画として、6月15日放映のテレビ朝日系列スポーツドキュメンタリー番組『Get Sports』でのインタビューでは、実に真摯な姿勢を示し、さらにオフの愛嬌ある素顔も見せていました。

  
 話を戻しましょう。チェンバーズベイGCは、深~いバンカーが数多く混在し、高低差のあるリンクス、そしてグリーンの境目もわかりにくく、芝の状況もタフ…と、常識を覆すことばかりが揃うアメリカきっての難関コースです。プロですら、ときのどうしていいかわからない状況へと追いつめることで有名なコースとして有名。繊細なコースマネジメント力が必須となります。

 そんな難関コースでの初日に臨んだ松山プロは午前8時過ぎにインから、つまり10番からスタートとなりました。2ホール目の11番では、5mのパットを沈めてバーディを先行。16番で2つ目のバーディを決め、-2で折り返し、好調をアピール。しかし、後半のアウトでは少々もたつき、この日の結果としては3バーディ、1ボギー、1ダブルボギーの「70」(パー70)で、トップと5打差の26位Tで初日を終えることになりました。 

 スコアを見ると初日で出遅れたように思えますが、本人は「今日はフェアウェイを1回しか外していないし、それくらいのショットだったら伸ばしていける。明日以降、コンディションは変わるかもしれないけど、その中でもフェアウェイをとらえ続けられたら。」とコメントしており、スコアに不満はない様子。 

 数字的には現在26位Tとなっていますが、二日目以降の巻き返してくれるはずです。このスコアに関して本人曰く、「まだ、何も考えていない」とのこと。今シーズン1打差でプレーオ フ進出を逃した試合が3度もある松山プロ。わずかに1打差で優勝争いから離脱した自分を見つめ直し、この大会に臨んでいることも前出の『Get Sports』のインタビューでも語っていました。彼自身、わずか1打差の勝負どころは最終日のバッグナイン以上に、2日目や3日目ではないかと考えているかのように思えるのです。最終日はもちろん注目すべきですが、それ以上にメンズ・プラスでは2日目、3日目の松山プロに注目したいと思っています。松山プロの優勝を願いながら…。

(C)Getty Images
Text: Shun Yamanoi
編集者:小川和繁