ここまで妻を愛し続けられますか? そして彼は、それをやってのけたのでした!

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Courtesy of Twitter@fox32news

 Man Who Walked Miles in Search of Kidneyfor His Wife Found a Donor.

 この感動的なニュースを知ったのは、2017年10月20日に投稿されたシカゴのローカル局「Fox 32」のツイートから。

 そこには、ある老紳士が、サンドウィッチマン(昭和の広告宣伝手法のひとつ)のように路傍に佇んでいる画像が添付されています。しかし「佇む」と言っても、彼は決して「しょんぼり」と力なく立ちすくんでいるわけではないのです。彼に目はキリリと意志が宿り、キラリと輝いているようにも見えたのです…。 

 その光に肩を押され、コメント「TRUE LOVE: 74-year-old man walks for miles in search of kidney donor for wife(真実の愛:74歳の老紳士は、妻のために腎臓ドナーを探して何マイルも歩く)」の後にあったテキストリンクをクリックする人も多かったことでしょう。その先に、素晴らしい何かが待っていると直感し、すかさずその記事へ飛びたくなったはずです。

「愛する人のためなら、たとえ火の中水の中、草の中森の中、土の中雲の中…(その先は歌えません)、地の果てだってなんのその」という言い回しは、映画やドラマの主題(昭和的かもしれませんが…)にもなるほど、よく聞くことです。ですが、本当にそれを実行できる人はいるのでしょうか? あなたはいかがですか?? 

 でも、ここに実存していたのです…このような愛に満ち溢れた行動を実施している人物が、このクリックの先に待っていたのです。それはアメリカ・ユタ州在住のウェイン・ウィンターズさん。当時74歳です。

 そして記事には、「最近ウェインさんは毎日、自身の家の近くの通りを歩き、妻のディアンさんのために腎臓をのドナーを探しています。「Need kidney 4 wife(妻のために腎臓を)」というメッセージと奥さんの血液型Aマイナス、それに連絡先を書いたサンドイッチマン風の看板を下げながら…」という内容でした。(次ページへつづく)

ウェインさんがお手本にした、
ラリーさんのニュース動画をご覧ください!

これはxの内容です。詳細はそちらでご確認いただけます。


「まぁ、もっと速く歩くことができればねぇ、もっと遠くまでいけるのだけれどぉ…」と、ウェインさんは「Fox 32」に語りました。さらに…「妻の腎臓ドナーを見つけたくてね。ステージ5(最重症)の腎不全なんだよ。彼女はいま人工透析を受けているんだけど、『辛い』って言うんだ。それが不憫(ふびん)でね…何とかしてあげたいんだよ」とのこと。  

 
 そしてウェインさんは、「これにはちゃんとお手本があってね…」と正直に明かしてくれたのです。 


 そのお手本となったのが、ラリー・スウィリングさん。彼は2012年に妻のジミー・スーさんのため、看板を下げてドナーを探し回ったことで話題となった人物です。妻のジミーさんは生まれつき1つしか腎臓がなく、その1つの腎臓も、年とともに機能が悪化していったようです。そして腎臓移植が最善の策となったとき、ドナー探しのためラリーさんはこの方策を実行したのでした。

 ちなみにそれを実行に移した日、外は華氏94度(摂氏34.4度)の暑さだったということ。その日の様子を、アメリカの「ABC News」がYoutube動画として公開していますので、ご覧ください。 
   

これはyouTubeの内容です。詳細はそちらでご確認いただけます。
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 このラリーさんの努力は報われ、妻のジミーさんに相応しいドナーは見つけることができました。そして、2013年9月11日に新しい腎臓を手にいれることができたのです。しかし残念なことに、ジミーさんは2017年2月、パーキンソン病の合併症によって亡くなってしまったのです

 
 大切な妻は他界してしまいましたが、ラリーさんのこの行動は全米の心を打ち、語り継がれることになったのです。そして、その行動は時を経て受け継がれたのでした…そう、ウェインさんは、このラリーさんと同様のことを26年連れ添ってきた妻のためにしてあげたいと思い立った…そして早速、それを行動に移したのでした。(次ページへつづく)

そして、状況は好転しました。

これはyouTubeの内容です。詳細はそちらでご確認いただけます。

 2017年11月の上旬になります。 財団から吉報が届いたそうです。そのことは2017年11月7日に、「People.com」が記事として公開しています。 

 そこには、「移植のウェイティングリストに登録して2年の月日が経ちましたが、とうとう『ディアンさんに適合するドナーが見つかった』と連絡が入った」という内容でした。そしてウェインさんの声、「あまりの喜びに言葉も出ません」と言うコメントも…。

 結果的には、ウェインさんの行動は無に終わったようにも思えます…。

 ですが、それは間違いです。ウェインさんがこの方策を実行して以来、彼は国中から多くのサポートを得ることができたのです。看板に綴られた番号の携帯電話には、なんと700~800件の着信が入ったそうなのです。これは単なる着信音としてではなく、そして単なる会話ではなかったことでしょう。それらは力強く、ウェインさんディアンさん夫妻を勇気づける言霊となったに違いないのです。さらに、「この活動はアメリカ国民を動かした」といっても過言ではないでしょう。  

 そしてなにより、さらなるパワーを得たのがウェインさんだったのです。 

 彼はさらなる力強い歩みで、この活動に対し勢力的な意志を示しているのでした。彼は妻のドナーが見つかったからといって、この活動に終止符を打つわけではないとのこと。そう、彼の下げた看板の裏に書かれた文字のために…。そこには、「ユタ州とアイダホ州では、合計1000もの腎臓が必要なんです」と記したときの思いを再び心に刻んだようです。  

 あらゆる臓器移植において、その当該のドナーを待つリストに名を連ねる数はどれも非常に多く、ユタ州アイダホ州の腎臓財団によれば、現リストには他の臓器も合わせ9万7000人以上もの人が掲載されているとのこと。

 そんなウェインさんは今後、このリスト待ちするすべての人のために活動を継続していくということなのです。そんなウェインさんは、このドナーを求める自身の活動を「“自分が生きていく上での使命”として続ける」と言っています。

 歩みは遅しかもしれません。ですがウェインさんは、1人でも多くの人にドナーが見つかるよう、以前にも増して一歩一歩力強く、繁華街を歩き続けることでしょう。そして、より多くの人に訴えかけ、妻ディアンさんとともに自身が味わったこの上のない喜びを共有ていくに違いありません。

By Samantha Brodsky on Nov. 08, 2017
GOOD HOUSEKEEPING 原文(English)

Photos by Twitter@fox32news TRANSLATION BY Kaz Ogawa ※この翻訳は抄訳です。
編集者 / 小川和繁