スチュアート・ピアースやデビット・ベッカム、ウェイン・ルーニーに続き、熱狂的なサポーターたちの非難の的になるのはどの選手でしょうか。とっても英国的ユーモアに満ちた記事です…(笑)。

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 2018 FIFAワールドカップ ロシア大会に出場する、イングランド代表メンバーが発表されました。そこで「Esquire UK」は、気になるのはこれらの一流プレイヤーの中で、誰が次なる「戦犯」になるのかを予想しました。

 稚拙なプレーやPKの献上、レッドカードでの退場などで「チームの早期敗退を招いた」と非難を受け、かつては隆盛を極めたサッカーの母国の面目を潰すことになるのは、さてどの選手でしょうか。 

 ユーロ2016については、珍しく「戦犯探し」は行われませんでした。ピッチ上のプレイヤーだけでなく、控えメンバーからコーチングスタッフ、ロイ・ホジソン監督、チームの理学療法士やバスのドライバーまで、チーム全体が「アイスランドへの敗退」という悪夢に陥り、目を覚ますことができなかったわけです…。 

 ですが、今回のワールドカップは同じようにはいかないでしょう。 

 サウスゲート監督は結果に関わらず、ワールドカップ終了後もチームを率いることが決まっていますし、代表メンバーには取り返しのつかない事態が起こってしまったときに、サポーターや評論家たちの吊し上げの対象になりそうな選手がたくさんいますから…。 

 それでは、今回もっとも戦犯となりえる選手は誰でしょうか。23人の代表メンバーの格付けをご覧ください。

23位:トレント・アレクサンダー・アーノルド

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 あまりに若く、まだまだ未熟な選手ですから、戦犯に祭り上げられる可能性はほとんどないでしょう。 

「いたずらっ子」のように無邪気に見えるアーノルドですから、パナマ戦の水分補給時に、相手控え選手に目がけてシュートを2,3発見舞ったとしても、審判団はイエローカードぐらいで済ませてくれるでしょう。それくらい許せる笑顔を見せるいい子ですね。 

【プロフィール】
1998年10月7日生まれ、イングランド出身。
リヴァプールFC所属でポジションはMF。

22位:ガリー・ケーヒル

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 イングランド代表のサポーターたちの「戦犯探し」には、妙な死角があります。 

 たとえば、ケーヒルのようなイングランドの典型的なセンターバックと言える選手については、ジョン・テリーほどのワルでない限り戦犯にされることはないのです。勇敢ながらテクニックに欠けるイングランドのセンターバックたちですが、逆にそこにこそ英国魂を感じるのかと思います。 

【プロフィール】
1985年12月19日生まれ、イングランド出身。
チェルシーFC所属でポジションはDF。

21位:ハリー・マグワイア

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 マグワイアはどんな選手かと言えば…確実に仕事をこなし、見事な胸板をもつセンターバックです…。

 …ということまではわかっていますが、実際、それ以外はほとんど知られていません。まぁ、彼なら大丈夫でしょう(笑)。

【プロフィール】
1993年3月5日生まれ、イングランド出身。
レスター・シティFC所属でポジションはDF。

20位:ジャック・バトランド

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 バトランドの場合、状況を台無しにするような機会も得られないかもしれませんね。 

【プロフィール】
1993年3月10日生まれ、イングランド出身。
ストーク・シティFC所属でポジションはGK。



19位:エリック・ダイアー

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 これまで、実は守備的ミッドフィルダーの選手が非難の的になったことはありませんでした。 

 サメのように目が小さく、肉屋の見習いのように控えめな顔立ちのダイアーですから、なおさらその可能性は低いでしょう。

【プロフィール】
1994年1月15日生まれ、イングランド出身。
トッテナム・ホットスパーFC所属でポジションはMF、DF。



18位:ファビアン・デルフ

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 代表の座を射止めたそのフットボールセンスに加え、美しく完璧なボールのようの頭のもち主。
 そんな彼を憎むことは、容易なことではありませんから…。

【プロフィール】
1989年11月21日生まれ、イングランド出身。
マンチェスター・シティFC所属でポジションはMF、DF。




17位:ルーベン・ロフタス・チーク

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 代表チームが決勝トーナメントの延長戦で敗退し、その原因が彼のミスにあったとしても…まあ、大丈夫でしょう。

 なぜなら、怒りに任せてツイートしようにも、「Loftus-Cheek」という名前のスペルは長過ぎますから。

【プロフィール】
1996年1月23日生まれ、イングランド出身。
クリスタル・パレスFC所属でポジションはMF。



16位:アシュリー・ヤング

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 マンチェスター・ユナイテッドというメガクラブでプレーし、本職ではない左サイドバックで活躍するヤングです。

 今回、彼のサプライズ的な代表カムバックは、誰もが歓迎しているので、非難されることはないかと思います。

【プロフィール】
1985年7月9日生まれ、イングランド出身。
マンチェスター・ユナイテッドFC所属でポジションはMF、DF。



15位:ハリー・ケイン

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 あごが大きなケインですが、様々な苦しみを乗り越えてきたかのような気高さがあります。 

 BBCの紹介写真は、サポーターたちにきっとウケがいいことでしょう。高校時代、となりの強いサッカ―部のFWにちょっと似ていませんか?

