ワールドシリーズで起こってしまった人種差別問題

 今年のワールドシリーズは、どちらが勝つのか予想が難しいことになっています。

 アメリカンリーグ王者ヒューストン・アストロズはアルトゥーベ選手やコレア選手など、才能あふれる打撃と走塁がとても魅力的です。そして、日本を代表するピッチャーであるダルビッシュ 有選手と前田健太選手が所属するロサンゼルス・ドジャースは、今年最高勝率を誇っただけに投手陣と打撃陣は完璧に近く、プレイオフが始まる前にドジャースを優勝候補として挙げた人も少なくありませんでした。

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ワールドシリーズ第3戦に先発したダルビッシュ 有投手

 昨日行われたワールドシリーズ第5戦では激しいシーソーゲームを制したアストロズが勝利し、今シリーズ3勝目となりました。嬉しいニュースが多いアストロズですが、実はあまり良く思われないニュースもあったのでした。

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ワールドシリーズで大活躍中のグリエル内野手(右)。そんな彼が起こしてしまった過ちとは...。

 その波紋を呼んでいることとは…、第4戦に先発したドジャースのダルビッシュ選手から貴重なホームランを打ったグリエル内野手のジェスチャー。ホームランを打った後に彼は、ベンチで人種差別的なジェスチャー披露したのです。日本人を含むアジア人の目が細いことをネタにしたのか、自身の目を引っ張って遊んでいることが下の動画で明らかになりました。

これはxの内容です。詳細はそちらでご確認いただけます。

 試合後、キューバ出身のグリエル選手は通訳を通じて、「僕は誰も傷つけようとは思っていませんでした」と謝罪しています。

 その理由としては、「メジャーリーグでプレーしてから、日本人投手からあまり打てていなかったことを家族にコメントしていたのです」と語りました。横浜DeNAベイスターズでプレーした経験があるだけに、まさか日本人選手にこのような態度を取るとは、誰もが思っていなかったはずなのですが……。

 本件について、ダルビッシュはツィッターで次の内容を投稿しました。

これはxの内容です。詳細はそちらでご確認いただけます。
ダルビッシュ 有のツィート: 
完璧な人間などいません。それについては、皆さんと私も含まれます。グリエルが今日行った行動は正しいものではありませんが、彼を責めることよりも今後私たちが同じ過ちを起こさないように学んでみてはいかがでしょうか。もし、今回の件から何かを学べたのなら、それは私たちにとってとても大きなことであると思います。素晴らしい世界に住んでいるのですから、怒ることよりも今後について前向きに考えて良い方向に向かえば良いのです。

 気になるグリエルの処分ですが、先日メジャーリーグより発表されました。

 その内容とは…、来(2018年)シーズン開幕から5試合出場停止というものでした。ワールドシリーズでは、今後、全試合プレーが可能であるだけに、今シリーズで好調な5番グリエルの名前が第6戦や第7戦でスコアボードに載ることは間違いないでしょう。

 ワールドシリーズ第6戦は明日(日本時間)、アメリカ・ロサンゼルスのドジャースタジアムで行われます。

Source / ESQUIRE US
Translation / Shun Yamanoi
※この翻訳は抄訳です。