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2017年9月9日(土)に福井県営陸上競技場で行われた第86回日本学生陸上競技対校選手権大会(2日目)において、東洋大学4年生の桐生祥秀選手が待望の記録を更新しました!
 

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 桐生祥秀選手は、大会2日目に行われた男子100メートル競走で、日本人初となる9秒台をマーク! 追い風1.8メートルのなかでの決勝。場内8千人の観客が騒然となる9秒98を叩きだし、1着でゴールしました。ちなみにライバルである関西学院大学の多田修平選手は、10秒07の自己ベストで2位でした。

 これはもちろん日本新記録。それまでの記録は現在、日本陸上競技連盟強化委員会短距離部長も務める伊東浩司氏が、1998年に出した10秒00。この記録を19年ぶりに更新したことになります。

 桐生選手は高校時代(京都府・私立洛南高校)に10秒01をマークして以来、日本陸上界の救世主として注目され続けていました。

 彼の活躍によって、それまでスポーツ界ではマイナーであった「陸上競技」にさらなる光が当たり、多くの陸上選手がモチベーションをアップしていったに違いありません。そして、多くの選手たちがさらなる研鑚を重ね、世界で通用するレベルまで手が届くまでに至ったのではないでしょうか。 

 特に短距離界では…男子4×100mリレーは2016年のリオ五輪で銀メダル獲得、2017年8月の世界陸上ロンドンでも銅メダルを獲得するという偉業を成し遂げています。これもすべて、桐生選手の活躍がトリガーになったと言っても過言ではないでしょう。

 ただし、実は今季の桐生選手自身は苦悩の日々が続いていたようです。6月の日本選手権決勝では10秒26で4位に終わり、8月に開催された世界陸上ロンドンではリレーの代表でありましたが、肝心の100メートルでは代表を逃していたのです。

 それだけにこの9秒台という大記録にいちばん喜んでいるのは、桐生選手に違いありません。好調の頃ならこの記録を、きっと「当たり前」で終わらせていたことでしょう。「これは単なる通過点ですから…」などとコメントがしながら…。しかし、いわゆるスランプに陥っていた桐生選手。今回の記録は、自身にとっても「待望」だったはず。それはまさに、どんよりとした雲間から差す「天使のはしご」のよう。これをステップに、世界のトップレベル(ファイナリスト)へと駆け上がってほしいものです。

 この日のレースは、東洋大学のユニフォームを着て走る最後のレースでもありました。そして日にちは、平成29年9月9日。現在もっているすべてのパフォーマンスを出しきって、究極の9秒台を出した桐生選手。「おめでとう!」、そして日本人でも短距離で世界に通用することを再確認させてくれて「ありがとう!」と、祝福の声を贈りましょう!

 ちなみに9秒台を出したのは、桐生選手が世界で126人目になるそうです。国別でいえば日本は27カ国目。そして、桐生選手がマークしたこの記録は、世界歴代99位とのこと。

レース直後、「やっと4年間くすぶっていたベストを更新することができた。9秒台を出せて、スタートラインに立てたかな…」とコメントした桐生選手。その言葉どおり、まだまだ世界レベルのスタートラインに足を掛けたばかり。とはいえ、これもまた新たなトリガーとなって、日本の短距離界を大きく押し上げることになってほしいものです。そして、そのまま2020年の東京五輪へと…。


⦅桐生選手に続いてほしい、
期待のスプリンターたちを紹介!⦆

期待の100m走上位選手たち(2017年の記録をもとに)

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Photograph / Atsushi Tomura(Getty Images)

2017年の100m走記録 10位
藤光謙司選手(所属:ゼンリン)
1986年5月1日生まれ

2017年のベストタイム:10秒23(自己ベスト)
※2015年に追い風参考記録として10秒14をマーク

写真は2015年6月27日に新潟県デンカビッグスワンスタジアムで開催された、第99回日本陸上競技選手権大会より。

期待の100m走上位選手たち(2017年の記録をもとに)

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Photograph / Stu Forster(Getty Images)

2017年の100m走記録 9位
諏訪達郎選手(所属:NTN)
1994年8月17日生まれ

2017年のベストタイム:10秒22(自己ベスト)

