瞑想と「HIIT(高強度インターバル トレーニング)」とは、直感的には対極にあるものとして捉える方も多いでしょう…。つまり、バーピー(筋力トレーニングや有酸素運動として行われる全身運動)をしていたり、ダンベルでトレーニングをしているとき、人は「心の静けさを保つことについて考えたり」することはないというのが普通の考えですから…。


◇瞑想とは?

 しかし、瞑想に関する下記のふたつの事柄、習うだけの価値はあります。

 
【1】心の落ち着け方
【2】呼吸をコントロールする方法

 実際ニューヨーク市内には、HIITと瞑想を組み合わせた「LIFTED(リフテッド)」と呼ばれる教室を提供しているフィットネススタジオもあり人気クラスのひとつになってります。

 HIITのトレーニング中には、自分の呼吸と、トレーニングのペースをコントロールすることがとても重要となります。瞑想に関する特定の要素を「HIITトレーニング」に採り入れることで、運動のパフォーマンスを改善し、トレーニングによって得られる結果を最大化することが可能なのです。

 「HIIT」とは、体脂肪を減らすと同時に筋肉量を増やし、常に体を「脂肪燃焼モード」にする効果が高い運動法という、「高強度インターバルトレーニング(High-intensity interval training=以下HIIT)」を指します。

  「瞑想では心を集中し、中枢神経系を鎮めるために呼吸が活用されています。つまり、息の仕方を戦略的に制御できれば、人は肉体と心理の両方に対していい影響を及ぼすことができるのです。アスリートがそれと同じ意図で、HIITに瞑想をもち込むことができれば、ペースのコントロールがより上手にできるようになるという訳です」と説明するのは、フィットネス コーチで「Consciously(コンシャスリー)」というサービスの共同創業者でもあるハリー・シャーウッド氏です。

 この「コンシャスリー」では、健康に関する身体的な面だけでなく、精神的な面も補う「瞑想」の実践方法を教えています。

◇瞑想をトレーニングに取り入れている運動選手はパフォーマンスが向上!

瞑想のエクササイズをしているアスリートはパフォーマンスが向上します。

 「運動を始めて間もない方にとっては、激しい筋トレをする際にどういうペースでやればいいのかを知ることは難しいでしょう。このケースでは、正しい呼吸の仕方を覚えることが欠かせません」と、シャーウッド氏は説明します。

 また、「瞑想は、アスリートが自分のパフォーマンスに対し上手に集中できることに、さらには結果を追跡したり、進捗具合を知ることにも役立つのです」と、米国フィットネススタジオ「FIT36」のHIIT公認トレーナーで栄養士でもあるジェシカ・キッド氏は語っています。

 そして、「HIITでは自分を落ち着かせて瞑想状態に至るための集中力と意図が激しい運動の最中に必要とされる」と。


◇瞑想に関する研究結果と効果

 実際この指摘を裏付ける研究結果も報告されています。

 2017年6月に『Journal of Cognitive Enhancement』に発表されたある研究によれば、毎日、瞑想のトレーニングをしているアスリートは、HIITの運動中にパフォーマンスや注意を払うスキルを改善することができたという結果が導き出されています。

 また瞑想を習うことで、呼吸を使ってさまざまな状況で心拍数をコントロールする方法もわかるようになるでしょう。

 呼吸が浅くなっていれば、「もっと深く息を吸うことで、状態を変えることができます。深呼吸すれば、より多くの酸素が細胞や血液に送り込まれ、より多くのエネルギーが生み出されるようになるのです」と、パーソナルトレーナー(CSCS)でリハビリの専門家であるケビン・ベイリー氏は言います。

◇ネガティブな思考を追い払う瞑想の効果

 さらに瞑想は、トレーニング中に浮かんでくる否定的な思いを追い払うことにも役立つ可能性があります。

 否定的な思いを追い払うことができれば、自ら敗北を招くような考えをコントロールして、なにかポジティブなものに転化することが可能になります。

  「HIITをするのは、精神的に非常に苦しいことです。そして、激しい活動をしているときに、自滅的な展開が心に浮かぶのは非常によくあること。ですが心の焦点をコントロールし、自滅的な考えを認識する方法を覚えることができれば、トレーニングの結果を大きく変えることが可能になります」と、シャーウッド氏は言います。

 では、具体的にどうすればマインドフルな瞑想を、HIITに採り入れることができるのでしょうか?

 まずトレーニングの開始前に、瞑想を実践することはすぐにでも可能でしょう。
 
  「筋トレの前に、呼吸に意識を集中させる練習を3分~5分程度やってみましょう。ウォーミングアップやHIITの準備をしながら、ずっと呼吸を意識し続けるようにすることが大切です」と、シャーウッド氏は説明します。

◇効果的な瞑想のやり方【動画あり】

これはyouTubeの内容です。詳細はそちらでご確認いただけます。
MetaHIIT: Upper Body
MetaHIIT: Upper Body thumnail
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 自分の体の状態に合わせてどうするかを決めるようにしましょう! セッション中には、自分がいつでもコントロールする力を取り戻せるということを忘れないように注意しましょう。

 「呼吸をコントロールすることで、自分の状態を自分でコントロールできるということを常に忘れないこと。HIITの最中に壁にぶつかっても、呼吸に意識を集中させ、そのままトレーニングを続けること。時には少しペースを落として、一息つく必要もあるかもしれません」と、シャーウッド氏は言います。
 
 トレーニング後にはストレッチをし、その後は何かに腰掛けて60秒間瞑想しましょう。このとき、自分の中心が定まるように呼吸をし、そしてハードな筋トレをこなせた自分自身に感謝するようにしてくださいね。


From Men's Health
Translation / Hayashi Sakawa
※この翻訳は抄訳です