実際どうなの?パイプカット手術をした男性の痛い話【生の声と実情】
あなたの不安が払拭することを願って…。今回の内容は、医学的な見地からの解説ではありません。可能な限りリアルな声を共有したいという思いで、パイプカットを行ったイギリス人男性の後悔なしのリアルな感想をお届けします。
ご存じかと思いますが、日本における避妊方法の第1位はコンドームです。しかしながらコンドームでは、装着方法のミスから起こるリスクもあります(さらに、パートナーの戦略的イタズラの可能性も無きにしも非ずです)。なのでコンドームでは、妊娠の可能性をゼロにすることはできないということが大前提にあります。
そこで今回注目したのが、「パイプカット」です。こちらは男性が行う避妊方法の中でもコンドームや膣外射精などに比べ、段違いの避妊成功率が高い対処法になります。
正式名称は「精管結紮手術(せいかんけっさつしゅじゅつ)」と呼ばれ、文字通り精子が運ばれる精管を切断し、切り離す手術になります。なので、これまで精液に精子が混ざって射精されていたものから、精子が含まれなくなる…というわけなので、避妊の成功率はほぼ100%と言ってもいいでしょう。※ただし、完全なるゼロにはならないようです。約2000人に1人の確率で、妊娠するという調査結果も報告されています。
と言うわけで、「パイプカット」は子育ても終わり、パートナーとの協議で「もう子どもをつくる必要がなくなった」と判断した家庭の男性におすすめとなる、安全で確実な避妊方法になるわけです。
ですが、手術となると…この言葉を聞いただけで、キュッと身(股間)の引き締まる思いを感じながら、不安に駆られる人も多いことでしょう。相談に行った泌尿器科でされる質問も、「鼻水は出ますか?」などと気軽に答えられるような質問でもないでしょうし…。いずれにせよ、あなたの健康と未来を占う大切な質問ではありますが、それが大切な部分のこととなれば、そう簡単にはいかないことしょう…。
それでは、私の体験談を始めます。
あのとき、私の担当医は私の目を見つめながらこう質問してきました、「どうですか? 大丈夫ですか?」と。そして私は、深く息をのむように呼吸をしてこう応えました。「は、はい、あなたが私のボールを切っていることを除けば…だいたい大丈夫かと思います」と。
この会話は、私が手術台の上で担当医を見つめながら横たわっていたときのものです。そうです、まさに「パイプカット」をしたときに聞かれた質問になります。その時間はおよそ4分ほどだったと思いますが、私は「大丈夫です!」などと断言できる状態では全くなかったのは事実でもあります。
約4分のパイプカット、私は全く大丈夫ではない
医学的に言えば、「パイプカット」は精液を運ぶ管である精管に封をすることによって、精液への精子の供給を遮断すること。手術の際には痛みを感じさせないために局所麻酔薬をかけ、その間に医師があなたの大事なボールを着々と工事するわけです。この外科的処置の一般的な手術時間は、10〜30分と言われています。そう、とっても簡単なのです。
…しかし、それは「安易な考え」と言っていいかもしれません。想像してみてください。
あなたの睾丸は、しっかりと実の詰まったグレープフルーツのようなもの。 グレープフルーツ(あなたの大事なボール)は切り開かれ、中身の実(精管)が取り除かれるのです。ドクターはその実から塊(精管)を抜き取り、拷問用具のようにも見えるハンダゴテで焼灼(しょうしゃく=電気や薬品で焼いての治療)するのです。
果汁のみがグレープフルーツから搾り出され、その後、縫って閉じられる…。しかも、あなたのボールは一つではありませんよね。つまり、そのプロセスは2度繰り返されるわけです。おまけにあなたの目はしっかりと起きているので、その光景をライブ中継で確認できるわけです。
まだ話してほしいですか?
私はパニックに陥りやすいタイプで、「そんな方も多いのでは?」と思ったので…あなたのボールにメスが入れられる前に、医学的ではないリアルなところをお話ししたいと思い、この話から始めた次第です。
残念なことに、インターネット上にあるこの手のコンテンツは、あまり参考になる話はありませんでした。あるのは、「手術の翌日には、マラソンへ行きました(愚かな行動、または虚言)」「パイプカットにより、自分が人間ではないと感じるようになった(これもまた愚かな考え)」などです…。
このような状況を鑑みたうえで、私はこれから正直にお話しします。これは私がパイプカット手術を受ける前に求めた疑問に対しての、リアルな答えの数々になります。これらがあなたの不安を払しょくさせ、心を落ち着かせられることができることを願って述べさせていただきます。
でも、それほどのことではありません。それは私の妻が以前話してくれたような…人間ほどの大きさのあるスイカを、体から出すようなものではないのですから。
パイプカットをする価値、ありますか?
