日本でも2018年3月31日、インターネット上のクラウドファンディングで資金を集めJリーグ入りを目指していた安彦考真選手が、J2の水戸ホーリーホックに正式に加入することが決定。サッカーJリーグに異色の40歳の新人選手が誕生しました。そんな話がアメリカ・シカゴでもありました。しかも、アメリカ三大スポーツのひとつである競技で。ある一会社員が、強烈なインパクトをスケートリンクに刻みました…。

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A 36-Year-Old Accountant Stepped in as an NHL Emergency Backup Goalie

 毎日同じリズム(朝9時スタート―夕方5時終わり)の仕事をしていて、そろそろ疲れを感じ始めるころ、それでもまだもう少し頑張らないといけないといったときに、ふと「プロスポーツのチームからスカウトされたら、どんなにいいことだろう…」と思ったことが誰にもあるはずです。が、そんな夢のような出来事を実際に経験した人物もいるのです。 

 米イリノイ州に住むスコット・フォスターさん(36歳)は、普段は会計士として働いている2児の父親。仕事の合間にはアマチュアホッケーのチームでプレイしていますが、そのフォスターさんにシカゴ・ブラックホークス(プロホッケーチーム)から突然お呼びがかかったのです。 

 そして彼は、2018年3月29日(米国時間)に行われた対ウィニペグ・ジェッツ戦にゴールキーパーとして出場し、7本のシュートを阻止してチームの勝利に貢献しました。 

 フォスターさんは学生時代、ウエスタン・ミシガン大学のアイスホッケー部でプレイしていた経験がありますが、彼が突然ブラックホークスの試合に出場することになったのは、同チームのゴールキーパー3人が相次いでケガをしてしまったから。 

 ブラックホークスでは元々コーリー・クロフォード選手が先発ゴールキーパーでしたが、このクロフォード選手の故障を受けて試合に出ていたアントン・フォースバーグ選手も、試合前の練習でやはりケガをしてしまいました。さらにフォースバーグ選手に代わって、この試合に先発出場したコリン・デリア選手も、第3ピリオドに筋肉の痙攣でプレイできなくなってしまったのです。 

 困ったブラックホークスは、フォスターさんと急遽アマチュア・トライアル契約を結び、彼を出場させることに…。 

 臨時契約の控えのゴールキーパーというのは、大抵はベンチで試合を見ながら時間を過ごすことが多いのですが、この日のフォスターさんは実際にゲームにも出場したのです。(次ページへつづく)

オールドルーキーのデビュー戦を動画で確認

 観客らがフォスターさんの名前を連呼するなか彼は合わせて7本のシュートを阻止し、チームのリードを守り切りました。そして試合終了時には、チームのベルトを貰いました。 

「2、3時間前まで、職場でコンピュータの前に座っていたんだ。それが今、こうして皆さんの前に立っている…。NHLの試合で実際に約14分間プレイしたが、それでもこれは私からすれば夢のような出来事。これは誰にも奪うことのできない貴重な経験さ。家に帰って子供たちに自慢できるし、そして、子供たちだって友だちに自慢できることだろ」とフォスターさん、いや、フォスター選手はコメントしています。 

 オールドルーキーとして、リンクの上に立ったフォスター選手の勇姿を下の動画でぜひチェックしてみましょう。動画の最後には、勝利した瞬間チームメイトたちが、彼のもとに駆けつけて喜びの瞬間を共感しています。 
 

これはyouTubeの内容です。詳細はそちらでご確認いただけます。
Emergency goalie steals the show in Chicago
Emergency goalie steals the show in Chicago thumnail
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 アメリカンドリームの一端を垣間見ることができます。今後、フォスターさんがブラックホークスとプロ契約を結ぶ日はあるのでしょうか? とても気になるところです。

By Gabrielle Bruney on April 1, 2018
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ESQUIRE US 原文(English)
TRANSLATION BY Hayashi Sakawa ※この翻訳は抄訳です。
編集者:山野井 俊