成功者の秘訣は早起き?「最も生産的な時間の午前4時起床」を試した結果
「ウォールストリートジャーナル」紙が提唱する、「最も生産的な時間」である朝4時に起床する生活を始めたところ、ポジティブな変化を感じるようになりました。
※本記事は米国人記者アリソン・ヤングさんによって、実体験にともなった個人的見解を寄稿しています。
日本語でも、「早起きは三文の徳」という言葉があります。最近では「朝活」という新語もできるほど、朝の時間を充実させることで、1日の満足度を上げる活動をしている人も増えていることはご存知かと思います。
アメリカ人の朝も同様で、実は早いのです。それは仕事に打ち込んでいる人ほど…。代表的には、アップルの現CEOであるティム・クック氏。彼の1日は、毎朝4時半くらいからの社員へのメールから始まるそうです。
実生活を大切にし、しかもナイトライフも充実させているイメージの強いアメリカ人ですが、成功者の多くは朝早くから働く傾向にあるよう。午前7時には多くのビジネスパーソンが、デスクに向かっているというわけです。そんなアメリカのビジネストレンドにさらに拍車をかけようとしているのが、「ウォールストリート・ジャーナル」紙です。
同紙は午前4時を「最も生産的な時間」と呼び、「早起きをすることで注意散漫になる時間を避け、効率的な1日を過ごすことができる」と断言。その信頼性の高さから、徐々にその影響を拡大しているようです。
この研究で起こった魔法と同じことが起きることを祈って、私ことアリソン・ヤングも、いつもの午前6時起床から午前4時起床へと時間を早めました。この2時間の差が自分の1日をどう変え、どう生産性を上げるのでしょうか?
実際に試してみて、発見・体感したことをここでご紹介しましょう。
体内時計を変えるのは容易ではなかった
まず私の最初の難関は、目を覚ましてベッドから出ることでした。
そもそも私の体内時計は、夜明け前に設定されてはいません。それに私は、目覚まし時計を2つセットしなくてはならないほど、朝の弱いの人間。なので、これには“少々”とは言えません。かなりの努力が必要だったのです。
そう、最初の試みは失敗に終わりました。
目覚ましが鳴ってもスヌーズにし、転がって眠りに戻ってたわけです。翌朝、私は2分間隔で3つの目覚ましを設定しました。これなら私のクロノタイプ(1日の中で示す時間的指向性)の裏をかいて、頭の中で遠ざかる体内時計をコントロールできるだろう…と思った次第です。
が、さらに3日連続で失敗したわけです。
そののち、私は無料アプリの「Mathe Alarm Clock」をダウンロードしました。これはアラーム音を消すために、数学の問題を解かなければならないという画期的なアプリです。
これがなかなか…結果は上手くいって、そのアプリは私の中で信頼できる目覚まし時計に任命されたのです。
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結果論ですが…実感として早起きは実に気持ちのいいものです
例えば、7時に寝坊したとします。ベッドから出たときにはすでに、1日が過ぎ去ったような気分になります。
いつもの午前6時に起床しても、目が開いたらすぐに“やらなければならないこと”を考えはじめ、残りの1日は、そのやらなければならないことをこなすことに対し、躍起になって過ごすようになっていました。
それが午前4時に目を覚ますとします。すると、どういうわけか1日が輝いて見えるのです。
始めてすぐに私は、自分にとって実にポジティブなことをしたように感じました。それは1日の残りの時間をもち越しているような…余裕ある気分になるのです。さらに私は自分に優しく、辛辣にならず、気分爽快でいる時間が増えたのでした。
午前4時は、本当にマジカルタイムでした
これまで、私がこの時間に目覚める努力をしたのは飛行機の早朝便で、どうしても出張にいかなくてはならないときだけだったかと思います。
あのときは意識が朦朧(もうろう)としていて、私は自分の置かれている状況に対しての怒りと不満に気を取られすぎていました。早起きの魅力に気づく機会を、そのときは完全に逃していたわけです。