あなたはお子さんをお持ちですか? もしお持ちであれば、この避妊方法は価値があると思います。
私は37歳で結婚しており、2人の子どもがいます。健康状態も良好で、妻と私は2人の子どもを授かったことによって自分たちの家族生活に関しては満足しています。キャンドルを灯してロマンチックな夜を過ごしたり、毎日ワインを飲んで過ごすような生活をしているわけではありませんが、命にかかわるような心配など不要のまま、幸せな時間を日々過ごしています。
さらに「パイプカット」からおよそ3カ月後であれば、およそ100%妊娠を防ぐことができるのです(「パイプカット」は修復することも可能で、その場合の妊娠成功率は40〜90%ほどの回復するとのこと)。
精管切除術は痛いですか?
はい、これはひっかけ問題となります。あなたが思っているほど、痛いものではありません(痛さの感じ方には個人差がありますが…)。
本当に感じる唯一の痛みは、最初の麻酔になります。
これはあなたの睾丸を輪ゴムで何度も弾くような痛さに似ています。 私は“ニードルレス注射”をしましたが、その名前であなたを欺くことはできません…なぜなら、この麻酔はエアブラシのようなものから強烈な勢いで噴出するわけですので、「痛さがない」とは言えるものではありません。
人生最大の不快だったかもしれません
手術時、私を襲った深い不快感の一つは吐き気になります。
これはもしかすると、わたしが生きてきた中で一番不快だったかもしれません。これを読んで、「麻酔はしたでしょ?」と思った人も多いでしょう。確かに陰部はすべて、麻酔がかかっていました。でも、睾丸が引っ張られるような感覚と圧迫感、さらに一番多く感じたのは、「ボールを蹴るな!」と叫びたくなるような感覚で襲いかかる腹痛です。
手術がひとたび始まれば、精神を安定させてくれる時間などありませんでした。この話は脚色などもせず、私自身に起こった実体験をリアルにお話ししているだけです。他の人は、どう感じたかどうかはわかりませんが…。
♢そこで私からアドバイス
あなたの医師が、「治療について、詳しく聞きたいですか?」と聞いてきたら、「はい」と応えてください。私は、混みあっていたエレベーターの中でその話をしました。ですがそのおかげで、パニック状態に陥らずに済んだのは事実です。
何かが間違ってそこに入ることは?
はい、あります。
それは外科的処置の問題になりますが、ある程度のリスクはあります。また、主に血腫(睾丸の中の出血)と感染症の可能性もあるのです。
しかし一般的には、パイプカットは安全で効果的だと考えられています。
ですが、それにもかかわらず外科的手術を受ける際の書類には、「出血」「死」「脳卒中」「心臓発作」、そして最悪の場合は「インポテンス」というような言葉が含まれた権利放棄について書かれた紙に、署名する必要に迫られるでしょう。
私の医師の場合は、参考資料の中に「パイプカット」と「前立腺ガン」の関係の不確実さを議論している2015年のハーバード大学の研究資料も含めて、私に渡してきました。その後この研究では、「2つにおける本当に結びつきを示す結果はない」として、その後の研究結果から更新・変更されていますが…全く恐ろしい参考情報を提供してくれたものです…ありがとうございます、先生!
出血してはいけないところからの出血を、懸念しておいたほうがいいでしょう。これから話すことは、適例となるのでしょう。
私の場合は、参考文献をきちんと読まずに手術日の2、3日前に「アセチルサリチル酸」を飲んだのです。これはドイツのバイエル社が名づけた商標名である「アスピリン(独: Aspirin)」としてよく知られている薬品です。
アスピリンは血を薄くします。つまり薄くなった血は凝固しない傾向とあるので、睾丸からの出血を招く原因となる可能性を高めます。私はオペ室でお尻を丸出しにした状態によって、精神的にも手術に向けての準備は整っていました。ですが、予防措置のため、私の血流からアスピリンが完全に抜け切っていることを確認するため、手術は翌日に繰り越しになったのです。
手術に対する不安の対処法はありますか?
