今回のインタビューで、スコット・イーストウッドには話をする時間が20分しかありませんでした。その後、彼は飛行機にとび乗って、ロサンゼルスに向かう予定になっていたからです。

 ダビドフの香水「Cool Water(クールウォーター)」のスポークスパーソンを務めながら、『パシフィック・リム: アップライジング』のようなブロックバスター(超大作)映画の宣伝もこなす男にとっては、そんな多忙な生活がここ最近では当たり前になっているようです。

 そんなスコットは、ニューヨークにある「グラマシー・パークホテル」で取材に応じてくれました。

 ですが、そのとき彼はオーストラリアを皮切りに中国・ロンドン・ニューヨークを巡る映画宣伝の世界ツアーの真っ只中。さらにこのツアーからくる時差ボケに加えて、CGIを駆使したスティーヴン・S・デナイト監督の途方もないスペクタクル映画撮影のなかで「巨大怪獣と戦ったことについて」をすでに何百回も話をしてきたことによる体力消耗によって、そのときのスコットは疲れ切っていたはずだったのです。

 しかし、彼がすごいのは本当に疲れを知らないところなのです。

 確かに彼の物腰には、のんびりとした感じがあります。南カリフォルニアの潮風が感じられるような彼の話し方は、父親であるクリント・イーストウッドのカウボーイが唸るようなしゃべり方とはまったく異なります。さらにスコットはモデルの仕事や、巨費を投じてつくられるアクション大作への出演の合間をぬって、ヨガやサーフィンをする時間も楽しんでいるのです。 

 そんな状況でも、疲れを知らないスコット。過酷な旅行のスケジュールにもかかわらず、彼は周囲の人間まで元気にするような特別な種類の活力を発散させています。その活力は、カメラの前で人生を過ごしてきた人間に特有のものではないでしょうか。

instagramView full post on Instagram

 彼は活力の秘訣をこう語っています。「映画の撮影で悪者をやっつけているとき以外は、ジムに通って自分の体をやっつけているだけさ」とスコット。また、「朝日が昇る前に冷水を浴びていること」も活力を維持することに役立っているそうです。

 「たしかに、地上1万メートルのところで人生についての計画を練っていれば、素晴らしい映画俳優としてのキャリアとか、そんなことが頭に浮かぶだろう。だけど、1日という単位で見てみると、人は自分でコントロールできることしかコントロールできないものさ。そして自分の体や健康、スケジュール、習慣は自分でコントロールできるものだよ」と、彼は言います。 

 彼は最近のばし始めた髭に触れながら、「どんなことに取り組むにせよ、体が健康でないと始まらない」と言って、にやりと笑いました。

 スコットにとって、健康は前進するための勢いをつくることから始まります。

 彼は朝5時に起きますが、目覚めるとまず心拍数を上げることにフォーカスします。彼のおすすめは冷水のシャワーを浴びること。「コーヒーを飲むよりも、冷水を浴びるほうがよく目が覚める」と言っています。

 「何かした後に、どのくらい良い気分になるかを知るのが大切」と彼は続けて語ってくれました。 

 「それが心の一番前にあれば、どんなものでもとても簡単にやってのけられる。このジムに来れば、エンドルフィンが溢れてハイになり、やがて代謝がとても活発になるのを感じるようになることを私はわかっているから。体の代謝を変えると、すべてがそれまでより気持ちよく感じられるんだ」と。

 スコットのキャリア全体を説明するのに、これはなかなか悪くないメタファーといえます。

 彼は2008年の映画『グランド・トリノ』に少しだけ登場していましたが、(彼の演技に関する冷水シャワーと言えますが)この経験で俳優の仕事に目覚めた彼は以来、テイラー・スウィフトのミュージックビデオからDCコミックスが原作の映画、そして『ワイルド・スピード』シリーズまで、さまざまな仕事をこなしながら、演技に関する代謝を変え続けてきたのです。そしていま、彼は2018年最大のブロックバスターのひとつとなるでろう作品で主役を演じています。

 スコットは、いろいろなことに精力的に取り組んでいますが、それが可能なのは次のステップに対し、ひとつづつ計画する能力のおかげだと自ら言っています。これは彼自身が子供のころから打ち込んできている、フィットネスを通じて身につけたスキルとのこと。

 「メンタル面の強さを感じることが、その日の次のステップを踏み出すための鍵さ」と彼は言います。「よし、ジム(でのエクササイズ)は済ませた。いま朝の6時だ。さあ、次は何をしようか? そこですでに全開状態になっていれば、次のステップを自分の目の前に並べて迷うこともない。簡単なことさ」と語ってくれました。

 ではさっそく、皆さんも水風呂を用意をしましょう。

◇スコット・イーストウッドが実践する手軽にできるフィットネス

 スコットは映画の宣伝ツアーや1日12時間も続く映画の撮影などスケジュールがパンパンなときこそ、以下のようなエクササイズを行っているそうです。ホテルの部屋や控え室代わりのトレーラーのなかでやるには、打ってつけのエクササイズなのです。

 このなかから4つ、もしくは5つのエクササイズを選んで、7〜8回繰り返すようにします。

  • 懸垂
  • ベンチプレス
  • ショルダー・スクワット
  • ダンベルカール
  • トライセプス・ディップス

 「これなら一石二鳥。有酸素トレーニングにもなるし、体のメンテナンスにもなるから」と、スコットは最後に力強く応えてくれました。

preview for Scott Eastwood | Train Like A Celeb

Source / Men's Health
Translation / Hayashi Sakawa
※この翻訳は抄訳です。