2018年8月9日(木)~8月14日(火)の期間、「パンパシフィック水泳選手権大会 2018」競泳部門は東京・江東区にある東京辰巳国際水泳場で開催されます。この大会は東京五輪2020の前哨戦として、世界的な注目を浴びているのです。さらに、このところ日本代表競泳選手たちも記録ラッシュ。男女共に注目選手で目白押しです。そこで今回、まずはトップバッターとして、このところ泳ぐたびに記録を更新する女子のエース、池江璃花子選手に注目してみました。

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 まだ若干18歳ながら、日本を代表する競泳選手として注目されている池江璃花子選手。 

 天然な性格をもちながらも、勝利の時に見せるアスリートのキリッとした顔のギャップに、国民たちは心を掴まれているのでしょうか? 

 そんななか、「パンパシ水泳 2018」で池江選手をより応援しやすくするために、彼女の生い立ちから新記録を出した瞬間までお伝えいたします。

自宅の浴槽で生まれる

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 2000年7月4日、池江璃花子選手は自宅のお風呂にて水中出産により誕生しました。 

 このころから、すでに水への抵抗が無かったのかもしれません…。水泳は兄姉の影響で3歳10カ月から始め、5歳のときには自由形・平泳ぎ・背泳ぎ・バタフライの4泳法すべてで、50m泳げるようになっていたとのこと。

 小学校入学前に、25mプールを往復できる子供なんて…とてもレアな存在であったはずです。

これはyouTubeの内容です。詳細はそちらでご確認いただけます。
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スーパー中学生に成長する

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 日本の国民を驚かせたのは、2015年に開催された主要大会での活躍。 

 第91回日本選手権では、50mバタフライの予選で26秒41の中学記録を樹立し、決勝も制しました。青山綾里選手以来、19年ぶりとなる中学生全日本チャンピオンとなってマスコミからも注目されるようになりました。 

 振り返ってみると、2015年は池江選手にとって大きな1年であり、中学3年生ながら全日本初制覇、世界選手権初出場、そして3種目の日本記録保持者となりったのです。

高校1年生の池江璃花子

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 2016年4月に池江選手は淑徳巣鴨高校へ進学し、女子高生となりました。

 そうしてリオ五輪の候補選手としても注目され始め、リオ五輪代表選考会を兼ねた第92回日本選手権では、50m自由形、100m自由形、200m自由形、100mバタフライの4種目にエントリー。リレーを含めると計7種目での代表入りを狙ったのでした。

 結果は…大会初日の100mバタフライ準決勝でいきなり、自身のもつ日本記録を0秒01更新。翌日の決勝でも、派遣標準記録を切る57秒71で優勝し、この種目のリオ五輪代表権を獲得したのでした。

 続く200m自由形では、日本記録に0秒02と迫る1分57秒39の高校新記録で優勝。100m自由形では、高校新記録となる54秒06で2位に。これらの種目では個人の派遣標準記録には及ばなかったものの、池江を含む上位4選手のタイムの合計がリレーの派遣標準記録を超えたため、400mフリーリレー、800mフリーリレーでのオリンピック代表に選ばれたのでした。

 そして大会最終日に行われた50m自由形決勝では、世界ジュニア新記録及び高校新記録となる24秒76で優勝。これも残念ながら派遣標準に0秒17足りず、この種目での派遣は見送られたのでした。 

 こうして池江選手は最終的に、同大会の結果によって個人種目の100mバタフライの他、400mフリーおよび800mフリーリレー、400mメドレーリレーの計4種目でオリンピック代表に選出されることとなったのでした。

 さらにそののち、同年6月27日に日本選手権は池江選手のその後の大会での活躍、さらには将来性を高く評価して日本選手権では見送っていた自由形3種目においても、池江を五輪代表としてエントリーすることを発表。これによって池江選手は、日本人選手として初の五輪7種目出場ということになったのでした。 

