「エスクァイア」UK版から、サッカーW杯イングランド代表のトレーニング、そして記者会見、さらにはオフの過ごし方に関しての報告がありました。

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 W杯ロシア大会が開幕し、初戦チュニジア戦に勝利したイングランド代表ですが、今回ロシアでの滞在生活に注目してみました。 

 イングランドでは大会前にサッカーくじが企画され、イングランドの国旗が至る所に掲げられていました。また、パブのオーナーたちは大急ぎで、期間限定メニューを黒板に書き込んでいたことでしょう。 

 一方、一番気になるのは、この大会の主役である選手たちです。彼らの生活は実際、どのようなものなのでしょうか? 現在、代表チームの23人はサンクトペテルブルクで過ごしています。今回は監督率いるイングランド代表が、今後2週間半(願わくばさらに長い期間)は過ごすであろう、現地での生活に密着します。

イングランド代表の宿泊地

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 イングランド代表の本拠地は、サンクトペテルブルクから車で45分ほどの街レピノにある「フォレストミックスホテル」にあります。

 この場所はフィンランドとの国境からそう遠くない場所にあり、バルト海に面しながら森林にも囲まれています。ホテルは4つ星ですが、過度にラグジュアリー感があるようには見えません。BBCはこのホテルを「1980年代風のリゾートを思わせる佇まい」と描写しています。写真を見たところ、内装はイングランド中部の中価格帯のB&B(ベッド&ブレックファスト)にあるような、クラシックなオレンジレッドの壁紙で飾られているようです。 

 プロのサッカー選手たちは、「贅沢なライフスタイルを送っている」と非難されることが多々ありますが、このホテルはそのような印象に反する側面があるかもしれません。予約サイトをざっと見てみると、平均的な客室の宿泊費は朝食込みで1泊約100ポンド(約1万4600円)です。ホテルの設備は小さめのジムやスパ、怪しげな壁紙の平均的サイズの客室、そしてビリヤード台が置かれた、かなり控えめなゲームルームなどがあります。 
  

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「ザ・タイムズ」紙によれば、選手たちには個室の部屋が与えられるものの、基本的にはホテルの共用エリアで過ごすよう推奨されているそうです。 

 また、選手たちはホテルを出て、周辺のビーチや森を散歩することも許可されていると言います。 

「以前はクォッカラという名前で知られていたレピノの小さな歴史的エリアは、19世紀半ばからサンクトペテルブルクの富裕層たちの別荘地として愛されてきました」と話すのは、旅行ガイドブック「ロンリー・プラネット」の現地特派員であるキラ・トゥヴェルスカヤ氏。芸術家のイリヤ・レーピンもこの地に居を構えたとのことで、彼の死後、その家はミュージアムに改装されたそうです。 

 選手たちはそんなレーピンの「ペナティ(Penaty)」ミュージアムを見物し、松の香りを嗅ぎながらフィンランド湾の美しい海岸を散歩し、現地の人々のようにジューシーなシャシリク(ロシア式バーベキュー)に舌鼓を打ったり、フットボールに湧く都会の喧騒から離れて平穏な中で生活を送っていることでしょう。たぶん、内面は平穏どころじゃないかもしれませんが…。 
    

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 とはいえ、イングランド代表の滞在により、このリゾート地がいつもより活気に溢れることは間違いありません。選手たちが到着した2018年6月12日には、当然厳重なセキュリティ体勢が敷かれ、ホテルの建物の外には迷彩服を着たロシアの警察たちが整列していましたので…。

トレーニングスケジュール

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 もちろんイングランド代表は日々、ハードなトレーニングに取り組んでいます。こういったトレーニングは通常、午前中半ばにレピノ北部のスパルタク・スタジアムで開始されます。一部の練習はメディアに公開され、残りは非公開で行われます。 

 また午後には、一部の選手がメディア向けのインタビューに対応する時間も取られます。このほか慣例として、サウスゲイト監督は各試合の前日には記者会見を行うことになっています。 

