クシャミに対して嫌な顔を見せる…そんな潔癖症の方へ、今回、ぜひとも知ってほしいことになります。
クシャミをしたくなったら、 遠慮してはいけません…。
これまでに、強力なクシャミを我慢しようとしたことがあるすべての皆さんへ。
我慢してはいけません…隣にウルサイ顔を見せる上司がいる…そんなの関係ありません。そこには自身の生命にもかかわる、重要な理由があるのですから…。
先日、「BMJ Case Reports」に掲載された「パチッ、ボキッ、ポンッ!("Snap, crackle and pop")」と題するレポートには、クシャミをこらえようとして7日間も入院することになった、ある男性の冒険譚(ぼうけんだん)が綴られていました。
英国に住む34歳のこの健康な男性は、鼻をつまみ、同時に口を閉じて、強力なクシャミをこらえようとしました。しかし、それが裏目に出て、首の部分で何かがはじけるような感覚が走り、さらに痛みや腫れも生じました。この男性が病院の診療台に上がったときには、何かを飲み込むことも話をすることも困難な状態になっていたそうです。
救急救命室で撮られた男性のレントゲン写真には、クシャミのせいで圧力が高まった空気が、気管を抜けて、咽頭部の軟部組織を引き裂いていた様子が映し出されていました。
同レポートによると、何かがはじける音は、空気の泡が裂け目(破裂箇所)を通って、首の部分の軟部組織に流れ込んだ結果生じたものだったそうです。
男性は細菌などに感染するリスクが高かったことから、栄養補給用のチューブを装着され、1週間も入院させられた後でようやく解放されましたが、退院時には「クシャミが出そうな時には、両方の鼻の穴をふさいだりしないように…」という注意を受けたとのことです。(次ページへつづく)
キャサリン妃も遠慮なくクシャミをしています。
この男性の例が、クシャミで生じた最悪のケースであることは言うまでもありません。
人が喉を痛めることは珍しくありませんが、クシャミが原因でというのは滅多にないことです(激しい咳や筋肉痛、それに嘔吐で喉を痛めることのほうがはるかに多くあります)。
写真:キャサリン妃も、大事なセレモニー中でさえ遠慮なくクシャミをしていましたし…。Photograph/ Getty Images
また、「鼻孔と口を閉じて、クシャミをこらえようとするのは危険な行為であり、避けるべき」と、このレポートをまとめた人たちは注意を促しています。
そうすることで、「軟部組織を傷つけたり、場合によっては脳の動脈瘤を傷つけることもあり得るから」というのが、その理由となります(滅多にないことですが、脳の動脈瘤が破れれば死に至ることもあり得ます)。
クシャミを堪えようとして、その過程で自分の喉を引き裂いたこの英国男性の例は、医学分野の驚くべき実例となりました。が、彼と同じくらい運が悪くなければ、読者の皆さんが彼のようになれるわけもなく、せいぜい軟部組織を痛めておしまい…というところでしょう。
By Sarah Rense on January 17, 2018
Photos by Getty Images
ESQUIRE US 原文(English)
TRANSLATION BY Hayashi Sakawa
※この翻訳は抄訳です。
編集者:山野井 俊