今回は、その「クロスフィットゲームズ・オープン(CrossFit Games Open)」に挑戦するトップアスリートたちも苦戦する極限トレーニングのコツをご紹介します。
◇ クロスフィットゲームズ・オープン(CrossFit Games Open)とは?
数週間にわたって行われる「クロスフィットゲームズ・オープン」。まさに、筋骨隆々のアスリートたちの大運動会と言ってもよいでしょう…(!?)。簡単に言うと、フィットネスのスポーツです。
「クロスフィットゲームズ」は、複数日程の超過酷な競技大会で、各国の14歳~60歳以上のエリート・アスリートとチームが究極のフィットネス・テストで競います。
競技種目は大会直前に発表されて、オールラウンドのアスリートが未知の種目に備えてトレーニングを行います。クロスフィットの運動は、器械体操、パワーリフティング、重量挙げ、ランニング、ローイング…などから選択されます。
アスリートたちは実際の競技種目についてほとんど何も知らされずに、米国ウィスコンシン州マディソンに到着します。
そのため、トレーニングでは、他のどのプロスポーツよりも幅広い運動をカバーし準備する必要があるのです。アスリートたちは他のアスリートとの競技中に順位が付けられ、数日間にわたる一連の多様な種目でフィットネスを実証した後、優勝者が“Fittest on Earth”、つまり地球上で最も最強なフィットネスの人間である称号を得るのです。
2020年の大会で第13回目の「クロスフィットゲームズ」となり、大会の資金総額は230万ドル以上にも上るのです。
トレーニングの中でも「18.3」では、世界中のクロスフィッターたちがこの競技の素晴らしさを改めて実感することでしょう…。なかには、吊り輪マッスルアップに初めて成功した人もいました。ですが、このトレーニングは、多くの人が挫折感を味わったのではないでしょうか。
特に逆立ち腕立て伏せの新たな基準は、一流のクロスフィットアスリートも苦戦するものであることがわかりました。
◇世界2位の経験者からアドバイス
――そんなトレーニング、「18.4」で壁にぶち当たった人のために…、今回は2017年のクロスフィット・ゲームズで世界2位になったブレント・フィコウスキ氏(Brent Fikowski)にインタビューをしアドバイスをいただきました。
ちなみに、言うまでもないことかもしれませんが、このトレーニングは一流のクロスフィットアスリートでなければ半分にも到達することはできないでしょう…。普通の人なら、最初のデッドリフトのセットをこなせただけでも上出来です。また、フィットネス初心者やトレーニングで疲労しているという人は、今日のところの挑戦は取り急ぎ見合わせてくださいね(笑)。こんな世界もあるのだと、怖いもの見たさにご覧いただくものアリですので!
【1】セット間の休憩をよく取る
「クロスフィットゲームズ・オープン」におけるトレーニングへの挑戦に際して、セット間の休憩を提案するのは違和感があるかもしません。ですが、フィコウスキ氏は、「18.4」においてはよく休憩を取ることを推奨しています。
「デッドリフトや逆立ち腕立て伏せのセットで体が重いと感じたら、早い段階から思い切って頻繁に休憩を取りましょう」と。
彼によれば、デッドリフトと逆立ち腕立て伏せの21-15-9回の部分(クロスフィット業界では“ダイアン”と呼ばれています)は、通常より2倍ほど時間をかけるべきだと言います。「ダイアンで、9分の制限時間ギリギリになってしまわない程度にです。その後は一気に終わらせましょう」と、フィコウスキ氏は説明します。
また、上級者で勝負のできるペースを維持したい人には、フィコウスキ氏は休憩のタイミングや長さについて、時間ではなく呼吸で判断するようアドバイスしています。
「たとえばデッドリフトを3回行い、バーを下ろした後、1回深呼吸を行う、といった具合です。その後、もう一度バーを持ち上げます。トレーニングに集中するほど、深い呼吸を行うべきでしょう」とアドバイスをしてくれました。
【2】あらかじめ逆立ち腕立て伏せのフォームを練習しておく
2018年は、逆立ち腕立て伏せに新たな基準が設定されました。
この基準では、身長プラスの前腕の長さの半分の高さにかかとのラインと設定します。フィコウスキ氏が指摘するように、これは身長が低く、前腕が長いアスリートにとってはよりハードな基準です。ですが、適切なフォームを意識すれば誰もがこのクリアできるといいます。
「私は、両手を壁のかなり近くに置きました。また、両手の距離はかなり近くし肘を使って体を伸ばし、体幹には力を入れ続けます。つま先を引き下げるときは、お尻を引き締めます」とポイントを解説してくれたのはフィコウスキ氏。
フィコウスキ氏はレップ数をこなすよりも、フォームの完成に集中することをすすめています。
「重たい重量を上げるときも逆立ちをするときも、しっかりと基準を満たしましょう。これまでよりレップ数が減ってしまったとしても…」と加えて説明してくれました。
【3】逆立ち歩きやベアクロウルまで進んだ場合、残りの力を振り絞りましょう
ダイアンと315ポンドのデッドリフト21回をクリアできた人は、おそらく一流のクロスフィッターでしょう。
とはいえ、50フィートの逆立ち歩きを始めるときは要注意です。「これは間違いなく、これまででもっともハードな逆立ち歩きになるに違いないでしょう。私自身にとっても、そうだったんです」と、フィコウスキ氏は語ってくれました。
(下記で紹介する)簡易版のトレーニングに挑戦している方なら、ベアクロウルまでたどり着く人も多いでしょう。
「息は切れ切れで、体幹や腕はかなり疲労しているはずです。ですが、まだいけると思うなら、とにかく動き、そしてデッドリフトへ戻り、セット間に休憩をとるのです」と…。では皆さん、ぜひトライしてみてください!!
◇トレーニング「18.4」
以下の種目をできるだけ早く行います。※制限時間は、9分です。
・デッドリフト 21回(225ポンド / 102.1kg)
・逆立ち腕立て伏せ 21回
・デッドリフト 15回(225ポンド / 102.1kg)
・逆立ち腕立て伏せ 15回
・デッドリフト 9回(225ポンド / 102.1kg)
・逆立ち腕立て伏せ 9回
・デッドリフト 21回(315ポンド / 142.9kg)
・逆立ち歩き (50フィート / 15.2m)
・デッドリフト 15回(315ポンド / 142.9kg)
・逆立ち歩き (50フィート / 15.2m)
・デッドリフト 9回(315ポンド / 142.9kg)
・逆立ち歩き (50フィート / 15.2m)
◇簡易版トレーニングもご紹介
こちらも制限時間は、9分です。
・デッドリフト 21回(135ポンド / 61.2kg)
・ハンドリリース腕立て伏せ 21回
・デッドリフト 15回(135ポンド / 61.2kg)
・ハンドリリース腕立て伏せ 15回
・デッドリフト 9回(135ポンド / 61.2kg)
・ハンドリリース腕立て伏せ 9回
・デッドリフト 21回(185ポンド / 83.9kg)
・ベアクロウル(50フィート / 15.2m)
・デッドリフト 15回(185ポンド / 83.9kg)
・ベアクロウル(50フィート / 15.2m)
・デッドリフト 9回(185ポンド / 83.9kg)
・ベアクロウル(50フィート / 15.2m)
Sorce / Men's Health
Translation / Wataru Nakamura
※この翻訳は抄訳です。