水泳五輪金メダリスト「がんに繋がるホクロ除去」、SNSで肉体美を見たファンが指摘
もしも「がんに繋がる可能性がある」と診断を受けても、そこで怖れをなすばかりではいけません。いまや、早めの処置ができれば問題はクリアされる時代なのですから…。そこで今回を機に、皆さんが知るべき徴候を知っておくことで、「早めの処置」がでくるようにしておきましょう。
日本やアメリカ、オーストラリア、ブラジルなど、“環太平洋地域”の世界的スイマーたちが集結する競泳の国際大会「第13回パンパシフィック水泳選手権大会」。2018年8月11日(土)には東京・東京辰巳国際水泳場で、競泳各種目の決勝が行われました。
そこで強さを見せつけたのが、やはりアメリカ勢です。
国別ポイントは447.5ポイントと、2位オーストラリアの331.5ポイントと、100ポイント以上の差をつけ金メダルに。ちなみに日本は、2位のオーストラリアに13.5ポイントおよばず…318.0ポイントで3位となりました。東京五輪2020へ向け、互いの国は大きな自信と課題を見つけたことでしょう。
そんな中、男子400メートル自由形では世界で沸き立つ波乱もありました。リオ五輪金メダリストであるマック・ホートン選手が、同じオーストラリア代表であるジャック・マクラフリン選手に敗れたのです。マクラフリン選手は、ホートン選手を10分の1秒上回る3分44秒20でフィニッシュ。金メダルを獲得したのです。
ここでは、パンパシ水泳2018で惜しくも敗れてしまったリオ五輪金メダリストのマック・ホートン選手にフォーカスを当てたいと思います。
鋭い観察眼をもつ熱烈なファンがいることは、ときに、アスリートたちにとってプラスに働くことがあります。
マック・ホートン選手は過去、「がんにつながる可能性がある」と診断されたホクロがありました。ですが、彼自身はそんなホクロが胸にあることに、ずっと気づいていなかったのです。
ホートン選手自身がそのことに気づいたのは、2016年リオ五輪で400メートル自由形で金メダルを獲得した、そんな興奮冷めやらぬなかでのこと。彼の鍛え抜かれた肉体美の写真を見て、「そのホクロに違和感を感じた」とある匿名のファンからの知らせたから始まったのです。この匿名ファンは、ホートン選手の写真を隅々まで確認した結果、「彼の胸にあるホクロが、2012年のときよりも大きくなっている」ということに気づいたそうです。
そして彼は、その匿名ファンに生涯感謝し続けることになるわけです。
「水泳代表チームのチームドクターに電子メールを送り、僕の胸のホクロを調べるよう教えてくれたファンに心から感謝します」と、ホートン選手はコメントしています。
ホートン選手は、胸のホクロが悪性のものかどうかは明らかにしないながらも、Instagramにセルフィー写真を投稿。その写真には、手術でホクロを除去したことを示すガーゼが胸の部分に貼られていました。
悪性のホクロが原因となり皮膚がんとなることは、アメリカでは頻繁にあることのようです。また、オーストラリアも…。メルボルンのあるビクトリア州の報告によれば、特に夏の間に同国が受ける紫外線はヨーロッパ圏が同時季に受ける量より7%も多いとのデータもあるようです。
さらに、元来色白であるオーストラリア人は紫外線に弱い…。「皮膚がん70歳までには3人に2人が発症すると言われ、毎年1900人程が皮膚癌により死亡している」との報告もあります。オーストラリア人であるホートン選手も、この皮膚がんに関しては、人一倍のケアが必要だったと言えるでしょう。
悪性黒色腫はホクロのようにみえることが多く、あるいは、ホクロから転化することが多いのです。軽視してはいけない恐ろしい皮膚がんのひとつ…。今回はホートン選手は、ファンのファインプレーによって助けられたと言えるでしょう。
「米国皮膚病学会」によると、20歳までに“過度に日焼けした箇所が5つ以上”あれば、悪性黒色腫のリスクは、なんと80%も高まるそうです。
このリスクを回避するには、毎年きちんと日焼け対策をしておくことが必要です。しかし、自分で警告サインに気づけるようにしておくことも大切です。
次に記載するサインを見逃さないようにしましょう! 少しでも兆候に思い当たることがあったら、まずは医師に相談してください。
