◇ブルーボールズ(睾丸の不快感)とは何?

 日本人には、あまり聞きなれない言葉かもしれません…。欧米の男性たちは昔から、「blue balls(ブルーボールズ=性的に興奮した男性が欲求を満たせなかったときなど、急所、いわゆる睾丸に一時的な強い不快感や鈍い痛みだけが残される状態のこと)」の災難に悩まされる際に使用される言葉です。

 日本の男性諸氏の皆さんも、こうした体験を経験した覚えはあるのではないでしょうか。

 実際、「ブルーボールズ」という俗称があるようにリアルにそれを体感し、医師に相談している人が存在しているのです。では、この症状はどのような経緯で体感にまで至るのでしょう…答えは少々込み入っています。

 「blue balls(ブルーボールズ)」… 欧米の男性たちがこの言葉を聞けば一般的に、単なる遊び用のボールではなく性行為に関わる不満を言い換えた表現として認識するでしょう。

 男性としての興奮状態が一定時間続き、結果、急所のほうがじわりと痛くなったこと、ありませんか? たとえば、交際相手といいムードになりながらも、なんらかの事情で最後までには至らなかったとき…、いわゆる「ヘビの生殺し」的な状態というやつです。すると、多くの男性はその決着をどうつけようか悩みながらも、そんな状態が長時間続くのです。

 すると、下半身のほうがジワリと痛くなる…それが睾丸であるゆえ、少々不安も覚えるわけです。

 この「ブルーボールズ」、実際に男性たちの体に影響を及ぼすものとなる可能性はあるのでしょうか? 男性にとって大切な部位である「睾丸」の不快感です…「それは有害なものでは?」と不安が募る人も多いかと思います。

これはpollの内容です。詳細はそちらでご確認いただけます。

 では実際、そうなのでしょうか!?…その答えは、「ある意味でイエス」になります。多くの医師が、「そうした心理状態から痛みを伴うのなら、有害なわけではない」と付け加えてくれるでしょう。では、もう少し詳しく説明しましょう。

◇「ブルーボール(睾丸の不快感)」は本当にあることですか?

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 まず先に、それが「有害なものなのか?」をはっきりさせておきましょう。  

 その答えは、「それ自体、悪影響はほとんどありません」。

 「ブルーボールズ」というのは、比較的よくある生理現象と言えるのです。そして、それは長期的なダメージを体に与えるものではありません。もし皆さんが性行為をしていてオーガズムが中断されたとしたなら、数分間(あるいは数時間)は落ち着かない感じがする…その程度の影響はあるとのこと。  

 実際「ブルーボールズ」には、科学的な裏付けがそもそも明確には存在していないのです。  

 ある事例としては、2000年に『ペディアトリスク』という学術誌に掲載されたものがあります。この中では、ガールフレンドと「じゃれ合って」いた後(ただし射精はしなかった)、睾丸に激しい痛みを感じて緊急救命室に担ぎ込まれたという14歳の少年の例が詳しく報告されています。しかし、この報告書をまとめた研究者らも、「何が原因で彼に苦痛が生じたか?」はよくわからないと認めています。

 この研究者らは、緊急医療に関する文献や泌尿器科学の教科書、医療に関するライブラリーなどを見直してみたそうですが、「ブルーボールズ」に言及したものは見つけられなかったということも報告されていました。

◇「ブルーボールズ」の本当の原因は?

「ブルーボールズ」の本当の原因は?
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 「ワイル・コーネル・メディカルカレッジ」のダリアス・パダック医師(泌尿器科学が専門の准教授)の説明によれば、睾丸に感じる鈍い痛みについてのいちばんよくある仮説としては、「勃起時に活発化したペニスや睾丸の部分の血流が圧力となり、それが射精によって解放されないと結果的にわずかな痛みが生じる」ということです。  

 また、長時間勃起状態を続けていると、体内の血液のなかにある酸素が性器の細胞組織によって吸収されることを示した証拠もいくつか出ています。

 「これが血液を”青っぽい色味”にする可能性がある」と、ワイル・コーネルの泌尿器科学者であるリチャード・K・リー医師は言います。またリー医師によれば、「これはふつう、ある種の血栓(血行障害)があるときにしか起こらないこと」だとも言っています。

 「勃起不全の治療薬や、ペニスリングのような血流を制限する器具が原因で、そうしたことが起こる可能性があります。ですが、そうしたことが自然に起こる可能性はあまりないのです」と、リー医師は付け加えてくれました。 

 つまり皆さんが「勃起不全治療薬」を服用していたり、ベッドルームで新し大人のオモチャを使ったりしていなければ、皆さんの睾丸が実際に青くなったりする可能性はほぼないということになります。それは、「ちょっとした不快感な経験する」程度はこととなるだけでしょう。

◇この「ブルーボールズ」を治す方法はあるのでしょうか?

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 実際、これを緩和する方法は存在します。そして年頃の少年なら、それがどんなものか誰もが知っていることでしょう…それはつまり、「射精」と呼ばれる行為になります。

 「オーガズムに達することしか、この睾丸の圧力を軽減できる方法はない」と、パダック医師はアドバイスしてくれました。そしてここで、「パートナーと一緒のオーガズム」とは言っていない点に注意してください!   

 もし皆さんがフィニッシュしたいと思いながらも、そこでのパートナーが何らかの理由でそれに同行できないという状況となったのならば、1人で済ませることがおすすめとなります。バスルームの椅子と大量のティッシュペーパーを用意し、自分で自分の面倒をみるのです。

◇注意点

  「ブルーボールズには、氷水あるいは冷水をかけると良い」とか、あるいは「その圧力を下げるのに、ワークアウトが役に立つ」などと言う人も実際います。ですが、そんな方法の有効性を裏付ける研究結果は、大量にあるわけではありません。ですので、いまのところは「射精」という昔ながらのやり方で臨むのがベターということになります。

From Men's Health
Translation / Esquire Japan 
※この翻訳は抄訳です。