一部の泌尿器科の診療所では、あなたの不安を緩和させるのに役立つ「アルプラゾラム」(ベンゾジアゼピン系の短期間作用型抗不安薬および筋弛緩薬)が処方されます。
もしこの薬が処方された場合は、あまり色々考えすぎず、これを飲んで精神を落ち着かせてください。私の病院では、これが処方されませんでした。つまり正直なところ…このことが、私の「パイプカット」事件の中でも最悪の出来事と言ってもいいでしょう。
医学的にも、何人かに聞いた話をもとにしても…何が起こるのかあなたはわかっているはずです。ですが、メンタル面に関しては、どうすれば良いのかは想像もつかないのではないでしょうか? なので、科学的にこれらの考えを落ち着かせるしかありません。薬を飲むことによって、あなたの気持ちははるかに軽くなるでしょうから(それでもひどい経験になるでしょうが…)。
さらに手術を行う前の注意点として、その部屋(オペ室)に置かれているものについて、質問しないほうがいいでしょう。例えば私は、金属板に座らなければいけませんでした。それは何故でしょう?
それは、「精管を焼灼させる間、あなたが感電死しないようにするため…」だそうです。
術後の痛みはどうですか?
もしあなたの子どもが、あなたのボール目がけて飛び乗ってきたとしましょう。その場合は、約1時間もしくはそれ以上の時間にわたって、痛みを感じることになるでしょう。人によっては、数日間その痛みを感じる人もいるようです。
ただし、その痛みは軽度の腹痛のようなもので、一般的には鈍痛と呼ばれる程度のものです。これにはおそらく、鎮痛薬が処方されるはずです。
このときの私の場合は、「コデイン」と「アセトアミノフェン」を3錠処方されました。ですがそれは、ちょっと過度な処方薬であることがわかりました。
私には一般的な薬である「アセトアミノフェン」を単一成分とする解熱鎮痛剤数錠「タイレノール」と、ビール(アルコール)そして休息が最高の特効薬でした。なので、あまり大したことはないということです。
唯一、手術後に私にとって深刻だったことはと言えば…下着の中に縫合された睾丸をみつけてしまったときの気分です。不格好になった睾丸を見れば、あなたもきっと同様の気分になるでしょう。
100%に戻るまでの期間は?
病院では術後10~14日後まで、注意すべき点をいろいろ教えてくれるでしょう。ですが、ケアが必要な期間は人それぞれなのは事実です。
術後の24〜48時間は、ほぼ何もしたくないのは確実と言えるかと思います。私の医師は、「最初の日だけは、睾丸に氷をあてておいてください。その後は必ずシャワーを浴びてくださいね」と言いました。それは決して楽しいことではありません。ですが、それを行ったお陰かもしれません。私は数日後には、ほとんど問題なく歩くことができたのです。そして7日後には、少し痛みも伴ってはいましたが、ランニングを再開することもできましたので…。
毎年3月中旬に差し掛かるころ、全米大学体育協会(NCAA)が主催する大学バスケットボール・トーナメント決勝ラウンドが行われます。このタイミングに合わせ、多くの男性が「パイプカット」を行う男性が増えるという話があります。これは寝転がったままテレビが観ることができるという観点からの、ジョークめいた話ですが…。
とは言え、私の場合はそう落ち着いてテレビを観ることもできず、しかも退屈なので…術後2日間は睾丸を冷やし続けていたのです。それゆえ、痛みも少なかったのかもしれません。また、3日後には、ほとんどすべての日常的な活動を再開することができました。
パートナーとの営みはどうですか?
いまの私はさんざん期待させておきながら、お預けを食ったときのような気分に苛(さいな)まれています。
そして、自分自身の性行為の手順は、少しばかり変化を遂げました。なぜなら、睾丸には縫い跡があるのです。それを見ればどうしても、慎重に扱わざる負えない気分になるのはご理解いただけるかと思います。
私の医師はこう言ってくれました、「準備が整ったら、すぐにでもイってください」と。
そうして術後10日後のこと、私はイッたのです。とてもデリケートな運びとはなりましたが、痛みはありませんでした…。そのときの私自身の気分を正直にお伝えするなら、不安感でいっぱいでした。
「昔の自分に戻れるのは、いったいいつになるか?」という具合に…。もしあなたも「パイプカット」を行えば、(人によって違いますが)これと同じ不安に襲われるに違いありません。
そんなとき、これをフォローしてれるのは、奥さんしかいないのです。きっとロマンチックにキャンドルを部屋に灯し、思い出の曲をかけながら応援してくれるはずです。
そうして一度火が点けば、予想以上に素早く乗り越えることができるでしょう。ぜひとも一緒に頑張ってください。その先には、計画に失敗する確率を最小限にとどめながら、思い切り楽しめるひとときが待っているのですから…。
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Source / Men'sHealth US
Translation / Esquire Digital
※この翻訳は抄訳です。