ヨーロッパでは、サッカーの主要リーグのシーズンが終わり、とりあえず一段落しているサポーターが多いでしょう。…といいながらも、6月10日からはユーロ2016が開幕です。そんな狭間に、少々振り返りましょう。今年も各リーグであらゆるセンセーションが巻き起こりましたよね? 例えば、イギリスのプレミアリーグでは日本代表FW岡崎慎司が所属するレスター・シティが、創設以来133年目の快挙として初優勝を飾るという素晴らしい出来事が起こりました。シーズン開幕前には弱小クラブのイメージであったために、まさか優勝するとは思っていなかったはずです。

 プレミアリーグの次はドーバー海峡を渡り、一路イタリアへ。今年のセリエAで優勝したのは、常勝軍団のユベントスです。かつてのチャンピオンであったACミランやインテル・ミランを突き放して、5年連続で優勝を果たしました。ユベントスの中心選手と言えば、中盤のファンタジスタであるアンドレア・ピルロやイタリア代表GKのジャンルイジ・ブッフォンが挙げられるかと思います。(もちろん、マルキージオ、ポグバ、キエッリーニなどのスター選手も揃っています!)

 今回『エスクァイア UK』のエディターは、ジャンルイジ・ブッフォンに注目してみたところ、なんと彼がゴールネットに素敵なラブレターを書いていたことが判明しました。その内容にぜひご注目ください。


 ヨーロッパ大陸で生まれた選手は、サッカーをどのようにして詩的に感じさせることができるのでしょうか?

 イギリスの選手は、素晴らしい試合を「トップ、トップ」以外の形容詞で表現する能力を持ち合わせていないようですが、ここはユベントス所属の不滅不朽のゴールキーパー、ジャンルイジ・ブッフォンはちょっと違うようです。注目してみましょう。過去3000年余り(笑)も彼が守り続けてきたゴールネットに対して、なんとラブレターを書いていたのです。

 イタリアの伝説の人となったブッフォンは、元ACミランのゴールキーパー、セバスチャン・ロッシが1994年にたてた記録を破り、セリエAの無失点記録を929分としたところで、この功績を褒めたたえる詩=頌詩(しょうか)をインターネットで公開するよう持ちかけられました。

 ブッフォンは「僕が君に背を向けたのは、12歳の時だった」と、彼がノートに書いていました。そして、「君の顔を二度と見ないようにするために何でもする、と約束した」と続けて書いていたようです。彼のキャリアの長さと、愛しい人への献身を思うと、涙が出てきますね。

 ブッフォンの前には、2014年に書いた自叙伝に人々の心を揺さぶる試合への深い愛情を描いた男がいました。同国人でありユベントスでチームメートでもあるアンドレア・ピルロ、そしてもちろん、記者会見中にサッカーの抽象詩を初めて作った、元フランス代表のエリック・カントナと。

 イギリスは、「世界で最もワクワクするリーグを持っている」かもしれませんが、サッカーで文学賞をとるには、まだまだ先は長いようですね。

Source / ESQUIRE UK
Translation / Spring Hill, MEN'S +
※この翻訳は抄訳です。