【1】…「ホクロの形が非対称である」、「ホクロに不規則な縁(ふち)になっている」、「ホクロに色が2つ以上ある」、「直径が鉛筆の上に付いている消しゴムより大きい」、「時間の経過とともに形が変化している」。このうちのいずれかに当てはまるようでしたら、すぐに医師に診てもらいましょう。
【2】…30歳代半ば以降は、新しいホクロができる可能性は低い。ですから、30歳代半ば以降に新しいホクロを見つけたら、医師に相談するのも良いでしょう。
【3】…ホクロの部分のかゆみ、出血、痛みは赤信号です。ホクロが健康なものなら痛んだりはしません。
【4】…ホクロの色には、特に注意を払いましょう。赤かったり透明であったり、真珠のようなもの、もしくは黒いホクロなら、医師によく診てもらいましょう。
それでもまだ不安でしたら、次の5つの写真(皮膚癌は具体的にどんなものかを示したもの)をご覧になって参考にしてみてください。
危険な兆候のホクロ写真 01
皮膚がんの警告サイン:ホクロの直径が6mm以上になったら、医師へ相談に行きましょう。
新しくそばかすやシミができたりしても、それ自体でパニックとなる必要はありません。ですが、そのサイズが6ミリメートルを超える場合は、皮膚がんと変異する可能性の高い黒色腫の初期の警告徴候である可能性があります。また、年齢に関係なく、「メラノーマ(悪性黒色腫)はある一定の年齢層に発生するものではありません。何歳になってもできる可能性はあるのです」と、カリフォルニア大学サンフランシスコ校で皮膚医学博士のティモシー・バーガー氏は説明します。
危険な兆候のホクロ写真 02
皮膚がんの警告サイン:ホクロのエッジが不可思議な様相となっている場合
「メラノーマ(悪性黒色腫)ではなく単なるホクロである兆候としては、天地左右対称のカタチであり、比較的滑らかで明確な輪郭をもっている傾向が強い」と、カリフォルニア大学サンフランシスコ校で皮膚医学博士のティモシー・バーガー氏は説明します。
「新したにメラノーマかと懸念されるホクロを発見した場合には、その形状の対称性があるか? そのエッジはクリアか? をまずチェックしてください」とバーガー氏は加えてコメントしてくれました。
危険な兆候のホクロ写真 03
皮膚がんの警告サイン:新たなホクロと思いながらも、その着色濃度が高い場合
カリフォルニア大学サンフランシスコ校で皮膚医学博士のティモシー・バーガー氏によれば、「ホクロというものは通常、ブラウンからのタンの間の色が多いしょう。またはわずかにピンク色となる場合もあります」とのこと。 ですので、気になるホクロの色が黒もしくは赤、まれですが白、青であった場合には、すぐに皮膚科医へ相談に行きましょう。
危険な兆候のホクロ写真 04
皮膚がんの警告サイン:少し盛り上がっていたり、イボのようにも見える場合
カリフォルニア大学サンフランシスコ校で皮膚医学博士のティモシー・バーガー氏はこう言っています。「6ミリメートル以上の大きさの水泡の状態で、6週間ほど経っても消えない場合は医師の診断を仰ぐことをおすすめする」と。 これらの隆起は、首と顔に発生しがちです。ときに、出血を伴うこともあるでしょう。またはイボのようにゆっくりと成長しながら、鈍い痛みを伴う場合もあります。いずれも扁平上皮がんである可能性が高いので、要注意です。
危険な兆候のホクロ写真 05
皮膚がんの警告サイン:かさぶた状になっている場合
もし腕に、うろこ状のかさぶたのようなものができたら、少々注意してください。それは乾燥した肌に過ぎないかもしれません。ですが、それが6mm以上大きく、また、6週間以上経っても治まらない場合は無視しないほうがいいでしょう。すぐ医師へ相談に。
それはしばしば、単一の病変である基底細胞がんである場合があります。基底細胞がんとは、皮膚の上皮(表皮や毛包上皮)から発生する皮膚がんの一種です。皮膚癌の中では最も頻度が高く、かつ、最も悪性度が低いがんと言われています。不安に思ったら、すぐ医師へ相談してください。また、これらのスポットがたくさんある場合は、なんからかの発疹の場合もあります。いずれにせよ、医師に診てもらったほうがいいでしょう。
From Men's Health
Courtesy of @mackhorton(via Instagram)
Translation / Hayashi Sakawa
※この翻訳は抄訳です。