エドワード・ロテラさんは2013年、交通事故により背中と骨盤を骨折。さらに、眼球が破裂するなどの大怪我を負いました。
EDWARD ROTELLA
《概要》
▶2013年、エドワード・ロテラさんはゾッとするような交通事故により、背中と骨盤を骨折。さらに、眼球破裂の重症を負いました。
▶彼はこの事故で大怪我をしただけでなく、飼っていた子犬も失い、深いうつ状態に陥ったといいます。
▶ロテラさんはその後、運動によって心と体の健康を取り戻し、5年後の現在、かつてないほどたくましい肉体を手に入れました。
2013年のクリスマス1週間前、エドワード・ロテラさんは父親とクルマで帰宅していました。そのときは父親が運転、彼は助手席に乗っていたということです。そして、家族が新たに飼い始めた子犬を膝に乗せていると、いつの間にか眠りに落ちていたということです。
そして、目を覚ました彼が見たものは? それは病院の天井…自分が病院のベッドに横たわっていることに気づいたそうです。ほぼ全身の骨を骨折していた自分に気づいたのでした。
「横から車に突っ込まれたんです」とロテラさん。目を覚ましたときには、全身にひどい痛みがあったそうです。
病院で医者から受けた説明によれば、「彼は第3頚椎から第7頚椎までを骨折していた」と言います。また、背骨の複数箇所も折れていたほか、骨盤は真っ2つになっており、右の眼球は破裂・収縮していたということです。
「右手を顔の前にもち上げたり、つま先を動かしたりしながら、自分の体が麻痺してしまったのか医者に聞いたんです ― 体に麻痺が残らなかったのは、本当に幸運でした」と、ロテラさんは当時を振り返ります。(次ページへ続く)
事故後のロテラさんのクルマ
EDWARD ROTELLA / Rekt Neck Fitness
この事故により、ロテラさんが膝の上に抱いていた子犬も死んでしまいました。事故と大怪我、子犬の死が重なったショックで彼は深いうつ状態に陥り、現在もPTSD(心的外傷後ストレス障害)を抱えているとのこと。しかし、あれから5年が経ち、ロテラさんは最悪の状態からは脱しているようです。そして、そのきっかけとなったのが1つはワークアウトだったということなのです。
ロテラさんは事故から1週間で退院となり、ネックカラーと自家移植した新たな骨、眼帯(彼の右目は完全に失明したわけではないものの、現在は水中を見ているような感覚とのこと)とともに家に戻ってきました。その後、6週間自宅で療養した後、働くことになったロテラさんは、自動車部品店での仕事を始めました。
しかしながら、まだまだリハビリが必要だった彼は、そこでの作業すべてをちょっとしたワークアウトに見立ててこなすようにしたといいます。
「とにかくアクティブに、周りにあるあらゆるものをエクササイズとして取り入れたんです ― よくブレーキーローターを使いました。1つ11kgほどありますから…ちょっと歩いて返ってくるときにも、毎回これを持って運動に使いましたね」とロテラさん。
彼は「毎日1200歩ほど歩いていた」と言います。その効果でしょうか、あれほどの大怪我から1年も経たない段階で、飛躍的な回復をみせたのでした。
事故から8カ月、ロテラさんは仕事中以外での通常のワークアウトを始められるまでに回復しました。
事故の以前は、ストーンホース・ローン・ゴーマン氏のもとでムエタイのトレーニングをしていた彼ですが、大怪我によって、かつてのような動きはできなくなっていました。そこで彼は自宅に小さなジムスペースを作り、父親が昔使っていたトレーニング器具「ボウフレックス(Bowflex)」でワークアウトを始めたのです。(次ページへ続く)
ロテラさんのビフォーアフター
EDWARD ROTELLA / Rekt Neck Fitness
現在、ロテラさんは週に4回、ボウフレックスでのワークアウトを行って毎回1時間ほど汗を流します。この際、彼は日毎に体の異なる筋肉をフォーカスし、動作が崩れて失敗するほどはしないよう体が疲労する程度にしているとのことです。
また、毎日2回はウォーキング(精神面・肉体面両方の健康に良いことが証明されています)に出かけます。そして、このウォーキングにはパートナーがいるそうです。
「新しく犬を飼ったんです。もう大の仲良しですよ」とロテラさん。この犬が彼のパートナーを務めています。「彼女(愛犬)はジャーマンポインターですから、2日に1度は長めの散歩に出て、リスなどのちょっとしたハンティングが必要なんですよ(笑)」。
ウォーキングでは、アンクルウェイトやハンドウェイトをしばしば使うそうです。また、歩くだけでなく、ときには止まって柔軟体操を行うなど、アウトドア活動がマンネリ化しないようにしているとのことです。(次ページへ続く)
「自分の可能性は無限大だと感じています。そう望んでいますから」
EDWARD ROTELLA / Rekt Neck Fitness
また、"メンタルヘルス"についてロテラさんは、「運動に加え、自らの経験を共有することが大きな助けになる」と気づいたと言います。
「自分に起こったことを、胸にしまっておくことなんてできませんから」とロテラさん(彼は自らの肉体の驚くべき進歩を、ソーシャルニュースサイトの「Reddit」に投稿するほどです)。
現在は30歳になったロテラさんですが、こういった賢明の努力により、「間違いなく、自分史上もっともたくましい体になった」と語っています。
「自分の可能性は無限大だと感じています。そう望んでいますから…。以前のように総合格闘技はできませんし、ジェットコースターにも乗れません。ですが夏の間中にはアウトドアを楽しみ、崖から水中にジャンプしたりもできるんです」と、ロテラさんは締めくくります。(次ページへ続く)
自らの体験を話し向き合うロテラさん
EDWARD ROTELLA / Rekt Neck Fitness
現在のロテラさん。その回復ぶりと肉体美には驚きです。自らの体験を話すことで過去と向き合い、前向きに進む彼の姿勢には、学ばせてもらうことがたくさんあります。
From Men's Health
BY STACEY LEASCA
APR 18, 2018
Translation / Wataru Nakamura
※この翻訳は抄訳です。
Edit / Hikaru SATO, Kaz OGAWA