「男性に気持ち良くなってもらおうと、女性たちはいつだって考えている」という事実を思うと、実に皮肉です。
男性をオーガズムへと導くのは、素晴らしい気分です。まるで金メダルをとったような気持ちになります。こうすれば気持ち良く感じてもらえるはずだという思い込みだけで行為に臨むのではなく、「何をすれば相手が感じるのだろう?」と、女性は見極めようとするのです。
「ねえ、これ気持ちいい?」と相手があなたにたずねるのは、ポルノ女優をマネてそう言っているのではありません。
私たちは、どうすれば男性が気持ちよくなってくれるのか、それを知りたいのです。どうすれば男性をイかせられるか、私たち女性はそのことを実際に気にかけているのです。
私だって心の底では、男性方の多くが同じように思ってくれていることを知っています。だけど、1度ことが終わって仰向けになった途端、「どう? 良かった?」などと尋ねるのは、そのためのコミュニケーションとしては最悪なのです。
それはむしろ、「おまえだって楽しんだだろ? まあ、やってる間はそんなこと俺はあまり考えもしなかったけどね…」と言っているようなものなのです。
それはまるで、重い買い物袋を両手に提げて汗を流し、息を切らせて帰ってきたママが、やっとその荷物を部屋の隅におろした後になってから、「なにか手伝うことある?」と尋ねるようなものなのですから…。