朝の早い時間は、本当に素晴らしいものです。日によって私はベッドでくつろいだり、ベランダでコーヒーをすすりながら、パソコンを開いたりと過ごし方はそれぞれ違います。
上空で鳥たちが鳴き始めるころである、日の出前の早起きを知るまでは、こんなに素晴らしい世界があるとは思ってもいませんでした。空がまだ暗い秘密の世界、沈黙…それは実に素晴らしい時間であり、空気も澄んでいて実に美味しいのです。
あれこれとやらなければいけないというプレッシャーもなく、緊張感もどこにもありません。ただただ、明るい見通しの中で、全体を見渡せすことのできる…まさにボーナスタイムが増えたという感じです。
1日の始まりの準備がゆとりあるものに
そもそも私は、内向的なタイプです。
大勢の人の中にいると、疲れてしまうほうなのです。特に朝起きて、コーヒーを飲むよりも先に済ませたくなるトイレ事情のこととなると、これまた繊細になります(私の子どもたちの事情も含め…)。
普段、子どもの学校がある日の朝は、本当に疲れさせてくれます。朝食→着替え→歯磨きと、目が回るほど走り回っていました。
しかし、早起きを実践してからの朝の時間は、私の秘密の武器となりました。
子どもは寝静まっているため、朝の1人静かなる時間は保証されており、子どもがベッドから出てくるまでにはすでにコーヒーを飲み、メールをチェックするだけに留まらず、返信までこなしても私にはたっぷりと時間があるわけです。
それまでの私の朝はきりきり舞いの日々でした、が、早起きによって、穏やかな朝を迎えることができるようになったわけです。これなら突然の嵐が目の前に舞い降りてきたとしても、冷静に対処することができるでしょう。
他の人よりも早く起きるとより多くのことができる
メール、ツイッタ―、フェイスブック、電話などの通知は絶えず届き、それらを確認するためにはかなりの時間を要します。
朝早く目を覚ますことの一番のメリットは、ある意味、余計な時間とも言えるこの時間を、有効活用できた気分にさせてくれることなのです。
そこから余裕が生まれ、自制心も働くようになる…。この前向きな組み合わせによって、私はかなり多くの事を朝にこなすことができたという安堵も得ることができるわけです。
時計が午前5時半を挿すころには、丸1日分の仕事をこなしたような気分になるときもあるほどです。
スターバックスの代表ミシェル・ガス氏は、朝4時半に目覚ましをかけるそうです。冒頭に登場したアップルCEOのティム・クック氏の起床時間は、3時45分とのこと。さらに俳優のマーク・ウォールバーグも、朝4時10分に毎日起床すると言います。
なので、このことはまんざら私個人だけの意見でもないようですね。皆さんも、ぜひとも試してみてください。
小説家とまではいきませんが、よりクリエイティブに
アイルランドの小説家・劇作家であるエドナ・オブライエン氏は、「インスピレーションの源である無意識に近づくので、午前中に働く」と言っています。
作家のアナイス・ニン氏は、「朝に最高の仕事をした」と言っています。このような考えを持っていたのは彼女一人ではありません。小説家のカート・ヴォネガット氏や、作家トニ・モリスン氏も同様で、夜明け前に書いていたというのです。
ある種私は、「これらの鬼才小説家たちと同じなんだ…」と、少々誇らしく思ったりもしました。
朝の魔法が、私を小説家へと変身させてくれたというわけではありませんが、やるべきことを早く完了させることは1日を通して、より創造的な発見へと自分を導いてくれるパワーを宿しているということを教えてくれました。
夜の時間を無駄にしないようになった
皆さんも、きっと心当たりはあることでしょう。
罪を犯すのは、夜の時間と決まっているのです。そういう私も、多くの失態を夜に繰り返してきました。例えば深酒や爆買い、それに爆食いや夜更かしといったことを…。
そんな私もいまでは本とともにベッドに入り、午後9時には消灯しているわけです。皆さんも、この素晴らしい日々を迎えてはいかがですか!?
From POPULAR MECHANICS
Translation / Esquire digital
※この翻訳は抄訳です。