2018年の目標のひとつに、「もっと運動をする!」とあなたは誓っていませんか? もし誓ったまま、忘れたふりをしている…という方はぜひこちらを参考にしてください(笑)。
リオ五輪では、女子800m代表として出場したリンジー・シャープ。結果は8位に。Photograph / Getty Images
エクササイズやダイエットの悩みは、女性ばかりではなく男性も同様です。運動そして健康に関しても、男女差などありません。ゆえに、これは人類の永遠のテーマではないでしょうか……。
とはいえ、いままで運動、つまりはワークアウトなどに関心をぜんぜんもたないまま生きてきた方だって多いはず。そんな方にとって、「どんなことから始めればいいのか? 何を心がけたらいいのか?」…これは難しい問題ですね。
最初に大きな失敗をしないためにも、専門家のアドバイスに耳を傾けるのはとても大切なことです。しかも、ただの専門家ではなく、運動こそがキャリアであり人生そのものであるプロのアスリートの言葉なら、なおさら説得力あります! とくにそれがアスリートともなれば、ぜひ読みたくなるでしょう。
…ということで、ここに英国を代表する12人のプロアスリートが伝える、フィットネスのヒントを一挙ご紹介しましょう。フィットネスの効果を最大限に引き出し、モチベーションをアップさせてくれるアドバイザーとして、彼女たちほど適したひとはいないはずですから…。
ジョアンナ・コンタ
「私からの最善のアドバイスは、自分の体力をV字回復させるような新たな練習方法を見つけることね。たとえば私場合は、インドア・クライミング。これにすごくハマっていたわ。テニスコートと違うから、とっても楽しめるしトライしやすいの。しかも素晴らしいフィットネス効果があって、私の体ばかりでなく心を強く鍛えてくれるのよ。私がコートの上で勝負するときにも、大いに助けになってくれるの」
Johanna Konta
ジョアンナ・コンタ
オーストラリア出身。2012年にイギリス国籍を取得。現在、英国でナンバーワン、世界ランキング第9位のプロテニスプレーヤー。2017年はウィンブルドンでベスト4入りしています。
デジレ・ヘンリー
「ジムに通わずに、2018年の目標を達成できるようにしましょう。ボディウェイト・ホーム・サーキットは効果的よ。私のデイリーサーキットは、家の狭いスペースでもできるメニューなの。スクワット25回、カーフレイズ(かかとを上下させるふくらはぎのトレーニング)25回、シットアップ(腹筋)25回を続けているわ」
Desiree Henry
デジレ・ヘンリー
チームGB(イギリスのオリンピック選手団のブランド名)に所属する陸上100mと200mが専門のスプリンター。イギリスの女子4×100mリレーのメンバーとして、2016年リオオリンピックでは銅メダルを、2017年の世界陸上では銀メダルを獲得。
サラ・ストーリー
「マインドセットは、よく見過ごされがちな大切なツールだと思うわ。正しいマインドセットが、新しい目標を達成するためのより良い環境作りにつながるの。あなたが見た目や体調面でより健康的になりたいのなら、現実的に自分自身が変わることでどうなりたいのかについて、よく考えなければならないの。マインドセットは厳しくタフになるということだけじゃなく、自分にできることを認識して、挑戦的でありながらも達成可能な目標を作ることがポイント。正しいマインドセットができれば、目標までの道のりをよりリラックスした状態で楽しむことができるようになるわ。そして苦楽にも動じず、鏡に映る自分を見つめることができて、自分に必要なのは正しい食事なのか? より多くの運動なのか? より多くの睡眠なのか? に関して、正直になれるわ」
Dame Sarah Storey
サラ・ストーリー
イギリスの自転車競技および競泳の選手。胎内時に母親の子宮内でへその緒が左手に絡みついたため、結果、左手を喪失した状態で誕生。イギリスの女性パラリンピック選手としては、最も成功した存在として知られています。2012年12月、「Dame(デイム)」の称号が得ています。
クラウディア・フラガパーネ
「さまざまな課題を設定して、友人やグループの仲間たちと一緒に運動することが私のオススメとなるコツよ。より楽しくできるし、互いに目標を誓い合うことで、より厳しくなれると思うわ」
Claudia Fragapane
クラウディア・フラガパーネ
コモンウェルズゲームズで4年連続優勝の記録をもつ、イギリスを代表する体操選手。2017年にカナダ・モントリオールで開催された世界体操選手権では、床で銅メダルを獲得しています。
リンジー・シャープ
「もしあなたが有酸素運動の改善法を探しているなら、まず達成できそうな目標をもつことから始めるといいと思うわ。10kmかハーフマラソンくらいのね…。有酸素運動は多くの人が楽しめずにいるけど、路面やペース、エクササイズを変えて、さまざまなバリエーションで続けていけば、楽しみながら効果を得ることができるはずよ」
