日本時間の7月28日(土)未明、火星が「衝」を迎え、今年2度目の皆既月食も起きると言われている。

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BABAK TAFRESHI

 MARS OPPOSITION

 最近、夜空に大きく輝く赤い星を見つけた人も多いのではないでしょうか? 実はそれ、火星です。しかも、15年ぶりの地球大接近が近づいているからなのです。

 つまり火星の「衝(しょう)」が目前に迫っているからなのです。日本時間の2018年7月28日(土)未明、太陽・地球・火星の順で一直線に並ぶ模様です。そして火星は7月7日から9月7日の2カ月間、木星(金星の次に輝いている星)よりも光って見えることに…。その期間内で最も明るく見える日が、「2018年7月28日だ!」と天文情報サイト『アーススカイ』は予想しているのです。

 アメリカ航空宇宙局(NASA)曰く、「火星は2年2カ月ごとに地球に接近しているが、今回のような大接近は15年から17年に1度ほど。火星が近日点(太陽に最も近い位置)にあるため、地球から観測してもひときわ明るく見える」とのこと。ちなみに、最後に火星が地球に大接近したのは2003年で、そのときはなんと6万年ぶりの記録的な輝きを放っていたのです。

 今回は2003年ほどの明るさにはならないと予想されていますが、それに近いものは見ることができるようです。

 それはなぜか? 太陽と地球と火星が一直線に並んだとき、火星は真っ正面から太陽の光に照らされるためだとか…。ただ、地球の軌道は円形であるのに対し、火星の軌道は楕円形であるため、「衝」を迎える位置によって、地球と火星との距離は違うのです…前回は5576万キロメートルまで接近したのに対し、今回は5761万キロメートルまで火星が近づいていると『Space.com』は報道しています。

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 さらに驚くべきことに2018年7月28日には、103分間にわたる皆既月食も起きると報じられています。

 103分間という長さは、21世紀史上最も長いのです。しかも、それを観測できるのはオーストラリア、アジア、アフリカ、ヨーロッパ、南アメリカだけ。そのほかの国では、満月と明るく光る火星、そして土星のみが見られるそうです。
  

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2018年1月、NYで観測されたブラッドムーン。Getty Images

  
 ご存じの通り皆既月食は、地球の影の中を月が通過するときに見られる現象で、満月が赤胴色に見えるため「ブラッドムーン」とも呼ばれています。これが起きるのは、今年2度目になります。

 次に火星が地球に大接近するのは、オリンピック後の2020年10月6日。ただし、そのときに皆既月食が見られるとは限りません…。そうです、火星と皆既月食の両方が見ることができるのは、これが一生に一度のチャンスかもしれないのです。

 皆さんぜひとも、2018年7月28日の火星の「衝」(ショー)に興じてください!

From Popular Mechanics
Photograph / Babak Tafreshi, Getty Images
Translation / Reiko Kuwabara