 あらゆるアスリートに言えることですが、食事はコンディションやパフォーマンスに大きな影響を与える重要な要素です。イングランド代表の元シェフであるティム・ディアス氏によれば、前回のワールドカップでは、代表チームの食事は白身肉や魚、米、野菜などが豊富に含まれるタンパク質中心のものだったと言います。また試合の直前には、炭水化物中心の食事になるとのことです。 

「ほとんどの選手は、試合前にはいつも同じ食事を摂ります。たとえばトーストにベイクドビーンズをのせたものや、スパゲティ・ボロネーゼといったものです。元イングランド代表GKのジョー・ハート氏の場合、試合前はいつもボロネーゼソースのパスタに、チェダーチーズをかけて食べることが好きでした」と、ディアス氏は「タイムズ」紙にコメントしています。  

 とはいえ、国外で試合を行う際には、ディアス氏は大量のブラウンソース(洋風料理によく使われる茶色のソース)をもっていく必要があったそうです。また彼がつくるライスプディングも、選手たちのお気に入りだったそうです。

オフの過ごしかた

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 選手たちのオフについては、しばしば「門限」や「禁止事項」といった話題が噂になることがあります。ですが、これまでのイングランド代表監督に比べれば、サウスゲイト監督はそれほど厳格ではないようです。 

 ソーシャルメディアを使うことも、選手たちは許可されています。実際、キャプテンのハリー・ケイン選手はツイッターにたびたび投稿していますし、ラヒーム・スターリング選手やデレ・アリ選手は、ロシア行きの機内で早速写真を撮っていたようです。 
  

これはxの内容です。詳細はそちらでご確認いただけます。

ハリー・ケインのツイート内容: 
チームはロシアで温かい歓迎を受け、最初のトレーニングセッションを終えるところです。 


【R.スターリング選手のインスタグラム投稿】 
 

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 選手たちのインスタグラム・ストーリーズのおかげでファンたちは、「トレーニング後のオフの時間に彼らが何をしているか」といったことも、知ることができるようになりました。W杯開幕前には、19歳のMFトレント・アレクサンダー・アーノルド選手がテレビゲームで遊ぶ様子を、FWダニー・ウェルベック選手が投稿していました。また、MFエリック・ダイアー選手がUNOを全力で楽しんだいたり、FWマーカス・ラッシュフォード選手がスポーツマッサージで英気を養っている様子も投稿されました。 

 ワールドカップ開幕戦が行われた6月14日の夜には、代表チームはチーム作りアクティビティとして、定番のボウリングを楽しみました。そして、その後はロシア対サウジアラビアの試合を観戦したそうです。 

家族と友人

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 選手たちはワールドカップ期間中、家族や友人に会うこともできます。が、会えるのは試合の翌日だけになります。

 ジェイミー・ヴァーディ選手の妻で、TVレポーターのレベッカ・ヴァーディさんによれば、彼女は4人の子ども全員をロシアに連れて行き、夫をサポートする予定だと言っていました。いまごろは、ロシアにいることでしょう。 

「現地では、セキュリティと一緒に行動します。これは珍しいことではなく、子どもたちと一緒に大きなイベントに訪れる場合、セキュリティに同行していただくのはいつものことなんです」と、妻であるレベッカさんは語っています。 

「フットボールの世界では最大の舞台ですし、家族全員で現地のジェイミーをサポートしたいんです。家族は、各試合の翌日には選手たちに会うことができるんです。この日が楽しみでしょうがありません。ジェイミーが家を出てから、みんな早く会いたくてたまりませんからね」とレべッカ・ヴァーディさん。 

  
 このような綿密に計画された現地でのライフスタイルが、イングランド代表の活躍を後押ししてくれるに違いありません。その他、各国の代表たちも、このように綿密な計画のもとロシアに滞在していることでしょう。あとは皆さんの応援をプラスするだけですい…そして、結果を楽しみに待ちましょう。

By Olivia Blair on June 15, 2018
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ESQUIRE UK 原文(English)
TRANSLATION BY Wataru Nakamura 
編集者:山野井 俊