【プロフィール】
1993年7月28日生まれ、イングランド出身。
トッテナム・ホットスパーFC所属でポジションはFW。



※BBCの最新記事を見る
https://www.bbc.com/sport/football/44208841

14位:カイル・ウォーカー

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 ペップ(マンチェスター・シティのペップ・グアルディオラ監督)のお気に入りで、目が飛び出るほどのスピードをもつウォーカー。

 ですから、そのテクニックには議論の余地がありませんね、いい意味でも悪い意味でも…。

【プロフィール】
1990年5月28日生まれ、イングランド出身。
マンチェスター・シティFC所属で
ポジションはDFまたはMFも。


13位:ニック・ポープ

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 英国のサポーターたちが叩きたがる典型的な選手は、「裕福で甘やかされたフットボーラー」です。そして、これ以上に彼らの神経を逆なでする要素があるとすれば…それは「パブリックスクール(英国で主に富裕層の子女が通うエリート校)出身」というバックグラウンドになるでしょう。 

 ポープは、そんな対象にずっぽりとハマる男なのです。イーリーのキングススクール出身(学費は少なくとも年間1万3000ポンドです)であり、太った黒のラブラドールを散歩するときにさえ、きっとジレを着ているでしょうから…。 

 彼が戦犯になったときには、ジェイコブ・リース=モグ(英国の上流中産階級出身の議員)の体にポープの頭をフォトショップでつなげた画像が、ネット上をかけ巡ることでしょう。 

 ちなみにジェイコブ・リース=モグはこんな方です。

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【プロフィール】
1992年4月10日生まれ、イングランド出身。
バーンリーFC所属でポジションはGK。


12位:キーラン・トリッピアー

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 髪型が目立つトリッピアーは、いつまでも昔のギャグを面白がっているような印象があります。

 つまり、なにかとツッコみたくなるタイプでもあります。ですので、非難の矢面に立つ可能性は十分あるでしょう。

【プロフィール】
1990年9月19日生まれ、イングランド出身。
トッテナム・ホットスパーFC所属でポジションはDF。



11位:ジェシー・リンガード

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 特に大きなミスを犯すことはないでしょう。ですが、評論家たちが「イングランドには世界トップクラスの選手がいない」と主張するときに挙げられそうな名前です。 

 また、彼のゴールパフォーマンスが「#againstmodernfootball」のタグとともに物議を醸す可能性もあるでしょう。

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【プロフィール】
1992年12月15日生まれ、イングランド出身。
マンチェスター・ユナイテッドFC所属でポジションはMF。



10位:ダニー・ウェルベック

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試合時間残り15分で投入され、クロスバーを越えるシュートを打ったり、ペナルティエリア前でボールを失い、その後敗退を決定的にする3点目のゴールを入れられるところを呆然と見ている様子が目に浮かぶ戦犯候補です。 

【プロフィール】
1990年11月26日生まれ、イングランド出身。
マンチェスター・ユナイテッドFC所属でポジションはFW。

9位:ダニー・ローズ

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何となく大人げない印象を与える選手。「ファーポストを守っているときに突然トーマス・ミュラーを見失った」というようなシチュエーションでは致命的かもしれません。 

【プロフィール】
1990年7月2日生まれ、イングランド出身。
トッテナム・ホットスパーFC所属でポジションはDF。

8位:ジョーダン・ピックフォード

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ゴールキーパーのファーストチョイスとして、ピックフォードは2010年のロバート・グリーンのようなとんでもない失態を起こす可能性があります。関係ないようですが、コメディ俳優のトーマス・ターグーズにも少し似ていますね。 

【プロフィール】
1994年3月7日生まれ、イングランド出身。
エヴァートンFC所属でポジションはGK。

7位:ジョーダン・ヘンダーソン

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代表のなかでは、膝の負傷で離脱したアレックス・オックスレイド=チェンバレンの次に、ひげ剃りの広告に起用されそうなヘンダーソン。アダム・ララーナも代表入りしていれば可能性はありました。ちなみに、以前起用されたジョー・ハートのことは、今や誰も気にしていないかもしれません。 

