世界中でいま(2018年6月21日時点)、W杯ロシア大会が大いに盛り上がっています。日本代表も予選第1戦のコロンビア戦に勝利し、その盛り上がりもさらなる高まりを見せています。そんな興奮冷めやらない試合観戦中、ピッチのサイドをチラチラと動く広告バナーの目が奪われる瞬間を誰もが経験していることでしょう。そうです。冷静に観れば観るほど、ピッチの周りは広告がいっぱいなのです。そこで今回は、FIFA(国際サッカー連盟)の収入について注目してみました。

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This Is The Unholy Amount Of Money FIFA Will Make At The World Cup

 ワールドカップの輝きを曇らせることができるものがあるとするなら、それはほんのひと握りのものになります。そのなかでもっとも強力な要因が、自国の代表チームへの望みが潰えることではないでしょうか。それに加えてならば、週半ばの辛い2日酔い、これにそれに匹敵するかもしれません。ですがここで、それ以上に強力な要因となるかもしれないことをお教えしましょう。それが広告の話です。W杯の際、FIFA(国際サッカー連盟)は至る所で金を荒稼ぎしているという事実に、勝るものはないかもしれません…。 

 
 では、スキャンダルまみれの運営組織が、W杯ロシア大会で稼ぐのは、具体的にどのくらいの金額なのでしょうか。…「ニューヨーク・タイムズ」紙が確認したFIFAの財務書類によれば、その額はなんと61億ドル(約6700億円)にも達すると言うのです。 

 これは2014年に開催されたブラジルワールドカップよりも13億ドル(約1430億円)多く、当初の予想を10%上回る額だとのこと。先のFIFAの汚職スキャンダルを受け、いくつもの企業がスポンサー契約を解消したにも関わらず…なのです。 

 ではFIFAは、いかにしてその逆風を押しのけ、形勢をひっくり返したのでしょうか? その答えは実にシンプルです。欧米企業から、中国企業のスポンサーへとすんなりと乗り換えたわけなのです。2018年のワールドカップの20社のスポンサーのうち、7社が中国企業。これは前回のワールドカップから、6社も増えていることになります。 

 いま中国の習近平国家主席は、自国におけるサッカーの地位を上げるべく、さまざまな取り組みを進めています。中国の代表チームを強化するために、スポーツ分野への大型投資を行っているのです。W杯で中国が過去に唯一出場したのが、2002年の日韓共催大会になります。当時は世界を相手に、「いい戦いであった」とお世辞にも言えない現実を突き付けられました。 

 ゼップ・ブラッター氏の後任として2016年にFIFAの会長職に就いたジャンニ・インファンティーノ氏は、協会への非難の声など物ともせずに、この経済的な成功を大喜びしているようです。 

「FIFAの破産を予想する声もありましたし、その他のネガティブな見通しもありました。ですが、アジアを含む世界各地からの数字を見れば、FIFAの展望はかなり明るいと思います」と、インファンティーノ氏は語っています。 

 
 今後も永続的にW杯を開催するためにも、FIFAは少しでも多くの収入を望んでいることは理解できるのことではあるのですが…。皆さんはどう感じますか?


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By Nick Pope on June 13, 2018
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ESQUIRE UK 原文(English)
TRANSLATION BY Wataru Nakamura
※この翻訳は抄訳です。
編集者:山野井 俊