では、振り返りましょう。 

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Julian Finney(Getty Images)
そして2本目のトライも前半に。28:00、右のWTBで先発した 藤田慶和(22歳)選手がバックスながらモールに入り込み、そのまま見事トライを奪いました。トライ後にリーチ選手が藤田選手を讃える光景は、実に感動的であり、今後も日本代表がさらなる躍進を続けていくことを約束してくれていました…。W杯初の先発で初のトライ。

 日本代表属する予選プールは、B。南アフリカ、スコットランド、サモア、アメリカにより、計5チームで一次リーグを争ったわけです。そして、次の準々決勝へ進めるのは、プール内で総当たり戦をし、上位2位までが出場できるというルールです。日本代表は、ここまで2勝1敗の3位。南アフリカとスコットランドが先に4試合を終えて準々決勝進出を決めたので、日本は1次リーグ敗退はすでに決まっているなかの最終戦となったわけです。 

 こうして10月11日、ラグビー日本代表「ブレイブブロッサムズ」はRUGBY WORLD CUP 2015における最終戦、アメリカ代表との戦いを迎えることに。スタジアムは映画『ハリー・ポッターと賢者の石』ロケ地にもなったグロスターにある、ラグビー専用の「キングスホルム・スタジアム」で行われました。

 試合は前半05:00、いきなりアメリカ代表のペナルティーゴールで3点が先制されました。しかし、不安な雰囲気は全くなかったのです。すると07:00、この日左のウイングで先発した松島幸太朗選手がトライを上げ、日本が逆転。その後、アメリカにトライを奪われ再びリードを許しましたが、28:00に初出場の大学生、藤田慶和選手がフォワードのモールに加わってトライを。このあとゴールも決まって、14対8とリードを奪い返しました。日本は、このあとさらに五郎丸歩選手のペナルティーゴールを加えて17対8とリードして、前半を折り返しました。

さらなる進化を約束する3本のトライ!

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Bryn Lennon(Getty Images)
そして試合を決定づけた3本目のトライは、後半に入り、ホラニ龍コリニアシ(33歳)に替わったNO8アマナキ・レレイ・マフィ(25歳)選手によるもの。こうして振り返れば、エディーHCの選手起用の素晴らしさ、そしてその意図を出場選手すべてがきちんと把握し、即プレーにつなげる一体感がキラリと光る試合でした。いえいえ大会を通して、すべての試合でそれを感じたのでした。
  

 後半、日本代表とアメリカ代表は互いにペナルティーゴールによって3点ずつ加点、20対11というスコアに。9点差ということは、1トライ1コンバージョン1ペナルティで逆点される可能性も…。まだまだ油断はできません。そんななか62:00〈後半22分)、日本代表は相手ゴール前のラインアウトからモールを組み、そこに途中出場のアマナキ・レレイ・マフィ選手へと繋げトライ! そこで25対11とリードを広げ、試合を決定づけました。 

 このあと、アメリカ代表にトライとコンバージョンゴールを決められ、7点差まで詰め寄られることに。しかし試合終了間際、五郎丸選手のペナルティーゴールにより、28対18と再び突き放し、そのままノーサイドの笛が…。

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ノーサイドとなり、互いの健闘を讃え合うシーン。
このシーンで改めて確認できること、それが体格の差。
この体格差にも屈せず、
勇敢に戦い抜いた日本代表に改めて拍手を!!
Photograph/Jordan Mansfield(Getty Images)

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予選敗退するも、チームが思い描いたプレーができ、
さらに世界から認められるラグビーができたという自負からか。
笑顔でワールドカップを終える代表の面々です。
しかし、その視線は次を見つめていることでしょう。
Photograph/Bryn Lennon(Getty Images)

 勝利した日本代表の通算成績は、プールB 3勝1敗。同プールに1位南アフリカ代表、2位スコットランド代表と同勝敗数となりましたが、勝ち点の差による、プール内3位で大会を終えることとなりました。 

 そしてこの日、日本代表は再びラグビーの歴史を塗り替えたのです。日本代表が1次リーグで3勝を挙げたのは初めてであり、さらにこれまで8回行われたラグビーワールドカップにおいて、3勝を挙げたチームが1次リーグ敗退となるのは、日本が初めてだったのです。   

お疲れ様でした。ありがとうございました!  


◇ラグビー日本代表、予選組プールBの結果
9月19日(土)  対南アフリカ  34 - 32Win
9月23日(水)  対スコットランド 10 - 45 Lose
10月3日(土)  対サモア  26 - 5  Win   
10月11日(日) 対アメリカ    28 - 18 Win