 泳ぎたびに記録を更新する池江選手。2016年6月に行われた東京都高校選手権では、100m自由形を53秒69の日本新記録で優勝しています。

リオ五輪で堂々とした姿を見せた

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 2016年8月6日、100mバタフライ決勝まで駒を進めた池江選手でしたが、結果としては5位。メダルまでは届きませんでした。

 ですが、56秒86の日本新記録を樹立。16歳での戦いぶりに世界中から注目されることとなったのです。 

 試合後のインタビューでは、「56秒台を出す目標がありました。メダルは獲れなかったですが、また自己ベストを更新できたのでうれしいです」と、頼もしいコメントを残しています。

高校2年生の池江璃花子

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 2017年4月、池江選手は第93回日本選手権に出場します。

 50m、100m、200m自由形、50m、100mバタフライの5種目にエントリーし、4日間で10レースを泳ぎます。そして、エントリーした種目すべてで優勝を果たしたのでした…強烈です。

 これによって史上初の日本選手権5冠達成者となり、池江選手の注目度はさらに上昇していったのでした。

高校3年生の池江璃花子

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 2018年4月には高校3年生となった池江選手。2020年に開催される東京五輪に向けて、日々トレーニングに励んでいます。

 そこで彼女の武器はなんでしょうか? もったいぶらずに言えば、それはリーチの長さにあります。その数値はなんと184cm。池江選手の身長170cmに対しての184cmになりますので、身長との比率は108%となるわけです。

 しかしながら「108%」と言われても、それが世界的に凄いのか?もわからないことでしょう。

 そこで、水泳界のスターである男子金メダリストのマイケル・フェルプス選手と比較してみましょう。彼は身長193cmに対し、リーチ203cm。計算すれば105%になります。女子選手とも比較しなくてはなりません。ロンドン、リオと五輪にて2大会連続で複数のメダルを獲得しているメリッサ・フランクリン選手に関しては、身長185cmに対しリーチ193cm。計算すれば104%となります。やはり、池江選手のこの数値は、稀有な数字であることは確認できたでしょう。

 つまり、リーチが長ければ距離内のストローク数は少なくて済むということは、皆さんイメージできるかと思います。よって、池江選手は国内選手同士での戦いでは、間違えなく少ないストローク数で泳ぎきることができるので単純に有利なのです。

 ですが、そもそも身長の高い外国選手と比べると…。

 いくら対比率が高くても、リーチそもそもので勝る選手も多い外国勢。そこを技術とスタミナで補い、今回のパンパシ水泳2018、さらには東京五輪2020でのメダル獲得を期待してやみません。

 皆さんも彼女への応援、さらには日本競泳陣全体の応援の意味を込めて、今回のパンパシ水泳2018に注目しましょう。

バタフライ100m日本新記録

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 2018年6月16日に行われた「ヨーロッパGP モナコ大会」のバタフライ100m決勝で、池江選手は56秒23のタイムで自身のもつ日本新記録を塗り替えました。 

 日々成長し続ける池江選手の水泳技術に、今後も要注目です。そんななか、何が池江選手で注目すべきなのか…。それは記録であり、メダルの色になりますが、それ以前に詳細となるところで注目してほしいのが、前出した彼女の恵まれたリーチから繰り出される力強くスムーズなストロークです。

 ぜひとも刮目してください!
 

自由形100mの日本記録も更新

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 2018年4月8日に行われた「第94回日本選手権」の自由形100m決勝で、池江選手は53秒03のタイムで自身のもつ日本新記録を塗り替えました。

「パンパシフィック水泳選手権大会 2018」でも、おそらく日本新記録を更新しそうな予感がしてやみません!
   

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池江選手「世界のトビウオに」 競泳、パンパシフィック壮行会
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池江璃花子
いけえ・りかこ 

誕生日:2000年7月4日 
出身地:東京都江戸川区 
身長:170cm 
体重:56kg
泳法:バタフライ、自由形




編集者:山野井 俊