世論調査会社YouGov.Usが近頃とても興味深いアンケート結果を発表し、物議を醸しました。その内容とは、「ロボットとの性行為に関するアメリカ人男女の意識調査」になります。

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映画『EX_MACHINA(エクス・マキナ)』(2015年)より。右はアリシア・ヴィキャンデル演じる主役のガイノイド(女性型ヒューマノイド)「エイヴァ」。左はソノヤ・ミズノ演じる研究施設のハウスメイド「キョウコ」。Photograph / Everett Collection(Aflo)


Domo Arigato,
Mr. & Mis. Roboto

 もし、自分に自信のある女性なら、このことによってショックは受けないはずです…。男性の皆さんにとっては…複雑な思いがありながらも、若干の期待を感じている方が少なくないはず(笑)。

 この調査では、男性の場合は4人に1人の割合で「ロボットとの性行為におよんでもよし」という回答となりました。ちなみに女性は10人に1人未満。ストレートな男性としては、ちょっと安心している方も多いかと思いますが、その他の方はちょっと複雑な思いかもしれませんね、ロボットと××なんて…。

 しかし、時代に乗り遅れないためにも、近い将来起こりうるこのことに関して、周りの人がどう考えているのかを知ること、そしてそれを共有することも大切ではないでしょうか。いまや「性」の分野においても、テクノロジーの発達による“革新”が起ころうとしているのは確かなこと。皆さんはどうお考えになっていますでしょうか。まずは、こちらの動画をご覧ください。
 

これはyouTubeの内容です。詳細はそちらでご確認いただけます。
 thumnail
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 この美女の名前は「サマンサ」。スペイン・バルセロナ出身のエンジニア、セルジ・サントス氏が開発したラブドールであり、2017年9月にはオーストリアで開催された「Ars Electronica Festival(アルス・エレクトロニカ・フェスティバル) 2017」に出展されました。 

 このサマンサはAI(人工知能)が搭載されており、性的な誘いの言葉に対して答えるという機能をもっています。その答えを聞く前から、彼女のセクシーさに翻弄されている方も少なくないでしょう…。しかし、実は、このフェスティバルでサマンサは、来場者による乱暴な対応によって壊されてしまったのです。ニュースにもなっていたので、ご存じの方もいるかと思います。

 現場では来場者たちがサマンサの胸や足、腕に乗って、はしゃいでいた模様です。対面しての恥ずかしさを誤魔化すためでしょうか…。そして指が2本取れてしなうということに。彼女のボディはかなり傷つけられたとのことです。ですが、AIのほうは無事だったということで、大きな損害はなかったようです。

 「デイリースター」に、取材記事が掲載されています。「サントス氏が彼女に『ご機嫌いかが?』と話しかけると、彼女は『ええ、元気よ』と答えた」ということ、複雑な思いが残る回答となっています。 

 しかし、開発者のサントス氏の心はどうでしょう。サマンサ以上に痛く傷つけられたことは間違えありません。決して、サントス氏自身は「ああ、元気だよ」とは答えられないはずです…。

ロボットとの性行為は、「浮気」なのか「自慰」なのか?

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アントン・ブルゼジンスキーの作品より「Robot Lady」。Photograph /Forrest J. Ackerman Collection(CORBIS/Corbis via Getty Images)

 
 YouGov.Usが行った調査の話に戻りましょう。

 この調査で、アメリカ人のロボットとの性行為に対するイメージが明らかになったわけですが、もう少し奥に入ってみますと…「パートナーがそういった行為に及んだ場合、どう思うか?」の質問に対して、男性は「ロボットとの性行為は“浮気”とはみなさい」と考える人が多い一方で、女性のほうは「ロボットであろうと“浮気”である」と考える方が多いという結果に。

 また、「ロボットとの性行為をどうとらえるか?」という問いに対しては、14%の人が「性行為」と考え、33%が「自慰行為」、27%は「どちらとも言えない」と回答。おそらくほとんどの方が、人間の見た目をしたロボットを想像しているのかもしれませんが、もしそれが人間のように動くことのない単なるラブドールであったなら、この数字はきっと違っていたでしょう。

 「今後50年で、ロボットとの性行為が一般的になるか?」という問いに対しては、「一般的になる」と考えている人が49%に対し、残りの51%の人たちは男女ともに「モラルに欠けている」と回答していました。

 さらに興味深いことに、「あまり深く知らない人と性的な関係をもつよりも安全だ」と考えたのは、男性が49%に対して女性は36%だったのです…。 

 
 テクノロジーの進化というものは、倫理上の問題に至るまで、実にさまざまなことを考えさせてくれるものです。さらにその先、映画『EX_MACHINA(エクス・マキナ)』(2015年)のようなことストーリーもありうるので…。

By Carina Hsieh Oct 11, 2017
Cosmopolitan(原文:English)
Photos by Aflo
TRANSLATION by Mirei Uchihori, Kazu OGAWA
※この翻訳は抄訳です。
編集者:小川和繁