失恋した男性の悩みを元に、
失恋から立ち直る方法を
Esquireが伝授いたします!
How To Deal With Heartbreak
日々、変化を続ける世界を生き抜いていくのは、至難の技と言えることでしょう。今週または近い将来で、あなたを不安にさせるようなものを、現在抱えていませんか? ただ、日常を生きているだけでも様々な苦痛が、日々降りかかってくることでしょう。そこで、それらを最小限に抑えるお手伝いをいたしましょう。
今回は恋愛に関して。ある1人の男性の悩みを、恋愛事情に詳しいコラムニストであるデイヴ・ホームズ氏が答えてくれます。
===============
デイヴへ
新年早々に振られちゃいました。素敵な10カ月を過ごせたと感じていたのに…。
自分が永遠に間抜けな男になってしまうような気がしているよ。失恋は今までにも経験はあるし、そのときはいつも、すぐに立ち直って日常に戻ることができたけれど、いままでは…。でも、今回は違うだ。本当に惨め…、立ち直れる気がしないんだ。
友人たちは「そのうち楽になる、時間が解決してくれるよ」と言うけれど、彼らでさえも僕に対する忍耐を失いつつあるくらいさ。吹っ切ってしまうべきだというのは分かっているし、そうしたいと思っている。でも、でも…どうすればそれができるのだろう?
-ケビン・W、ミネソタ州セントポールより
===============
おお、友よ。フラれるという事態は、最悪の出来事ですね。不安定な状態から、さらに不安は募るような悲しい出来事ですよね。居心地の良かった2人だけの世界から、突然引き離され、シベリアのど真ん中に置き去りにされたような気持ちであることでしょう。何を見ても君の人生から去って行ったその娘を思い出すだろうし、どんな曲を聴いても自分のことを歌っているような気がするでしょう。
それは最も厳しい“拒絶”であり、そして、一番パーソナルな部分、まさに心に突き刺さるような思いを感じる瞬間ですね。彼女は君のことをじっくりと観察し、そして、持続的に見つめてきた結果として、その最悪の決断をしたことを意味するのですから、それはもう…。これを瞬時に乗り切れる人がいるなら、まさにミラクルです。
そんな悩みなんて大したことはない。
Photograph/Christian Ohde(McPhoto/ullstein bild via Getty Images)
しかしながら、人はそれを乗り越えるのです。地球上のみんながそうしてきたようにね。高校から付き合ってきて、そのまま結婚できた人なんて稀なのです。あなたは、そんな希少な人たちに会ったことがありますか? 「1度も振られたことがない」なんて言う人と話をしたことはあるりますか? 人と話をしていて、上の空のような感覚をもったことはあるりますか?
そうです、あなたは正しいのです。失恋の痛みは、完全な人間として生きるために、僕らが払わなければならない恐ろしい代償のようなものなのです。しかし、この痛みを悪化させるものが存在するから厄介なのです。それは何か? それは自分自身対して、「すぐに立ち直らなくちゃ」と思うプレッシャーなのです。
そんなときは、自分が駐車場で迷子になった子供のような気持ちになって、こう思えばいいのです。
「ちょっと待てよ、パンキー・ブリュースター(Punky Brewster、80年代のTV番組)のお話みたいじゃないか。彼女は迷子になっても、立派に乗り切っていった。俺の悩みなんて大したことないぜ!」ってね。ここでのテーマはもちろん、パートナーがいないことが不適切だと感じてしまうバレンタインデーに関する話になりますが…。でも、あなたの気持ちはよ~くわかります。
悲しいときは、悲しめるだけ悲しもう
1つ、絶対に経験しなければならないことがあります。それは傷つくことです。そうです、すべての痛みを感じることです。まずは、アデルを思い浮かべてください。そして彼女に寄り添うのです。必要ならば泣いたっていい…。
相談役になってくれる友達を指名して、そのまま話し込めばいいのです。その代り、あとでディナーの埋め合わせは必要ですよ(笑)。これらが、あなたが差し当たってすべきことです。そして、一貫して言えることは、これらに対して批判的にはなってはいけないということ…。
深く激しい苦しみのすべてを吐き出せば、あなたは友達からさまざまなことを言われるでしょう。時にははっきりと、また時には、優しさというベールに包まれた言葉から、あなたは本当のメッセージを発掘するのです。
