性行為は普通、快感を与えてくれるものです。ですが、一部の男性には、この行為に「ズキズキした頭痛」という困った副作用が伴うことがあるそうです。

 読者の皆さんの中にも、このような頭痛に悩んでいるという人もいるかもしれません。この症状はそれほど一般的なものではありませんが、メンズヘルスケア関連企業の「ローマン」で働くマイケル・レイターノ医師によれば、人口の約1%の人々がこのような頭痛を経験しており、このうち75%が男性だといいます…。

 このような性行為中の頭痛には、3種類あるとのこと。

 1つ目は比較的軽度の頭痛で、男性が性的に興奮してきたときに起こるものです。この種の頭痛は、首の痛みにつながることもあります。確かに困ったものですが、多くの場合それほど深刻な症状ではありません。 

 前出のレイターノ医師によれば、「人によってはイブプロフェンのような鎮痛剤で痛みが治まることもあるものの、処方薬が必要になる場合もある」そうです。

 また、一般的には血圧の薬と考えられているβ遮断薬(心不全治療薬としても使用されています)が、この頭痛に効くこともあると言います。

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 2つ目の頭痛は「雷鳴頭痛(らいめいずつう)」と呼ばれるものです。この頭痛は、男性がオーガズムに達したときに起こり、その後数時間にわたって続くこともあります。 

 同じくレイターノ医師によれば、この頭痛は通常、1つ目の頭痛より痛みが強く、迅速な治療が必要だそうです。また、稀ながら雷鳴頭痛が脳内出血のような深刻な症状の兆候になっていることもあります。繰り返し起こる雷鳴頭痛は、1つ目の頭痛と同様の薬で緩和できることもあるとのこと。

 レイターノ医師によれば、このような頭痛に苦しむ人のおよそ半数が、運動中にも頭痛を覚えると言います。このことから潜在的な原因を考えると、この頭痛は単に身体活動によって血圧が上昇した結果起こっている可能性があります。実際、性行為も運動と同じように、心拍数が上昇する一種の身体活動ですので…。

 また、統合医療の医師であるビンディヤ・ガンディ氏によれば、性行為中に分泌されるアドレナリンが脳内の血圧を上昇させ、頭痛をもたらしている可能性もあるといい、首の筋肉の収縮が原因になっていることもあるそうです。

 レイターノ医師によれば、「『Sudafed(スーダフェド)』のような鼻炎治療薬として市販されている薬が血流の制限や血管の拡張を引き起こし、頭痛の原因になっている可能性もある」と言っています。

 また、理由については明らかになっていませんが、マリファナや赤ワイン、チーズやその他の食べ物が頭痛の原因になっているという事例証拠もあります。この他、喫煙や飲酒、長時間のデスクワーク、肥満なども頭痛のリスクを向上させる可能性があるでしょう。

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 最後に3つ目の頭痛ですが、これは極めて珍しいものです。レイターノ医師によれば、このような頭痛の症状があるのは、およそ2万人に1人だそうです。

 この種の頭痛は性行為の後に始まり、立ち上がると悪化するもので、痛みの強さについては人によって大きく異なります。この頭痛が起こる人は大抵、脳の被膜が薄く、性行為という身体活動による血圧の上昇で脳脊髄液が漏れ出し、立ち上がったときに脳が下垂してくるのです。そのような行為に及ばなくても、慢性的な頭痛に悩んでいるかもしれません。これを防ぐためには、「手術によって脳脊髄液の漏れを止める必要がある」と診断される場合もあるでしょう。

 もしあなたが性行為中に頭痛を感じるというなら、まずは医者に相談すべきです。その頭痛自体に関しての治療がもちろん必要だからですが、それ以上に、この頭痛はときに脳内出血や動脈の膨張、血餅などの問題を示唆している可能性もあるからなのです。

 また、ガンディ医師によれば、性行為中の頭痛が吐き気や嘔吐のような症状を伴う場合、絶対に医者の診断を受けるべきだと言っています。

「多くの人が、原因となっている性行為をやめれば頭痛が治まるということにはすぐに気づくでしょう。ですが、この頭痛があるからといって、パートナーをつくることを諦めたり、性行為をいつも短く済ます必要はありません。ほとんどの場合は、正しい薬物治療によって治すことができるのです」と、レイターノ医師は説明しています。

From Men's Health
Translation / Wataru Nakamura
※この翻訳は抄訳です。