Lynsey Sharp
リンジー・シャープ
陸上女子800mのチームGB選手。2012年のヨーロッパ陸上競技選手権においては、同種目で金メダルに輝いています。また、アディダスのアンバサダーを務めています。
アシャ・フィリップ
「1日1日をしっかりこなて、間違っても自分を責めたりしないで…。できなかったら、やり直せばいいだけよ」
Asha Philip
アシャ・フィリップ
チームGBの100m専門スプリンター。デジレとともに4×100mリレーのリオオリンピック銅メダル、世界陸上銀メダルに貢献し、2017年はヨーロッパ室内陸上競技選手権の60mで優勝しています。
エリノア・バーカーMBE
「少しラクに考えてみたらいいと思う…。自転車の場合は装備一式を持ち歩くことが難しいし、旅先でトレーニングすることも難しい。雨のときや路面が凍っているときにモチベーションを上げるのも大変だから、必要に応じて屋内でのトレーニングになっても仕方がないと割り切っているの。電動自転車やフィットネス用バイクなどを使って、週に2度は体力やコンディションを整えるために、ジムでトレーニングするようにしているわ」
Elinor Barker MBE
エリノア・バーカーMBE
(MBE:大英帝国勲章第五位)
ウェールズ出身の自転車競技選手。2016年リオオリンピックでは、団体追抜で優勝。世界記録保持者です。
シェレイナ・オスカン=クラーク
「一貫性が重要よ。ただ無理に運動をすればいいわけではなく、食事や休息、回復など、すべてが含まれるべき。あなたのコアの部分を無視することも簡単だけど、それはあなたの基礎であり、強さや有酸素運動に違いが生まれてくるから…。まずは、一貫して続けていくことを心がけてみて…」
Shelayna Oskan-Clarke
シェレイナ・オスカン=クラーク
チームGBの800m選手。2017年のヨーロッパ室内陸上競技選手権では、銀メダルを獲得しています。
ビアンカ・ウォークデン
「私からの最善のアドバイスは、あなたがどんなプログラムやレジームを取っているかにかかわらず、毎日、特に寝起きや寝る前にたくさんの水を飲むことよ。水分補給が最も大切なの…」
Bianca Walkden
ビアンカ・ウォークデン
テコンドーの選手。リオオリンピックでは、銅メダルを獲得。2015年、2017年の世界選手権で優勝しています。
ラビアイ・ニールセン
「私は毎日練習をしています。もし、同じルーティンやセッションを何度も何度も繰り返しやらなければいけなかったら、すぐに飽きてしまってやる気をなくすわ。トレーニングが嫌にならないように、ウォームアップでも実際のセッションでも、いつも違うことをやりたいと思っているの…。ノーマルなフィットネスのルーティンに、こだわる必要はないわ。長距離走の代わりにインターバル走をしたり、ヨガの代わりにズンバをしたり…普段はやらないことを取り入れられる大胆さをもってほしいわ。それが何であれ、新しい挑戦でモチベーションは上がるし、あなたの身体も新しい刺激の恩恵を受けるはずよ」
Laviai Nielsen
ラビアイ・ニールセン
イギリスの陸上400mの選手。2017年世界陸上の4×400mリレーでは、銀メダルを獲得しています。
ロレイン・ウゲン
「いつもワークアウトの前に食事をして、燃料を補給しておくこと。普段の私は朝食にさまざまなバリエーションの卵と、トースト、アボカドを食べているわ。卵は良質なタンパク質の源で、重くないの。そして、運動した後は1時間以内に食事を摂ることね。あなたの体は運動するときにたくさんのタンパク質が分解されてしまうから、できるだけ早く摂取して回復に役立たせる方がいいわ。他には、運動をし始めると筋肉痛になってしまうけど、動かしていくことで筋肉は慣れるから、痛くても続けていくことが大事なの。トレーニングの間に休みを作ってしまうと体力もつかないし、そのトレーニングがいつまでたっても自分の身にならないから…」
Lorraine Ugen
ロレイン・ウゲン
陸上走り幅跳びの選手で、英国の記録保持者。リオオリンピックでは決勝に進出。2017年のヨーロッパ室内陸上競技選手権では、銀メダルを獲得しています。
ステフ・ホートン MBE
「健康的な生活をおくるということは、本当に物事の組み合わせによるもの。定期的に運動をして、よく食べて、いい選択をして、前向きに考えていくべきだと思うわ…」
Steph Houghton MBE
ステフ・ホートン MBE
(MBE:大英帝国勲章第五位)
マンチェスター・シティLFCに所属するイギリスのサッカー選手。2015年女子W杯で、イングランドを初の準決勝進出へと導いた。2012年にはチームGBの一員として、ロンドンオリンピックに出場しています。
From: Harper's BAZAAR UK
Photograph / Getty Images
Translation / Ai Ono
編集者:小川和繁