その際あなたは「自分は傷ついていないふりをするべきだ」、というプレッシャーを感じるかもしれません。また、「男だろ、しっかりしろよ」と叱咤する友達もいるかもしれません。でも、そんなことは聞かなくていいのです。この最悪の状況から抜け出せる糸口は、あなた自身の中にしかないのですから…。さあ、悲しむだけ悲しんだあとに、すっきりとこの状況からより自力で立ち上がりましょう。
でも、それは今のこの状況を切り抜けたらの話です。自分を誤魔化し、中途半端のその状況を避けていては、永遠に苦しく、ビクビクと過ごすばかりになるでしょう。人が惨めな感情ばかりになると、結果として感情を表に出さないようポーカーフェイスになるのです。つまり、現トランプ政権下における政策補佐官ステファン・ミラー氏を思い浮かべてください。彼が自分の状況を悲しいと認めとき、世の中はどれだけ良くなることでしょう…。アブラカタブラ!(こちらはSteve millerのほうでした…)。
炎が消え、新たな炎の気配を感じる。
Photigraph/Ed Compean(Getty Images)
自分の傷を癒している間、何が起きたかについて自分の視点を変えられるよう時間を作ってみましょう。フラれるとき、人は直感的に自分を問いただすものです。何が間違っていたのか? 自分の何が足りなかったのか? と。
でも、こう考えてみてはどうでしょう。人間関係というものは、他人が存在してこそ成り立つのです。そして時に、その人と人の間に“炎”が灯るのです。でも、その炎は一人のものではありません。あなたの要素が少し、そして相手の要素が少し、残りは自分でもコントロールもつかない、つかみどころのない要素から灯っていますのです。
それは情熱であり相性であり、心地良さという相互の心と心から形成される未知なる力なのです。これらは、その当事者同士が選ぶものではなくて、実際にはその当事者の間にただ自然と誕生したエスプリのようなものなのです。その炎の度合もマチマチで、セックスをすることはどうしても想像できないけど、とても魅力的でチャーミングな人だ!という仄かな炎も灯ったりするのです。
そんな炎を消すために、私たちができることは何でしょうか? バースデーケーキの上のロウソクをイメージしてください。フッと思い切り空気を吹き込めば、火は消えるものなのです。また、放置したままだって時間がくれば消えるものなのです。
そして人には、炎が消えたことを認識できる知恵があります。また、そうなったときに、相手を自由にさせる優しさだってある…。
つまり言いたいことは、原因はあなたにあるのではないということです。そして、相手にあるわけでもありません。ただ、ただ、炎が消えてしまっただけなのです。もちろん悲しいことには変わらないし、嘆きたくもなるでしょう。でも、自分を責め立てる必要などないのではないでしょうか。ただ、炎が消えただけなのです…。そして、それは次なる炎への準備でもあるのです。
実はラッキーなのかもしれません。
1979年公開のアメリカ映画『The Electric Horseman』。シドニー・ポラック監督作品で、主演はロバート・レッドフォード、ヒロイン役はジェーン・フォンダ。邦題は『出逢い』です。Photograph/Sunset Boulevard(Corbis via Getty Images)
人には、炎が消えたと分かる知恵があるし、そうなった時に相手を自由にさせる優しさだってあるのです。
そして、ここで朗報です。この知恵や優しさがあれば、人間関係が一体どんなもので、またそれを良いタイミングで潔く終わらせることが、何なのかが理解できるでしょう。ただし、これは幾つかの苦しみを経験してこそできる、いわばスペシャルプレーなのです。そして、あなたはたった今そのスペシャルプレーのプレーブックを獲得したのです。そのうちあなたは、この知恵と優しさを重ねたことを嬉しく思う日がきっと来るはずです。
これは、単純に終わった人間関係についてのことだけではありません。
あなたと自分自身の関係につながるのです。そして、自分自身に優しくなってください。あなたは、“オプティマイズ(最適化)”されようとしているのです。時を経て、やがて新しいあなたは、そんなあなたにぴったりのパートナーと出会うことでしょう。これまでに経験したことのない、強い炎で温められる可能性を手にしたのです。自分がなんてラッキーな男だって、思いませんか? 思っていなかったら、ぜひ思ってください!
By Esquire Editor on February 14, 2017
Photos by Esquire UK
ESQUIRE UK 原文(English)
TRANSLATION BY Spring Hill, MEN'S +
※この翻訳は抄訳です。
編集者:山野井 俊