昨年の全英オープンの覇者、ローリー・マキロイ選手は 
全英オープンの目前である2015年7月8日、
欠場することを自身のSNSで発表していたのでした。

ローリー・マキロイ

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こちらは2015年7月6日(月)、マキロイ選手自身のInstagramおよびFacebookにこんな写真が…。

 ひとつ言える真実は、「非常に残念だ」ということ。様々な方面で、「プロ意識が低いのでは…」と叫ばれていますが、なにより、マキロイ選手のさまざまな困難を乗り越えての2連覇を見たかったファンも多かったこでしょう。そんな気持ちの強かったファンこそが、恋愛のときのように、「好きが転んで嫌いになって…」的に彼を批判したくなる感情が起こっているのかもしれませんね。

 上の7月6日のSNSには、こうコメントが記せられています。
 「土曜日に友人とサッカーをした際に、左足首の靭帯を裂傷し、関節包にダメージを負ってしまいました。ケガを治すために、毎日リハビリに励んでいます。すぐ復帰できるように全力を尽くしています」と。

 そして7月9日のSNSには、このような写真とコメントが…。

 「色々と考えた結果、私はセント・アンドリューズで行われるオープン・チャンピオンシップを欠場することを決めました。私は100%の身体で試合に臨みたいため、この長期に渡るケガの治療やリハビリと向き合うことを決めました。皆さんからの温かいサポートやコメントをいただきまして、ありがとうございました。一日も早くコースに立ちたい思いでいっぱいです」と。

 怪我の理由は、前述にある彼のコメントのとおり、7月4日に友人とサッカーを楽しんでいた際、左足首の靱帯断裂という大ケガを負うことに…。アメリカではこの話題、かなり大きく扱われ、多くの批判が寄せられているようです。多くのファンをもつ一流のアスリートがメジャー大会を前に、他のスポーツをして大怪我と言う事実…。現状、批判のコメントのほうが目立っているように見えますが、事実を想像するなら、米国の専門TV番組『Golf Channel』の解説者たちは…、

「今回の怪我は通常トレーニングのなかでも被る可能性もあることです。マキロイはそれほど激しいサッカーをしたとは思いませんよねぇ」とか、「ジョーダン・スピースとのライバル争いも、このメジャー大会で見ることだできると多くの人が待ち望んでいたことでしょう。それだけにファンもがっかり。期待も大きいだけに…、批判も多くなるのは当然ですね」とか、「レクリエーションでサッカーをやる程度なら問題あいでしょう。 足首の捻挫はエクササイズでもあり得るのですから…今回は間が悪かっただけです」と擁護する専門家も多いようです。

 そのとおりでは!、と思うのです。このページの担当も実際、学生時代にある運動部に属していましたが、練習前に他のスポーツ、サッカーやバスケットで楽しくウォームアップするというメニューもありました…。ここできっぱりと言い切れることは、全英オープンにマキロイ選手が出場しないということのみですね。それは、非常に寂しいことではないでしょうか。多くのファンが悲しんでいるのは事実。そのことに関しては、マキロイ選手も反省してほしいですね。 
 

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2014年の全英オープン、見事優勝カップの「クラレットジャグ」を 
手にするロリー・マキロイ選手。 
Photograph/Tom Pennington(Getty Images) 

 
 昨年の全英オープンの覇者、マキロイ選手。ディフェンディングチャンピオンとして、今年の大会にどう挑むのか誰もが楽しみにしていたはず。そこに若きエース、スピース選手はどう絡んでいくのか? マキロイ選手を破って、ランキングの入れ替えが起こるのか⁉ そうは言っても、「俺たちのことを忘れるなよ」といぶし銀のベテランたちが燃え上がるドラマも…。そして、我らが松山選手の活躍も…。さまざまばドラマを想像していたはずです。そんなドラマティックなパズルから、大切なピースを失ってしまったという事実…もう悲しむほかないでしょう。

 
 いま多くのファンが思うことは、このまま回復に時間がかかり全英オープンばかりでなく、同じくタイトル・ディフェンドがかかっている世界選手権シリーズのブリヂストン招待、全米プロの欠場もありうるのでは…という不安。 

 そんな心あるファンたちのためにも、故障した体を100%治癒させることが第一。しっかり治して、また一流のプレーを見せる。それが期待を裏切った多くのファン、そして「ゴルフ界」自体に対して唯一できる彼の「お返し」ではないでしょうか。一流のアスリートとして、子供たちの夢となるお手本であることを自負しながら…。

(C)Getty Images
編集者:小川和繁