現在開催中の「世界陸上ロンドン 2017」9日目となる2017年8月12(※現地時間)、男子4×100メートルリレーの決勝が行われました。

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Photograph/Paul Cunningham - Corbis(Corbis via Getty Images)

世界陸上ロンドン2017 男子4×100mリレー

 第一走者は多田修平選手(21歳 関学大)、第二走者は飯塚翔太選手(26歳 ミズノ)、第三走者は桐生祥秀(21歳 東洋大)、そしてアンカーは藤光謙司(31歳 ゼンリン)の布陣で臨んだ日本代表は、予選でマークした今季最高記録となる38秒21をさらに縮め、38秒04でゴール。 

 こうして日本代表は、2016年のリオデジャネイロ五輪2位に続いて世界選手権でも3位で表彰台に上がることに。世界選手権では初メダルであり、この大会の日本勢としてはメダル第1号となったのでした。

 
JAAF(日本陸上競技連盟)@jaaf_officialより 

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 多田選手、飯塚選手、桐生選手とスムーズに得意のバトンワークで、3位争いを繰り広げているなか、アンカーの藤光選手にバトンが渡り、いよいよクライマックスへ…というときでした。5レーンで、藤光選手のわずか前を走っていたウサイン・ボルト選手が突然左脚を引きずり、苦痛の表情。そして減速…。そして倒れ込んだのでした。

 そしてスタジアムは、アメリカとトップ争いをする自国イギリス代表への大声援と、偉大なスプリンターへの心配とが入り混じって騒然とした雰囲気に。そんななか、藤光選手は滑らかな走りでゴールしたのです。タイムは38秒04。予選よりも0.17秒縮め、今季最高記録を更新。そしてジャマイカの失速により、イギリス、アメリカに次いで見事、銅メダルを獲得するとに。

 ゴール後、まずはアンカーの藤光選手と第三走者の桐生選手が抱き合います。そこに第二走者の飯塚選手、第一走者の多田選手が加わってハイタッチ。スタンドからケンブリッジ選手、サニブラウン選手も駆け付けて、6名による組んで記念撮影を。世界選手権で初のメダル獲得をリレーチームで讃えあったのでした。 

 予選ではアンカーを走っていたケンブリッジ選手ですが、6月の日本選手権での故障が尾を引きていたようで、決勝は大事をとったようです。さらに、右太もも裏に違和感がまだ残るサニブラウン選手も…。そこで代役となったのが藤光選手。100mから400mまで何でもこなすマルチスプリンターと謳われえるベテランは、やはり負けず劣らず速かった。

 ボルト選手に起こった不慮の負傷からの偶然の産物と言えるかもしれません。ですが、そこまでの接戦を繰り広げていなければ、決して手に入れることはできません。日本のスプリント界の実力は、着実にアップしているという証明になることでしょう。さらに正規メンバーを欠きながらも、表彰台に上れたという事実も大きな自信につながることでしょう。

 この日本の底力、そして層の厚さを含めた総合力をさらに磨いて、次なる大会、そして東京五輪へとつなげてほしいところですね。

 
 レース後の二人のコメントが心に残りました。

 藤光選手:「去年(2016年のリオ五輪で)、走れなかった分の思いもあった…。ケンブリッジの分、ハキームの分まで走りたいと思っていた…」 

 桐生選手:「この場の6人、ここに来られなかった皆で、これから先、これぞ日本の陸上という走りで盛り上げていきたい…」

 
 欧米に比べ、日本における陸上競技というスポーツはマイナースポーツといって過言ではないでしょう。これを機に皆さん、野球・サッカー等と同様に、陸上競技の日本代表も応援しようじゃありませんか!

 
◇「世界陸上ロンドン|TBSテレビ」公式ページで動画を!
>>> http://www.tbs.co.jp/seriku/result/player.html?vid=ref:atm4011_010

 
藤光謙司選手のTwitter@Kenny_0501より

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桐生選手のTwitter@KiryuYoshihideより

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山縣亮太選手のTwitter@V7Jqq‏より

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朝原宣治氏のTwitter@nobinobi0621より

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伊東浩司氏(日本陸上競技連盟強化委員会短距離部長)@itokoji129より

 
高野 進氏(東海大学陸上競技部監督/日本陸上競技連盟理事) @takanosusumuより

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編集者:小川和繁