股間やベルトの下腹部分…、両脚の付け根の部分に痛みを感じたことのある男性も多いことでしょう。その原因について解説しましょう。
男性の皆さんの股間(パンツのベルトの下、両脚の間)には、とてもデリケートな部分がたくさんあり、この部分には体の重要な機能が集約されています。つまりは残念なことでもありますが、この部分で故障が生じる可能性だってたくさんあるのです。
次に挙げる6つの痛みは股間で発生する症状のなかでも、一般的なものになります。それぞれの痛みが他の痛みの原因になったり、その解決策になったりする可能性もありますので、ぜひ確認してみてください。
ペニスの先端に痛みを感じるのはなぜ?
《症状》
男性器の先っぽに焼けるような痛みが…、もしくは鋭い痛みを感じる
《原因》
「これは単に微量の石けんあるいはシャンプーが、性器の先端にある開口部から内部に入り込んだ結果である可能性があります。運がよければですが…」と、トバイアス・コーラー医師は言います。コーラー医師は、イリノイ州スプリングフィールドにある「メモリアル・メディカル・センター」で泌尿器科の責任者を務める医師です。
これが原因である場合は、石けんが尿道に入り込むのとほぼ同時に痛みを感じることが多いのですが、逆にオシッコをするまで、なんの違和感も感じないという場合も時にはあるということです。
しかしながら1、2日後も痛みが消えない場合であれば…これは運が悪い場合になりますが、「性的感染症(STI)」にかかっている可能性もあります。
特に緑がかった、もしくは白っぽい尿が出る場合には、その可能性が高いと言えるでしょう。その他、「痛みの原因は腎臓結石である可能性もある」とコーラー医師は説明します。ただしその場合には、男性器の先端の痛み以外に、胃の下のほうにも痛みを感じることが多いそうなので、気をつけてください。
《解決策》
2、3日様子をみましょう。もし痛みが消えたり、軽くなれば何の問題もありません。でも逆に、痛みが消えなかったり悪化するようであれば、医師に診てもらいましょう。
陰嚢(いんのう=睾丸(精巣)を包むコブ状の突出部)が痛いのはなぜ?
《症状》
ウェイトトレーニングをしたり、思い家具を動かしたり、長時間立ち続けたりした後に、鈍くずっしりとした痛みが陰嚢(いんのう=睾丸(精巣)を包むコブ状の突出部)の部分に表れる症状。普通、この痛みは横になったときに治まるものです。
《原因》
精索静脈瘤(せいさくじょうみゃくりゅう=陰嚢のなかの血管が肥大し、睾丸の温度が上がって鈍痛が生じる)が原因です。
「たくさんの男性がこの痛みについて、袋のなかに青虫がいるようだと説明する」とコーラー医師は説明します。陰嚢の血管の肥大による鬱血が、精子とテストステロンを生成する能力を損なわせる可能性があります。
この精索静脈瘤の症状は、病状によって異なります。グレード3の精索静脈瘤はいちばん大きく、いちばん気がつきやすいもので、厚みがありデコボコした感じがする場合もあります。グレード2はグレード3の場合ほどひどくはありませんが、それでもちょっとした違和感は感じるかもしれません。グレード1の場合は、皆さんが気づかないことさえあり得ます。
《解決策》
できるだけ早めに、お医者さんに診てもらってください。ただし、緊急治療室に駆け込む必要はありません。
勃起すると痛いのはなぜ?
《症状》
勃起状態が治まらず、ものすごい痛みも生じる。
《原因》
「勃起不全」に苦しむ男性の多くは、男性器に血液を送り込むことができないから。ですが、勃ちっぱなしは持続勃起症、あるいは勃起中に性器から流れ出る血液が、一方通行に流れた場合に生じる結果であり、そこには痛みが伴います。コーラー医師によれば、健康な勃起の最中には血液は両方に向かって流れるはずだそう。
持続勃起症の結果、男性器の中に閉じ込められた血液は脱酸素化状態となり、それによって痛みが生じるそうです。コーラー医師は、「この症状は普通、バイアグラやシアリスのような勃起不全の治療薬と、コカインやエクスタシーのようなドラッグとを混ぜ合わせている男性に生じる」とのこと。
ですので、治療薬とドラッグをミックスしては絶対に避けるべきです。…と言う前に、ドラッグには決して手を出さぬように! 持続勃起症または勃起不全の治療薬を男性器に直接注射した場合にも、この痛みが生じることがあるとのこと。性器への注射は、やはりおすすめできません…。
「何の理由もなしに、持続勃起症になることもありえますのでご注意ください」と、コーラー医師は付け加えています。
《解決策》
直ちに医師に診てもらうこと!
「睾丸」が痛むのはなぜ?
《症状》
睾丸に生じた鋭い、刺すような痛みが治まらない。また、吐き気がしたり、実際に嘔吐する場合もある。
《原因》
陰嚢(いんのう)の中で。睾丸の片方がねじれて健康な状態を保つのに必要な血液の流れが遮断されいる可能性があります。それで酸素が送り込まれなくなったために、このような症状が起こっている可能性があります。
「簡単に言うと、これは皆さんの睾丸が心臓発作にかかったようなもの…ということになります」と、コーラー医師は説明します。この状態は「睾丸の捻転(ねんてん)」と呼ばれ、「早急に手当てしないと、睾丸の片方を失う可能性もある」とコーラー医師は言います。
睾丸は腹部の中を伸びる「精索(せいさく)」を介して体につながっており、陰嚢の近くに位置しています。精巣が生まれつき、精嚢に固定されていない状態で生まれてくる男性もいます。こちらは、さほど珍しいわけでもないのです。そしてそれが、「睾丸の捻転」の確率を高めるというわけです。
《解決策》
いますぐ緊急治療室へ駆け込みましょう。「捻れた睾丸を2、3時間以内に元に戻さないと、捻れた睾丸を失う可能性がある」と、コーラー医師は言います。
また、ミネソタ大学の泌尿器科医であるジョン・プライアー医師も同意見です。
「4〜6時間以内に捕まえれば、普通は捻れた睾丸を救うことができます。しかし12〜24時間経ってしまうと、おそらく失うことになる可能性が高くなります」と述べています。
陰嚢(いんのう)の先端が痛むのはなぜ?
《症状》
陰嚢(いんのう)の先端部、ペニスの付け根に近いあたりに鈍い痛みがあり、時間がたっても消えない…。この鈍痛が徐々に悪化することもあり、その部分が腫れたり、赤くなったりすることもある。
《原因》
これは「精巣上体炎(精巣上体の感染)」である可能性が高そうです。精巣上体は男性器と睾丸の間にある小さな器官で、コーラー医師によれば「精子が泳ぎ方を覚える間、ここに保存されている」とのことです。
35歳以下の男性では、精巣上体炎はふつう「性的感染症(STI)」によって生じるとのことです。35歳以上の男性では、バクテリアの感染が原因となる場合のほうが多いそうです。
《解決策》
できるだけ早めに医師に相談しましょう。
この痛みが悪化し続けるようでしたら、「睾丸の捻転」である可能性もあります。その場合には、緊急治療を受ける必要があります。
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Source / Men's Health
Translation / Hayashi Sakawa
※この翻訳は抄訳です。