写真は2011年7月8日にフランス・リールのメトロポールスタジアムで開催された、IAAF世界ユース選手権より。写真は200m走に出場しているときのもの。

期待の100m走上位選手たち(2017年の記録をもとに)

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Photograph / Atsushi Tomura(Getty Images)

2017年の100m走記録 8位
九鬼 巧選手(所属:NTN)
1993年5月31日生まれ

2017年のベストタイム:10秒20
※自己ベストは10秒19(2013年)

写真は2015年6月24日に大阪・ヤンマースタジアム長居で開催された、第101回日本選手権大会で男子100mで決勝より。

期待の100m走上位選手たち(2017年の記録をもとに)

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Photograph / YUTAKA(アフロスポーツ)

2017年の100m走記録 7位
原 翔太選手(所属:スズキ浜松AC)
1992年7月18日生まれ

2017年のベストタイム:10秒13(自己ベスト)

写真は2016年5月8日に神奈川県等々力陸上競技場で開催された、IAAFワールドチャレンジセイコーゴールデン・グランプリより。写真は200m走に出場しているときのもの。

期待の100m走上位選手たち(2017年の記録をもとに)

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Photograph / Atsushi Tomura(Getty Images)

2017年の100m走記録 5位
ケンブリッジ飛鳥選手(所属:ナイキ)
1993年5月31日生まれ

2017年のベストタイム:10秒08(自己ベスト)

写真は2015年6月24日に大阪・ヤンマースタジアム長居で開催された、第101回日本選手権大会で男子100mで決勝より。

期待の100m走上位選手たち(2017年の記録をもとに)

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Photograph / Atsushi Tomura(Getty Images)

2017年の100m走記録 5位
飯塚翔太選手(所属:ミズノ)
1991年6月25日生まれ

2017年のベストタイム:10秒08(自己ベスト)

写真は2015年6月24日に大阪・ヤンマースタジアム長居で開催された、第101回日本選手権大会で男子100mより。

期待の100m走上位選手たち(2017年の記録をもとに)

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Photograph / Atsushi Tomura(Getty Images)

2017年の100m走記録 4位
多田修平選手(所属: 関西学院大学陸上競技部)
1996年6月24日生まれ

2017年のベストタイム:10秒07(自己ベスト)
※2015年に追い風参考記録として9秒94をマーク

写真は2015年6月24日に大阪・ヤンマースタジアム長居で開催された、第101回日本選手権大会で男子100mより。

期待の100m走上位選手たち(2017年の記録をもとに)

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Photograph / Atsushi Tomura(Getty Images)

2017年の100m走記録 3位
山縣亮太選手(所属:ゼンリン)
1992年6月10日生まれ

2017年のベストタイム:10秒06
※自己ベストは10秒03(2016年)

写真は2015年6月24日に大阪・ヤンマースタジアム長居で開催された、第101回日本選手権大会で男子100mで準決勝より。

期待の100m走上位選手たち(2017年の記録をもとに)

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Photograph / Atsushi Tomura(Getty Images)

2017年の100m走記録 2位
サニブラウン・A・ハキーム選手(所属:東京陸協)
1999年3月6日生まれ

2017年のベストタイム:10秒05(自己ベスト)

写真は2015年6月24日に大阪・ヤンマースタジアム長居で開催された、第101回日本選手権大会で男子100mより。

100m走日本歴代10傑、2位より

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写真は、1998年12月にバンコクで開催されたアジア競技大会より。この大会で100mの日本記録をマークした伊東浩司氏。Photograph / Mark Thompson(Getty Images Europe)

1位 09秒98  桐生祥秀(2017年)
2位 10秒00  伊藤浩司(1998年) 
3位 10秒02  朝原宣治(2001年)
4位 10秒03  末續慎吾(1998年) 
4位 10秒03  山縣亮太(2016年)
6位 10秒05  サニブラウン・A・ハキ―ム(2017年) 
7位 10秒07  江里口匡史(2009年)
7位 10秒07  多田修平(2017年)
9位 10秒08  飯塚翔太(2017年)
9位 10秒08  ケンブリッジ飛鳥(2017年)
 



編集者:小川和繁