【プロフィール】
1990年6月17日生まれ、イングランド出身。
リヴァプールFC所属でポジションはMF。

6位:マーカス・ラッシュフォード

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ラッシュフォードの場合、そろそろ一度恥ずかしい思いをするのにちょうどいい年齢かもしれません。戦犯扱いがひどいと感じられるほど若くもありませんし、精神をくじいても成長がないと思えるほど経験を積んでいるわけもありませんから。 

【プロフィール】
1997年10月31日生まれ、イングランド出身。
マンチェスター・ユナイテッドFC所属でポジションはFW。

5位:ラヒーム・スターリング

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スターリングは、以前からワンパターンな一部の白人中年男性の憎悪の対象とされてきたこともあり、彼への批判はすでにピークが過ぎた可能性もあります。ユーロ2016では、彼の帰国便に関する皮肉含みのチャリティが行われたこともありましたし、最近では「デイリー・メール」紙からちょっとした朝食を摂る様子さえネタにされていました。 

【プロフィール】
1994年12月8日生まれ、イングランド出身。
マンチェスター・シティFC所属でポジションはMF/FW。

4位:ジェイミー・ヴァーディ

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叫ぶ、怒鳴る、泡を吹くなど、ヴァーディは暴力性を内に秘めています。彼の暴力性がむき出しになるのは「試合終了間際に気の利かないボールボーイにかける罵りの言葉」かもしれませんし、「第4の審判への暴言」になるかもしれませんが、ヴァーディはどこかで何らかの形で爆発する可能性は十分あります。 

【プロフィール】
1987年1月11日生まれ、イングランド出身。
レスター・シティFC所属でポジションはFW。

3位:デレ・アリ

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 ワールドカップ予選で満員のウェンブリースタジアムで、カイル・ウォーカーに中指を立てるジェスチャーを見せたアリ。これはふざけた行為だったのかもしれませんが、こういったアリの人生を楽しむ姿勢やInstagramを使いこなすところは、ベビーブーマーたちの神経を逆なでするかもしれません。彼らはミレニアル世代の若者を「退廃の極みともいうべき生活を送り、アボカドを愛し、住宅ローンを嫌う」というようなイメージで軽蔑していますが、アリもそんな若者の一人とみなすことでしょうから。 

 イングランドの敗退後、アリがメキシコへのバケーションに出かける途中にMusical.lyへ投稿でもしようことなら、彼らの怒りに油を注ぐことになりそうです。

【プロフィール】
1996年4月11日生まれ、イングランド出身。
トッテナム・ホットスパーFC所属でポジションはMF。

2位:ジョン・ストーンズ

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 ペップ率いるマンチェスター・シティに所属するストーンズですから、同じセンターバックのマグワイアやケーヒルとは違い、技術面で厳しい目が向けられることでしょう。ですから、10ヤード以上のパスを出そうとしてミスしたとすれば、スポーツキャスターのアラン・ブラジルに「ペップサッカーに浸かりすぎだ。もっと泥臭いプレーが必要だった」と指摘される隙を与えるかもしれません。 

 また、下手になったと思われるようなプレーをすれば、ペップのもとで出場機会が減少している現状を指摘し、シティでレギュラーを張る実力がないことを疑う声も上がるでしょう。そうなれば、ストーンズのイングランド代表での立場にも疑問符がつくかもしれません。 

【プロフィール】
1994年5月28日生まれ、イングランド出身。
マンチェスター・シティFC所属でポジションはDF。

1位:フィル・ジョーンズ

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 プレストン生まれのジョーンズは、恐れることなく自らの体を投げ出すことができる能力があるにもかかわらず、イングランドの典型的なセンターバックタイプの選手とは言えません。彼にはテリー・ブッチャーやトニー・アダムス、アンディ・ヒンチクリフのような静かな威厳がありませんから。 

 そんなジョーンズは、フィル・ネヴィルのような決定的なミス(ユーロ2000でPKを与え、チームの敗退を招きました)を起こすこともありそうです。彼がボックス内で相手の司令塔を倒してしまい、レフリーがPKスポットを指すところをムンクの叫びのような表情で見つめているところが、タブロイド紙の表紙を飾ってもおかしくありません。そんなことになれば、「ザ・サン」紙はヒースロー空港で代表チームを迎えるサポーターたちのために、紙面にジョーンズのお面をプリントするかもしれません。数千人のフィル・ジョーンズがボーイング747を静かに見つめる様子は笑えないことでしょう。 

【プロフィール】
1992年2月21日生まれ、イングランド出身。
マンチェスター・ユナイテッドFC所属でポジションはDF。

By Tom Nicholson on May 17, 2017
Photos by Getty Images
ESQUIRE UK 原文(English)

TRANSLATION BY Wataru Nakamura
※この翻訳は抄訳です。 

編集者:山野井 俊