イギリスのハリー王子とメーガン妃が、アメリカ大統領選挙について発言した内容に関する「トランプ大統領 VS メーガン妃」の舌戦や、世界のロイヤルファミリーのゴシップなどが気になって仕方がないというあなた、気をつけたほうがいいかもしれません。
「ゴシップに対する執着が心の健康に悪影響を及ぼし、『うつ病』を招くこともある」という研究結果があるそうです。
◇現役の精神科医が記事を監修
ニューヨーク大学のランゴーン・メディカル・センターでも働く精神科医、スー・ヴァルマ氏いわく、「メーガン妃に関する噂に興味をそそられる分には特に問題ないですが、ケンジントン宮殿のInstagramばかりをチェックして、ロイヤルファミリーを取り巻くゴシップに夢中になると心に闇ができてしまう可能性があります」。
「精神科医の視点からお話すると、ゴシップ夢中になりすぎて、ほかのアクティビティ(活動)に手がつけられなくなったり、自分の考えに柔軟性を見い出せなくなったりするケースが出てきます。子どもと過ごす時間や、パートナーとの会話を楽しむ時間までも犠牲にしてしまうのです」とのこと。
「それに、いくらロイヤルファミリーを想い続けても、片思いに終わってしまうだけですから…。ケンジントン宮殿から発信されるInstagaramの投稿をチェックするときは、常にこれを念頭においてください」と、現実を見つめるよう注意を呼びかけています。
◇パラソーシャル関係(疑似的な対面関係)とは?
「SNS上の面識のない相手や、相互関係を築いていない人たちとの交流を『パラソーシャル(疑似的な対面関係)』と呼びます。要するに、一方通行な人間関係ということになります。ファンタジーの世界で生きている人たちに多く見られ、現実の世界で築く本当の人間関係に支障をきたすことがあるのです」と、ヴァルマ医師は説明します。
パラソーシャルな関係は、セレブや架空の人物に対する憧れからはじまることが多いとのこと。
「例えば、人気ドラマに登場する人物がどんな決断を下すのか、気になって眠れない分には大丈夫ですが、中には役柄の俳優陣の関心をひくためだけに、ドラマに沿った危険な行為を実践する」など、危ない事態を招くこともあるのだと言います。
もちろんほとんどの場合は、そこまで行きすぎた行動に出ることはありません。ですが、セレブへの執着がマイナスのエネルギーを生み出すのは、確実と言えそうです。
「特に寂しいとき、人間はパラソーシャルな関係を築きやすい」と、科学雑誌『サイエンティフィック・アメリカン』には記されています。例えば失恋した後に、ラブコメを観ると気分がすっきりするのは、「『社会集団に属したい』という誰もがもつ欲求を満たしてくれるからなのです」と、ヴァルマ医師は説明しています。
◇精神的なバランスが大切
ただ、パラソーシャルな関係となることを危惧しすぎると、「今度は、実際の人たちとのコミュニケーションがおろそかになってしまう可能性もあります」と、社会科学者たちは警告もしているのです。
ですので、もしも何かセレブのゴシップについて興味があるのなら、友人や家族を一緒に話すのがベストのようです。単純に楽しいですし、心も健康な状態を保つことができますので…。
Source / Marie Claire